第16話#16.Noチートな女子高生達

#16.Noチートな女子高生達



前略、仲良し女子高生6人組で旅行に出かけたはいいが、

途中でバスが事故に遭い異世界転移しました。

唯一無事だったこの6人がチート無しで生きていけるのでしょうか?

尚チート行為が発生しない限り監察官は不干渉とする。


 「こりゃあ忙しくなりそうじゃのう」


まるですぐ出番があるかの様にいそいそと着替えるナーロウ


「えっ、だってまだチート行為は発生してませんよ?」


まだまだ大丈夫だと余裕たっぷりな使い魔のグーコ


「いやいや、異世界転移だの転生だのする奴は大抵チートなんじゃ」


もはやチート者と決めつけてるナーロウ。

まあ不遇と見せかけてって展開はなろう小説あるあるですけど……

対象の6人を見張るべく、異世界を覗けるスコープを覗いた。


 まず対象の6人を紹介しよう。

左から普通、アイドル、ボイン、ガリベン、ギャル、イケメン(女)の6人だ。

普通の娘以外は皆個性的ですぐにも何か起こしそうな面子である。


 6人にはひのきの棒と旅人の服的な物が与えられ冒険がスタートした。

ちなみに魔王を倒せば元の世界に帰れるとかそういう企画ではない。


「お、さっそくトラブル発生じゃ。チートチート」


 6人の前に現れたのはスライム一匹。

雑魚的だが初めての魔物に動揺する6人。

そうだそうだチートを使えと謎の念を送るナーロウ

それをグーコが呆れた様子で見つめている

 

「そろそろ動きがあるみたいですよ?」


6人の内大半は怯えていて腰を抜かしていたが、イケメンが勇気を出して棒で殴り倒してしまった。


「チっ、余計な事を……」


チート行為が発生せず残念がるナーロウであった。


 スライムを倒した6人はレベルが上がり少しだけ魔法を使えるようになった。

特にガリベンは元から知能が高かった為、他の娘より覚えた呪文も多い。

ちなみにこれはチートではないですからね、念の為。

はいはいと扇子で自分を仰ぐナーロウ。


 6人はとりあえずお金を稼ぐために行動した。

お金稼ぎ、クエスト、これはチートの匂いがしますね?

しかし6人の取った行動は意外なものであった。



とある酒場にて、6人の内ギャルがこう叫んだ。


「女子高生の制服売るよー。今ならなんと本人の握手付き!」


「ブル〇ラはやめろ!な〇うに掲載できなくなるじゃろうが!」


おおメタいメタい。見苦しくもスコープ越しにツッコむナーロウ様。

いやー熱い展開になってきましたねーwww


「五月蠅いナレ!そして草を生やすな!」


ナーロウがナレーションに激怒している間に制服は完売。

6人のJK達は当分暮らすのに困らない金銭を得た。

これもチートではございません。彼女達の実力です。


 「嬢ちゃん達中々やるじゃねーか。ここで働かねーか?」

 

6人達のやりっぷりを見ていた酒場の店主がここで働いたらと誘って来た。

分かった、彼が実は魔物だったり……はしないですかはい。


 酒場で働き出した6人の仕事っぷりは見事な物だった。

普通は普通だが真面目な働きっぷりで好評を得たし、アイドルは文字通り異世界でもアイドル店員として名をはせた。

ボインはその豊満な体で熱心な固定客をつかみ、ガリベンは酒場の効率化とマーケティングで売上に貢献した。

ギャルは富裕層のおじ様達をターゲットに営業をかけ、イケメンは酒場に来ることの無かった女性層を引き込んだ。


 つまり要は全員成功したって事ですね、チート無しでw


「あーつまらん、帰って寝よ」


「拗ねないで下さいよナーロウ様……」


チート違反者が出ずふてくされるナーロウであった。



-Noチートな女子高生達編・完-

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