病院に行った

病院に行った。


受付時、名前のほかに肩書きを書く欄があり、私は会社員と書く。すると、肩書きと名前の書かれた名札を渡された。

待合室には何人か人がいるが、「アイドル研究家」と書かれた名札をした女性など、怪しい肩書きの人が多い。「社会学者」と書かれた名札をした人もおり、昔、ひろゆきや堀江に論破された人だとわかる。論破のイメージがついたのは彼のお陰なのだから、ひろゆきは彼に感謝しなければなるまい。


私の一つ前の順番で診察を受けたのは桐畑亨だった。私はなぜか彼を身内だと思っている。

診察を受けに行くと、桐畑亨とまったく同じ症状だということですぐに終わり、薬を受け取って帰ることになった。ある意味、助かったといえる。


伊集院光は師匠の円楽(かつての楽太郎)と電話で話していた。「正月くらいは顔出しなさいよ」と言われ、そのまま押し切られてしまう。カレンダーを眺めて、正月のことを思うと気が重くなった。

だが、桐畑亨に自分も同じようなことを言ったことを思い出し、知らず知らずのうちに師匠に似てきているのだと染み染みする。


駐車場に戻ると、変な張り紙が貼られていた。

「駐車場はみんなのもの。あなただけのものじゃない」と書かれていた。「駐車場の20%は〜」といった内容もあった気がする。

もう一度読んでみると文面が変わっており、「駐車場から立ち退かないと、怪しげな人たちに怪しげなことをされます」となっていた。これは完全に脅迫じゃないかと思っていた。

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