やたらとテンションの高い女神によって強制的に異世界に転生させられた神崎司。なぜか面白半分で作ったダーツで転生先を決めさせられ、見事残念賞を当てた司は異世界でも最難関ダンジョンの最深部へ送られる……唯一無二のユニークジョブ・焼きマンドラゴラ屋として……。
パーティーからの追放ものが流行っている昨今だが、本作はいきなり最難関ダンジョンからスタートというナチュラルボーン追放もの。そしてこの焼きマンドラゴラ屋というジョブには実はとんでもない秘密が隠されていた!……みたいなことは別にない。基本はマンドラゴラを自在に出せるようになり、一応チョロっと火も出せるようになったり(焼かなきゃいけないからね!)もするがそれだけである。しかもマンドラゴラも別に美味しくない……せめて調味料ぐらい出せるようにしてほしい……。
そんな絶望的な状況からスタートしている司だが出会いにだけは恵まれていた。なぜかダンジョンに迷い込んでしまったワケありの勇者の子孫に、いかにもダンジョンのボスっぽい雰囲気を出す謎の少女。この一癖も二癖もある面々とともに異世界を放浪するファンタジー風コメディ。どんな絶望的な状況でも軽口を叩いて乗り切っていくたくましさが楽しい作品だ。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=柿崎 憲)
転移してマンドラゴラ屋ってひどいよね。
マンドラゴラ売って、どうやって生きていきの!どうやって冒険するの!
クスクスするポイントがあちこちにあり、ついつい笑っちゃいます。
マンドラゴラを話の中心に持ってきたのは、すごい斬新な設定で面白くて好きです。
この小説を読んでふと思い出したのが、転生したらスライムだった件。
あの小説を読んだときに、こん棒いっぱつ死んでしまうスライムに転生したら、一瞬で死ぬじゃんって思ったのですが、その後にいろんな話が展開していきまいした。
この主人公もマンドラゴラ屋に転生し、もう一瞬で話が終わってしまうと思ったのですが、もちろんそうはいきません。
ファンタジー好きなら知っているであろうマンドラゴラの特性を膨らませて、マンドラゴラを中心に話が進んでいきます。
そんなにマンドラゴラに詳しくなかったので、マンドラゴラってそうなんだ!ってマンドラゴラにも興味がわいてきました!
登場人物も増えてきて、この先、どんな冒険が待っているのか、どんな結末があるのか、期待しています。