EP2 九尾の狐

とある町の何処かにあるコンビニの店内にて、

コンビニで働いている東野の前に突然北野が現れて、食料品の棚の仕切りを手に壁ドンに近い姿勢をされた。

「あのお客様…」

「再来週の日曜は空いてる?」

「は?てっかどうしてここが」

「貴方がうっかり鞄からそう言うのを落としたからだ。で?再来週は?」

「何で来週は駄目なの?」

「来週は休日は平日に一回しか無いんだ、だから再来週と言ったんだ」

「あんたどんな仕事を?」

「此処から歩いて数分の百貨店の一区画にある100均ショップで働いている」

「それを態々」

「本当は再来週に君の事を紹介しておこうと想ってな今日は顔見せ程度だ。写真が出来たんでなコレを見せて貰ってから金を得ようとな」

「何ソレ独り占め?」

「いや紹介して貰う時に渡そうと思って」

そう言ってコンビニを後にした、

その様子を見て変に察したのか店長が、

「何か調子も悪そうだし今日は上がって良いよ」

「…」

反論も出来なかった。

着替え終えて直ぐに北野の後を追った。

まさか追いかけられるとは思わなかった、

北野はやむ無く走って逃げずに紹介して貰う人の所へそのまま案内した。電車やバスに乗り継ぎ着いた先に会ったのは、

人が住んでいるのかどうかが分からない家だった。表札に『大田』と書かれてた、

北野は慣れた手つきで呼び鈴を鳴らして玄関に入った。

居間に入るといかにもステレオタイプに近いオタクだが痩せぽっちな男性がパソコンの前に座ってた、

「何だ北野、また無謀な事をしたか?」

男性の質問を無視して北野は。

「ここに座って後、表札にも書いてあった大田とと言う人」

「話聞け!」

パソコンから目を離して2人に向けた。

「1人な訳が無いだろ、あの時偶然出会った東野千花って人」

そう言って北野は東野を紹介した、

「それで、その人がを巻き込んで得たのもはあるのか?」

「エーテルルーラー。ヤタガラスの写真」

そう言って。写真数枚を渡した。

写真を見て太田が驚いた。

「レベル5のエーテルルーラーの写真を撮ったのかしかも顔もはっきりして」

「…エーテルルーラーが出てきた理由は解っていましたが、レベル?5?何か意味が在るんですか?」

東野の質問に少し時間を置いて返事をした。

「…かつてはアメリカで宇宙人が発見されたらしいと都市伝説があったな、…そのレベルと言うのは私が独自につけたものだ。まずレベル1は常人とは違う現状をその人だけが行えるのがレベル1、レベル2は無機物、有機物問わず影響を及ぼすのがレベル2、レベル3回りや風景にまで影響を及ぼすのがレベル3、次にレベル4は人間に影響を及ぼすのがレベル4」

「ではエーテルスレーブは」

東野の問に。

「レベル4に達したエーテルルーラーが招いた事だ」

少し間を空けて、

「レベル5は自信の内なる神を顕現してその身に宿す」

「神様を出す何て凄いですね」

東野か軽い返答をした、

「アレが神様とは言えないよ、君には解らないがその多くが怪物に等しい」

太田はそう言って一枚の写真を見せた。

「コイツは瀬夢が隼人と共に撮影に成功したエーテルルーラーだコードネームは『ツチグモ』」

上半身は着物を着た女の人。ただし下半身が土気色の蜘蛛。

そのツチグモの眼前に蜘蛛の糸でグルグル巻きにされた男の人が写っている、

ツチグモは横顔の為どんな顔か分からない。

東野はここで一つ気になる事があった、

「その隼人は誰何です?」

北野は苦虫を噛んだ表情をした、

「隼人は私の甥っ子の家庭教師を引き受けた人だ、だが何処からかエーテルルーラーの存在に気づいて僕をエーテルルーラーの情報集めに参加させようとしたが。ハッキリ断った、すると今度は北野を連れて来たんだ。ソレから2人でエーテルルーラーの情報収集に出た、だけどもある日のこと…」

「其処からは俺が言う、花の匂いがするっと言って変質領域の植物を触った途端、触手の様に伸ばして巻き付かれてしまいスレーブにされてしまったルーラーがいないのにだ」

「そんな事が…あの何で其処までしてエーテルルーラーの情報を集めようとしていたんです?」

「エーテルルーラーはエーテルが有れば限定的だが無限に力が得られる、ある国の海洋での活動が突然止まったのが典型的な例だ、たった1人のエーテルルーラーを排除する為にその国の軍人全員が犠牲に遭ったのだ」

「えっ一個小隊とか中隊では無く?」

「そう全員だ」

「第一次世界大戦と違って今はハイテク化が仇を生んだんだよ、素人がいきなり兵器を使いこなせないだろ?」

「…確かに…一つ気になる事が…エーテルルーラーの情報を集めて最終的に何するんです?」

「かつて生存していた島村博士の計画はエーテルルーラーの力の無効化、最悪、排除」

「えっ!でも其では」

「そ…分かっての通り市民の掃討は国家が成り立たない。その為の調査だ」

静寂が包まれた、大田が写真を見て机の引き出しから1万円札50枚を2つ用意した。

「コイツはヤタガラスの証拠分の金だ。確か山分けだったな」

「あっ」

「おぅ」

「貰ったならさっさと出ろ!」

そう言われて出た、

バス亭

2人はバスが来るのを待ってた、

数分後、バスが来た。バスの行き先は駅行き。ソレに乗って行ったのだが。電車の高架線のトンネルをくぐった瞬間。

あのオリエンタルな風景が広がった。

「此は」

「まさか」

2人は勘づいた、この辺りにエーテルルーラーが居る。

駅まで残り1kmを切ったが。東野が突然、

「降りるぞ!」

と言ってバスの停車ボタンを押した。

「えっ?どうして駅までそんなに」

「そのまま行けば確実にスレーブ達とルーラーに包囲される1度そんな目に遭ったんだ」

あの時言った隼人と居た時のだろう、

バスの停車ボタンが押されてバスはバス亭に止まった。

東野は律儀に金を払いバスを出た、北野も金を払いバスを出た、

そう言えば気付いた事としてバスの行き先や値段を表示するモニターの表示があのオリエンタルな風景に成った瞬間可笑しく成ってる数字が恐らく昔の漢字に変化している行き先の名称も昔の漢字に変化している。

バスから降りて思ったのはこの変質した領域は一体何処まで続いているのだ、

一応分かったのは高架線からが端なのだが駅にまで及んで無いかと言う事、駅まで及んだら逃げようが無いのだ。

北野は既にカメラを手にしている狙いはエーテルルーラーだろう、

2人は慎重に進んだ。

あのままバスに乗ればろくな目に遭わないが駅に向かわねば成らない、

下手こけばエーテルルーラーに出くわすそんな危険を感じて。

暫く歩いて数分。

エーテルルーラーに出会した、

正座に似た姿勢をした女の人で特長は髪の毛が雪の様に白く頭に狐の耳を生やし背中側。正確には臀部から尻尾が生えてるしかも9本、

何故そのエーテルルーラーが正座に似た姿勢かと言うと。

膝元に中年の男性を膝枕していたのだ。その男性に東野は見覚えが在る、

が彼女はその男性とは良くない記憶が遭った。いっそ…北野がエーテルルーラーに向けてエアガンを向けようとしたら無言で手で静止した。何故止めたかと北野は言うとそのまま撮影してとされ東野はエアガンを手に警戒した、

中年の男性の服装が少しずつ変わりエーテルスレーブにされるのはそう時間が掛からなかった。

「…どう撮れた?」

「…バッチリだ」

気付かれる前に逃げた。

駅前に着くとさっきまでのオリエンタルな風景が一変してごく普通の都心の風景に戻った。

東野はエーテルスレーブにされた中年の男性を知ってたけど助けなかった事の謎の苦しさが在る、

女狐の抜群のスタイルに程遠いのとは違う何かがあった。駅に着いてソレから電車に乗った、降りた後別れた。

EP2 九尾の狐 end

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