夢見る力で宇宙に飛び立つ
故郷の星を追放された私は、なぜか地球のヨーロッパで、白人の伯母と従姉妹の住む家に引き取られた青年になっていた。
力をなくし失意のまま生活していたが、とあるバーで出会った謎の男から、夢見ることで宇宙を行く超パワーが得られると教えられる。
そして、男から特殊なスーツの入ったアタッシュケースを受け取った。
夢の中で、紺色を基調とした筋肉とメタリックの融合したスーツを身につけると、私は地球から飛び出した。
宇宙を航行しながら、アクロバティックな飛行技を次々に決めていく。かつての力が戻っていると感じた。
目が覚めると地球での生活に戻っていた。しかし、夢の世界もまた現実であると実感している。
私は地球での生活と宇宙での旅を繰り返すようになった。
故郷の星に帰ってきていた。
そこはゲームのステージのような場所で、賞金稼ぎやヴァンパイアハンター、勇者たちが次々に襲いかかってくる。私は苦もなく返り討ちにしていくが、戦いの中で徐々にエネルギーは失われていっていた。
そして、大賢者と対峙したときには、戦う力がほとんど残っていなかった。このままでは手に入れた経験値もアイテムも失ってしまう。私は逃げることを決断するが……。
地球での生活は、夢見ることで得た体験をアイデアにすることで、ゲーム制作の仕事を軌道に乗せていた。
しかし、安定した暮らしの中で、いつの間にか夢見る力が失われつつあることに気づいていなかった。
いつだったかバーで出会った謎の男が現れ、夢見る力がなくなると警告する。
私は急いで自分の部屋に戻ると、故郷の星にいる自分の分身にアクセスする。しかし、すでに復活のための期限は二週間も過ぎていた。
私は二度と夢見ることはなかった。
時は流れ、白人の従姉妹が私の妻になり、彼女は妊娠していた。
身重の妻に私は苛立った声を上げる。
「お前が産んだ仔はすべて出来損ないだったではないか」
彼女の胎内からは、大蛇のような巨躯を持ち、顔のないナマズのような頭部を持つ醜悪な怪物が生み出されていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます