第40話 中央委員会
「えー、では、今年度初めての、中央委員会を開催しようと思います。」
中央委員会室、四角く囲んだ机が並ぶ。
その中央、議長席、上座に座る女性の合図で、騒がしかった空気は、静まる。
「一年生の皆さん。
初めまして。
入学式で挨拶をしましたが、改めて、私が、第二高校生徒会長、纐纈紫苑(はなぶさしおん)です。」
伊世早美優のような御令嬢とはまた違った雰囲気の、お嬢様みたいだ。
生徒会長の威厳と言うか、その据わった肝、全てを見透かされる、学園全部を支配する、そんな雰囲気が瞳から感じ取れる。
お辞儀と一緒に、黒い艶やかな髪が凪がれる。
今日の中央委員会話は、特に議題はなく、顔合わせ程度、新メンバーの自己紹介だけで、閉会した。
はぁ。
ようやく、帰れる。
他の、上級生たちも、帰り始める。
隣にいた、仕田原理子は中央委員会の時、人が変わったように大人しかった。
これが、よそ行きの姿なのか。
目をつけられる前に、退散。
そう思って、俺は、立ち上がろうとした。
「1年生の方は、残っておいてください。
まだ、話したいことがあります。
新入生レクリエーションの件についてです。」
纐纈紫苑は、そう言って俺たちを引き留めたのだった。
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