第3話 新婚旅行は?

「結婚式はともかく、両家の顔合わせの場は欲しいかしら」

 母親の瀬戸さくらが言った。

 もっともな意見である。

「そうですね、どういう形にするか検討します」

 健司は、問題を保留とした。

 この場で、いろいろ言ってもらちが明かないだろう。

 いろいろ選択肢を調べてから相談しよう。



「ところで、新婚旅行はどうするのかしら?」

「うーん、海外に行くのは大変そうだから国内がいいかな~」

 美月が答える。


 そのまま、言葉の通りに受け止めるとこうなる。

 ・結婚式はしない

 ・旅行は国内


 なんとも安上がりである。


 しかし、健司はそこそこの年齢。言葉の通りに受け止めはしなかった。

 今はそう思っていても、人間は意見が変わるものである。


 長期的にどう思うか。

 ある程度、そこまで考えておきたかった。


 ”しかし、美月は頑固なところもあるからな・・・”


 下手に、反対しても意見を替えることはないだろう。

 

 うーん、困った。


 誰かに相談したい。

 相談できる相手なんかいるだろうか?




 一人だけ、思いついた。

 ただ、それはそれでハードルが高い相手であった。



 でも、他に思いつく策はない。

 何とか、話をする場をセッティングするか・・・

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