今こそみんなで自爆する時

私は六角柱の手足を持ち、六角柱の胴体をしていた。

頭は胴体と一体化しており、完全な六角柱人類だった。

私と同じような六角柱人類の兵士たちが城に集まっている。城はメルヘンやRPGに出てくるような典型的な城であった。

私はその様子を丘の上から眺めていた。城には兵士が入りきらず、あぶれたまま丘の上まで来ていたのだ。


今こそみんなで自爆する時だ。その機運が高まっていた。

私も自爆しようという使命感で心が満ちていた。


ボンっ


城の兵士たちが自爆し始めた。兵士たちは次々に自爆していく。


それでいい。

私はその様子を誇らしげに眺めながら、自分の順番を待っていた。


ボンっボンっボンっ


やがて、私の隣にいる六角柱人類が自爆した。次は私の番だ。

だが、自爆できなかった。

自爆すると死んでしまう。今まさに死ぬという間際になって命が惜しくなった。

死ぬのが怖くて仕方なかった。

私は恐怖で震えながら自分が自爆するのを拒否し続けた。


六角柱人類はすべて自爆し、私一人になった。

使命を果たせない情けなさと自分一人が生き残ったことの申し訳なさで気持ちがいっぱいになりながらも、それでも死ぬことはできない。


私はいざという時に死ねない人間なのだ。

夢から醒めた後も情けなさは消えなかった。

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