「夢見る人」深き眠りの七百階段

今日はエイプリルフール

会社の掲示板を見ると、今日のお弁当はカラアゲだった。

カラアゲという字面はウナギを連想する。お昼にはうな丼を食べようと思った。

お昼になったので、うなぎ屋に向かった。うなぎ屋は複数あるが近場の店が安いので、そこにすることに。

歩きながら今日は4月1日だと気づいた。

せっかくエイプリルフールなのだから、何かつぶやこう。

「今日の社食がカラアゲなので、ウナギを食べることにします」

実に上手いことを言ったものだ。

うなぎ屋に着き、メニューを眺めた。それなりのものを食べようとすると、やはり値段が張る。

メニューの中にストロベリーアイス付きで730円のものがあった。店のねえちゃんにこれが何かきくと、うなぎを使ったラーメンだという。

いかにラーメン好きの私といえど、うなぎ屋のラーメンは躊躇する。

すると、店のねえちゃんは「今まで330食も出ている人気のメニューなんですよ」と言った。すごさがまったくわからない。

結局、うなぎラーメンを注文することにし、待っている間につぶやこうとする。やけにノドが渇いていたが、水は飲まなかった。

つぶやきを打ちながら、別にカラアゲとウナギは掛け言葉として上手くもなんともない気になってくる。ラとウは似ているじゃないか、そう自分を鼓舞した。

うなぎラーメンが届いたが、食欲が全然わかない。むしろノドが渇いて仕方がなかった。水は近くにあるが飲む気にならない。

ラーメンなので早く食べたほうがいいだろうと思い、妹に食べるよう勧めた。

うなぎラーメンはなぜかプラスチックのパックに入っていた。その上から包装紙が巻きつけられており、さらにビニール袋に入れられている。

目が覚めると夜の8時を過ぎていた。二日酔いだった。