音楽教室

事情があり、音楽室に通うことになる。

その場所の生徒たちはゆるい雰囲気だった。そのため、ある日、私はパジャマで音楽教室に来ていたが、さすがにそれは皆から注意を受けてしまう。

しかし、その日に限って用事が多く、教室やその施設内を歩き回らなければならなかった。


体操と筋トレをすることになり、体育委員はそれを記録することになった。記録を書いているうちに不整合だった数値が整合していき、数字の美しさに魅せられていく。

私はそのエクセルを覗いて、表を直してあげることにした。二重に数字が撃ち込まれている箇所があり、間違っていると思ったからだ。しかし、セル内に複数の数字が打たれていたり、同じ行なのに違う項目の数字が打たれていたりと、一筋縄ではいかない。


音楽教室の帰り、職員室に寄っていた。

メールが来る。内容は、「中本の天ぷらは美味しいのか」という質問だった。「中本はどれも美味しい」と返事をする。だが、中本で天ぷらを食べた覚えはなかった。

教師の二人が話し込んでいるため、挨拶ができず、そのまま帰るかどうか迷う。面倒になってきたので挨拶をせずに帰った。


カバンを持っていないことに気づいて引き返す。すると、女教師が私のリュックサックと小さな袋を回収しているところだった。私がそれを取り戻すと、女教師が訝しんでくる。

「申し訳ない」と一言詫びを入れた。

女教師はもう一人の教師に忘れ物の持ち主が見つかったと告げる。

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