第87話 その輝きは天に
青い光の奔流は玉座を巻き込み、王城全てを破壊した。崩れ落ちていく王城からはあちこちから土煙が昇り、凄惨な戦いの跡は残らず消え去っていた。その様子を俺は僅かに残った床に這いつくばって眺めていた。俺はエクスカリバーの放射線上にいた。普通なら跡形もなく光に呑まれていた筈だ。訳は分からないが、とりあえず生きていることに安堵するしかない。
「ツカサ、ツカサ!!大丈夫か!?」
「俺は大丈夫。それよりもジークは……。」
無言でレイが指示した方向を見ると、そこにはジークの腕とその手に握られたグラムのみが残されていた。残されたそれらもみるみるうちにヒビが入っていく。そして、砂のように崩れ落ちた。
その時、突風が吹き荒れた。ジークとグラムの亡骸が風に乗り、天へと昇っていく。晴れ渡る空と目を奪われる程の輝きは、俺達の戦いの終わりを告げていた。
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