二周目とはいえ

取り返しのつかないことをしてしまった。恥ずべきことをしてしまった。罪悪感で何も手がつかなくなる。

それが何だったかは思い出せないけれども。


その男は私の情けない感情を的確に刺激し、周囲に喧伝し、私の周りは敵だらけになっていた。そんな中、私はゲームに興じている。


もう一度やり直そう。私は強く念じた。

同じことが繰り返される。やはり、周囲からなじられる。

しかし、奴の思い通りななるつもりもない。


私は私を追い詰める上司に向かって、怒りを爆発させた。


「麦川ぁっ!」


机にバンと手のひらを叩きつける。

すると、麦川さんは冷静にこちらを見つめてくる。そして、ぽつりと疑問を口に出した。


「お前、本当に○○(私の本名である)か?」


深い恐怖と不快感とともに目を覚ました。目覚まし時計の鳴る1分前のことである。

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