コードXYZ
その悪の巨人の名はウシナ。
妖怪の復讐心をダークストロングマンが取り込んだ成れの果て。
真獣に支配され、恐怖を取り戻すように洗脳され、巨大な妖怪を生み出した。
全身復讐の鬼火に包まれ、まるで地獄に住むと言われる火車の様。
「これが復讐の鬼、名をウシナ。我々を娯楽のネタにし、恐怖を薄れさせた人間の罪、死を持って償ってもらう」
「悪いがお前と話をするほど時間を無駄にしたくない。復讐するならさっさと来な」
ソウコウに成れる時間は他の者と違って適合率が低いため無限ではない。
しかもまだストロングマンがこの戦いの場に到着していない。
いや、もしかしたら妖怪の
(こいつを倒さない限り、学校は妖怪に支配されたままになる。もってくれよ、俺の体!!!)
レイに向かって来るウシナは裂けた口から長い舌を伸ばし、鋭い先端で貫き掛かる。
だが装甲が硬く弾かれ逆に両手で掴まれ、力任せに振り回される。
そしてジャイアントスイングの如く放り投げられた。
それは想定内の攻撃。
空中で勢いを制止させ、獄炎を敵に向けて放った。
攻撃を左腕で防ぎながらソウコウは空へ飛び上がり、ウシナに目掛け右腕を折り曲げ赤き光弾〈アマーム光弾〉を振り下ろしながら放つ。
すると獄炎は害虫に変化、彼の装甲を溶解液で溶かし始めた。
「グワ!?」
たまらず装甲をパージし、神速の速さでウシナに近づき右ストレートをくらわせる。
しかしカウンターである鬼火が全身に燃え移り、
「このまま死ぬわけにはいかない! 吉田先輩を置いては行けないからな!」
彼の叫びが自身の
『良くぞ言った。ならば力を引き出させてやろう。行け、正義の巨人に成れし者よ!』
データの集合体であるストロングマンの声と共に鬼火を打ち消し、新たなヒーローが誕生する。
銀色のボディを覆い隠す、頭の青き装甲、体の赤き装甲、足の黄色き装甲。
それはまるで幻獣の1体、ドラゴンを
「まさか。さらに進化を遂げたのか」
「俺の名は
名乗りと同時に右腕の装甲から龍の尻尾を思わせるフックショットが勢い良く放つ。
鬼火を消滅させながらウシナの腹を貫通、悲鳴を上げる。
フックショットを引き抜き、赤き装甲〈
「バカな!? 私の青き炎を打ち消すその力はどこから!?」
「知るかよ。〈ジライヤ〉の科学者達がすごかった。そうとしか言えない」
動揺する悪の巨人に対し、レイは冷たくあしらう。
そして青き装甲〈
次元の裂け目を開き、ウシナは攻撃を跳ね返そうとする。
「遅い」
光線が放たれた場所には既に居らず、すべての装甲をパージしたエワイズが黒き光線〈ビーム・
鬼火が完全に消滅し、黒き皮膚が浮き彫りになる。
「おのれー!!!」
ウシナは叫び声を上げ、口を大きく開く。
「インセクトプレッシャー!」
口から吐かれる大量の燃え上がる蛾が勢いよくレイに向かって飛んでいく。
これをくらえば確実に死へ直行する。
それを察したエワイズは黄色き装甲〈
「これで終わりだ!」
全装甲を合体させ、衛星を感じさせる形状にする。
ウシナはそれを見て絶望しながらも、捨て身の特攻を仕掛ける。
「完全に成仏させてやる! ファイナル・X・Y・
左手から放たれた眩い光線が衛星に吸収されて行き、エネルギーが増幅、悪の巨人に向かって3色の光線を撃ち放った。
「この私がぁ、人間ごときにぃ………」
消し飛ばされる直前イゲルド人がダークストロングマンを回収、攻撃を回避させた。
レイはそれを理解し戦いが終わったことに首を縦に振り、装甲をすべて装着し高く飛び上がった。
その後妖怪に支配されていた生徒、教師の催眠が解け、全員救急隊に救助された。
あんなにも寒い場所に長くいたのだから当然体調不良を起こす者も出てくるだろう。
授業は中止となり、里生とレイは〈ジライヤ〉本部に帰還する。
隊長へ事件の報告をしに司令室に向かっていると、高美と雷が他の任務を完了させ同じ方向に歩いているのが見えた。
「お疲れ様です。陣さん、岩歯さん」
レイが社交辞令として挨拶をすると、「はい。お疲れ様です」と高美は優しい笑み浮かべながら返事を返す。
歩みを進める彼らはまだ知らない。
新たな巨人の誕生を。
それは悪か、それとも正義か。
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