盛られた土が
バスの出発が近づいていた。
出発時間を尋ねるためにバスに乗ったつもりだったが、バスはすぐに次のバス停へと進んでしまった。バスが停まると、荷物を置いてきたので待てないか尋ねると、出発は8時だと教えてくれる。
私は大急ぎで宿泊施設まで戻った。
宿泊施設には自転車を停めてあり、1メートルほどの大きなバッグがあり、また布団も置いてあった。
布団まで持っていかなくてはいけないのか。私はげんなりしつつ、布団を自転車のカゴに無理やり乗せて、大荷物を担ぐと、バスまで急いだ。
日々の暮らしは続いていた。街にはゾンビのようなものが蔓延しており、人間と呼べるものは少なくなっている。
それでも「私」と彼女は時に喧嘩しながらも、お互いの生活を尊重していた。
時間が飛ぶ。「私」の暮らしていた部屋には骸骨の博士が暮らしていた。
四角い何もない空間の中で、何事かを研究し考察している。
私はそれを眺めていた。そして、気づく。部屋の中に盛られていた土がなくなっているのだ。
時間は巻き戻る。部屋の中で大立ち回りが行われていた。
「私」はロープにぶら下がり、土を越えようとするが、ゾンビに群がられ、土の中に落ちてしまう。土の中には白紫色の結晶のようなものが散りばめられてあった。土に落ちたものはゾンビと化してしまうのだ。
そして、思い起こす。
未来の「私」の部屋には盛られた土がなくなっていた。ということは、未来世界ではゾンビは一掃されてしまっているのだ。
そのことに恐怖を抱きながら、目を覚ました。
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