第16話 宵闇に紛れて

「……はぁ、はぁ、はぁ。」

 

 顔の大部分を覆うペストマスクをずらし、暗闇で息をつく。

 ここは最難関ダンジョンの奥深く。どれだけの手練が居たとしてもそう易易とは辿り着けないはず。しばらくここで息を潜めて傷を癒やす他無い。


「ヤキが回ったってことかな……柄にもないこと、やっぱりするもんじゃないな……。」


 体力は残り少なく、まぶたがずり落ちて来る。周囲の警戒、それを意識しながらも少女は深い眠りへと落ちていった。


         ◇


 その日、ある二人組によってダンジョンは踏破され、上空へ浮上することとなった。その時、ダンジョンの主の配慮により、内部にいた生きている人間の大半がダンジョン外へと排出された。────生命も絶え絶えな彼女を除いて。



────────────────────

【後書き】

いよいよ、新キャラ登場です。

(編集の都合上、短くて申し訳ないです……)

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