第18話 実技試験
―それから二週間後。
今日はSAEGの操作講義最終日。つまり実技テストの本番だ。これで合格すれば、SAEGを手にすることが出来る。
合格できる確率?
いやぁ・・・大丈夫っしょ。一応、射撃分野では筋がある方だと思う。七海やはすみに比べたらね。
え?ライルやゆずはって?ライルは別格。射撃前に「狙った的は外さないぜ!」って叫んでも格好がつくレベル。
ゆずには同等・・・と思いたい。ま、今日のスコアでハッキリさせるから。是非とも楽しみにしてもらいたいものだ。
え?実技テストの方ではなくて、期末テスト? まだ何もしてないよ?だってまだまだ時間があるじゃないか。それより目前の実技テストだよ。
さっき言った通り、射撃分野で足を引っ張ることはない。たけど、技術分野がね・・・。技術分野は、分解状態からの組み立て速度、個人に合わせた武器の調節能力でスコアがつけられる。
よく分からないんだよね・・・これ。いつも初期状態で使っていて、多分これがベストコンディションだと思う。
だから初期状態のまま出そうと思っているけどどうなのだろう。ダメかな?少しカスタマイズしてみるか・・・。ん?分解状態からの組み立て?あー・・・運。頑張るよ。
「緊張するか?」
「まぁな。これが初めての点が取れるテストだからな」
「可哀想なヤツだぜ」
「うるせぇよ。ライルはどうなんだ?」
「・・・まぁまぁってとこかな」
「何を迷ってるんだよ。逆に失敗してる場面を見たいまであるぞ」
「期待に背くことを久しぶりにしてみるよ」
なにその格好いいセリフ。期待を裏切り続けて、いつの間にかに期待すらされなくなった黒羽英慈には使う機会がなさそうだな。
「そろそろ受付に行くか」
「そうだな」
受付機の所へ行く。端末を受付機にかざすとログインでき、順番の予約が取れる。端末の数字を見ると3組。少し早く来すぎたか?
「ライルは何組だ?」
「俺は2組だぜ」
「ということは俺の前だな。レーンはいくつだ?」
「えーと・・・第8レーンになってるぜ」
「俺は第1レーンだ。バラバラだな」
「それじゃ、控え室に行ってくるぜ。また夕食でな」
「おう」
試験は地下射撃場で行われる。射撃場はレーンごとに分かれており、組ごとにそれぞれのレーン入室するのだろう。
レーンに入ると、横の人は見えない完全個室になっているが、控え室で誰と同じ組かが分かる。それじゃぁ、俺も2組と電光札に表示されている控え室に行くとしようか。
―ピッ
扉の横のセンサーが勝手に俺を黒羽英慈と認識して控え室の鍵を開けてくれる。扉を開けるとそこには見知らぬ数人と彼が居た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます