C.H シークレットハンター

@I-Nameless

EP1 ヤタガラス

…人は何故ここまで心が移ろい安すぎるのだろうか?

どうしてか何故なのか?

そんなのは解らない。

東野千花は仰向けで今まで見えた筈の都心の風景を見た。

何処か見知った筈の都心がオリエンタルな模様が付いて居た、

屋根が瓦屋根の様に成り、自動ドアが障子の様に変化してる。

生け垣が固く痛く成らずむしろ柔らかい、

ゴムの様な感じと言うよりもマシュマロに近い感じだ。

柔らかさの余りに意識が、眠たく成ったかのような「…き…だい…ぶ…?」

誰かの声が聞こえた、

気がした、

聞き取り難く解らない、

「…れー…か!させ…るか!」

手を急に引っ張られて其処で意識がはっきりした。

手を引っ張った人は見知らぬ男性だった。

首元にカメラをぶら下げていた、

突然の事に唖然とした、

「…どうやらエーテルスレーブ化してないか」

…はいっ?

何?エーテルスレーブって?

成ったら問題があるの?

「…あの貴方は?」

「君はこの辺りでエーテルルーラーを見かけなかったか?」

「は?え?」

「この人の口から訳の解らない言葉を言った、一先ず逃げるけど君はどうやってここへ来た?」

「えっ…と。あの裏路地を通ったらここに出ちゃって本通りに出ても戻らなくて」

「急いで!」

男性は東野の手を掴んで裏路地へ走った。

裏路地を抜けると元の都会の風景に戻った。

二人は息を切らしながら話した。

「…貴方は…一体…何なのさ」

「…自己紹介は…まだ…だったな」

男性は息を大きく確かに吸って吐いて言った。

「俺の名前は北野瀬夢だ、C.Hことシークレットハンターをやっている」

「何それ?ふざけてるの?」

「ふざけては無いさ、主な活動は『エーテルルーラー』の証拠集めだ」

「何?そのエーテルルーラーは?」

「お前…まさか『エーテル』を知らないとでも?」

「ふざけないでよ!私でも知ってるわよ!」

「ほぉ…なら言ってみろ」

「新世代の通信媒体として知られてるじゃない、島村城博士が発見した物質の名前でしょ?アレを使えば第一世代の携帯電話でも第五世代に匹敵する性能を獲得出来るとされてたと」

「それだけか?」

北野は呆れ顔で言った、

「何よ!」

「君は知らないが実は『エーテル』は一定以上の高濃度化では人間の心に何かしらの影響を及ぼすんだ」

「えっ!」

「超高濃度化でのエーテルを操れる人がエーテルルーラーと言われそのエーテルルーラーに心を奪われた奴がスレーブ何んだ、そうなってしまうとルーラーにしか眼中に無いんだ、しかもルーラーが倒れても新たなエーテルルーラーが現れると引き寄せらるんだ」

「じゃああの風景も」

「ルーラーの影響だ」

風景の正体は分かった。

東野千花にとっては何処と無くきにいってたのに案外危険な所何だと、

「しかしあの生け垣は仇のエーテルルーラーじゃなかったのか?」

「えっ?アレもなの?」

「どうやら違った様だ、仇のは花の匂いに魅了されてアウトの筈がただの植物だ」

「じゃあ私は 外れを引かせた訳?」

「そう言う事だ」

その後北野が変異を起こした領域の有る方に向かった、

「一寸どうするつもり?」

「あの先にエーテルルーラーが居るならその証拠集めさ」

黒髪ショートの北野が其所へ向かうのをオレンジのセミショートの東野が止めに入るが惜しかった。

既にエーテルルーラーに因って変質した領域に居た、

全く何だってこんな所に…トホホ、

領域に入るなり北野は首にぶら下げたカメラを構えた、

手にしたカメラはいかにも古臭いカメラだった、

「何でそんな古臭いカメラ何です?」

東野の質問に対して、

「ならスマホのカメラで適当に撮ってみな」

そう返事されたのでやって見た。

「…アレっ?」

スマホのカメラ静止画は普通の風景だ、

「そのスマホもエーテルで受信送信出来る様に成ってるだろ?この変質した場所はエーテルルーラーがやった事何だ」

そう話をしている内に回りが段々と明るく、

「噂をすればって奴だ来るぞ!」

「一体何処に…って」

人が宙に浮いている両手を上げて巨大な光る球体を掲げて。

「おっと!こりゃ『ヤタガラス』と呼ばれても差し支えないかな?」

アレがエーテルルーラー?

明るいけど影が無い私と北野が白く成らない。

そのヤタガラスの元に人が居た、その人達の服装が現代的な洋服から『和』の要素が混ざって来た、

その人達が此方に気づいた。

「チィ!エーテルスレーブまでいるのかよ」

北野はカメラをヤタガラスと名付けたエーテルルーラーと取り巻きのエーテルスレーブを撮影した、

何回か撮影するとそのカメラを東野に渡して北野は懐から拳銃を取り出した。

「一寸それは?」

「エアガンだ大した傷に成りにくい、がエーテルルーラー相手じゃ実弾でも無理が在るがな」

「私は何を」

「スレーブは俺が相手するから出来るだけエーテルルーラーを撮れ」

そう言うと北野はエアガンを構えエーテルスレーブに向け数発発泡した、

東野はヤタガラスと名付けられたエーテルルーラーにカメラのファインダーを合わせた。

「…何であんなに明るいのに眩しく無いんだ?何であんなに明るいのに白く包まれないの?」

何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに何であんなに

………………………………………………………………………

ヤタガラスの顔がカメラ越しにはっきりと写った瞬間シャッターを押した。

と同時に、

「み…見えた!!!!!見えた!見えた!見えた!見えた!見えた!かかか…かおをかおを狙って!狙って!狙って!」

スレーブ相手に怯ませるので精一杯の北野はその言葉に、

「顔をどういう事だ?」

「いいから早く」

「つッ」

北野はヤタガラスの顔にエアガンを向けて撃った。

怯んだ瞬間、スレーブ達の服装が一瞬戻った気がした。その一瞬だけど十分過ぎた、

「逃げるぞ!急げ!」

「う、うん!」

裏路地に逃げ込んだが、風景は変わって無い。

「クソッ!範囲が広がってやがる」

「それって不味いの?」

「広げてられたらそれだけ逃げのようが無い」

暫く走り続けた。

後ろにはエーテルスレーブ数名が追いかけたのだ、

走り続けて数分。回りの風景が少しずつ少しずつ元に戻ろうとした。

そして風景が都心の風景に戻ると2人は息を切らした、

「…はーはー」

「…ひーひー」

千花の持ってたカメラを手に取ると高く掲げていった。

「…此だけはっきりしたエーテルルーラーの情報が有れば数万はいくぞ」

本当に何考えてるのかこの男は。

EP1 ヤタガラス end

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