第7話

俺達はエルフたちを開放した後、エルフたちを人間集落まで連れて行く事になった。理由は単純でこれまでのように分かれて暮らすのがリスクが高いということが今回の出来事で分かったからである。

これによってエルフ達が俺達の集落で暮らす事になったのだが、そのおかげで今はエルフ達の家や作業場を作ったりなど前より大忙しになっている。

まあ人数が増えて賑やかになるのはいいことだろう。

そんな中俺達は何をしていたかというと、俺がヤツから奪った能力の確認と何故かいなくなったエリナという幼馴染の捜索である。

能力の確認は、案外早く終わったので今からはこいつから奪った剣技を改良して新しい物にしようと考えている。

それに対して幼馴染の捜索が始まって一週間が経つけど全く持って見つからない。

「なあ、あいつ死んでないよな」

「いや、あの子が死ぬわけ無いじゃんか」

「まああのボロボロになった集落を見たらすぐにこっちに来るよ」

「まあそうだろうけどさ」

こんなやり取りをしていると、遠くからものすごい勢いで走ってくる気配がする。なるほど噂をしたらあっちから勝手に来るのか。一週間無駄にしたな。

そして五分たった頃に、気配の正体が集落の前までやってきていた。

そしてこっちを見たと思うと、勢い良く俺に向かって突っ込んできた。

「ちょっと待てその勢いで突っ込んでくるな。俺が死ぬだろ」

「ツバキ無事かー。あなたのエリナが来ましたよ」

「無事だけどお前のその一撃で死んじまうよ。て言うかあなたのえりなってなんだよ。どうしてこうなった」

「「はあー、またこうなるんだね。ツバキ頑張ってね」」

「頼む見捨てないでくれ。助けてくれ」

「「仕方ないなー、ほら絵理奈一回落ち着きな」」

「あれモミジとカエデじゃないですか。おふたりとも元気なんですか。少し残念です」

まあこんな感じでぶっ壊れているのが幼馴染のエリナである。小さい時はこんなんじゃなかったんだけどな。

エリナは性格もぶっ壊れているが、能力もぶっ壊れている。そのため他の二人から死んでるわけ無いと言われるのである。

そんなぶっ壊れている能力というのは、重力支配というのである。

この言葉だけでもやばい能力だと判断できるだろう。

この能力を簡単に説明したら、敵や味方、自分の重力を強くしたり弱くしたりできるのだ。最大で地球の重力の百倍にまで弱めたり強めたりできる。

こんな感じで最後の幼馴染の能力も壊れているのである。前はつらかったけど今は大丈夫です。新しい能力を手に入れましたので。

こんな感じで一人で説明していると、何故か三人で喧嘩が始まっている。

「元気で悪かったわね。そういうあなたこそ心配してたのにピンピンしてるじゃない。今まで何してたのかしら」

「こっちは剣の材料になる鉄を集めてたんです。ほらお二人はずっとツバキといたのだから今すぐどっかに行ってください。邪魔ですよ」

「「あなたなんかに渡すわけ無いでしょ」」

「ツバキのことが好きならそういえばいいのに」

「「好きなわけ無いから。ただあんたが何するかわからないから心配なの」」

「安いツンデレありがとうございます。ほら邪魔だからあっち行ってください」

「「ツバキがほしいなら私達を倒して行きなさい」」

「望むところです。一瞬で蹴散らしてあげます」

かなりやばそうだ。こいつらが喧嘩を始めたら周囲の物が全てなくなってしまう。それだけはなんとかしたい。

「ほら喧嘩はやめろ。エリナは後でよしよししてやるから我慢しろ」

「約束だからですね。破ったらダメですよ」

「「この子やっぱり色々とちょろいわね」」

エリナが揃ったところで、長老に無茶振りをしに行くとしよう。

内容は簡単、それはこの世界をここにいる三人と見てきていいかというものである。だってこんな狭いところに閉じ込められたくないからね。

あとはいっそのこと魔物を滅ぼしちゃおうとか考えてないからね。

こうして俺達は長老にこのことを伝えにいくのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

氷結世界 神無木夕 @mari2005

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ