絵本の鬼から逃れて、ミュータントの毒爪と戦う

絵本のような世界にいた。絵筆で描いたようなタッチだ。

巨大な鬼がいて、私を食べようとしていた。赤い肌。もじゃもじゃの茶髪に二本の角。虎のパンツと大きな金棒。典型的な鬼だ。


食べられては敵わない。私は一計を案じる。


「〇○ねえはお菓子作りが上手いから、それを食べたほうがいんじゃない?」


お菓子で釣ることを考えた。

鬼は思案する。


「そんなことよりお前を食べたほうが早いだろ」


失敗だ。私は食べられてしまう。鬼の巨大な手が私に迫った。

だが、この時には気づいていた。これは夢だ。だから、目を覚ませばいいんだ。


目が覚めた。絵本ではない。現実の世界にいた。

私は押し入れで寝ていた。押し入れには箪笥が入っており、隙間は僅かしかない。その狭いスペースで眠っていたようだ。


和室へと移動する。

すると、不審な三人の人影があった。ねずみ男のように、白い布で全身を覆っている。その布から露わになっている肌は不健康なほどに白い。ミュータントだろうか。

両手の爪が長く伸びており、毒が塗られていることは明らかだ。


「こうするんだよ」


私の隣に姉が来ていた。そして、身体をくるくると回転させながら、不審者にぶつかっていく。

ミュータントには見事にダメージを与えつつ、自分は無事のようだ。


そうか。


私は彼女の真似をして、身体を回転させる。

しかし、不審者の爪に引っかかれてしまった。

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