第35話 それぞれの
「初めまして咲夜さん、香蓮文乃と申します。宜しくお願いしますね」
中々の圧を発するお嬢さんですね…あまり良い顔をされないのは解っていましたが、これはかなり警戒されてるみたいですね…気持ちはわかると言いたい所ですが、こっちも必死なので引かないですよ!
「ごきげんよう咲夜さん。四谷美月です、お会い出来て光栄ですわ」
この子…中々ですわね。まぁ理想を具現化したような兄を持てはそうなるのは理解出来ますよ。仲良く行きたいところですけど…さて、どういたしましょう‥‥‥
「こんにちは咲夜ちゃん。大森優実です。よろしくね」
写真で見た咲夜ちゃん。何だか機嫌悪そう…
仲良くなりたいけど、どうすれば良いのかな?
おにいちゃん‥‥‥冬夜君の話いっぱい聞きたいのに
「ほら咲夜、そんな顔してたらせっかくの食事を楽しめないでしょ?」
ポンポンと頭を撫でながら機嫌と取るが
なかなかどうして…困った妹だ…
テーブルの下で咲夜の手を握り
「咲夜が楽しんでくれないと俺も楽しめないんだが?」
ニコッと微笑む
すると軽い溜息からの
「もう解ったよお兄ちゃん。今日は一緒に寝て貰うからね!」
あーうん、はいはい
「「「一緒に!?」」
ん?
目を見開いた驚いた顔のお嬢様方…
まぁそーだよねぇ仲の良い兄弟で済む話じゃないけど、色々勘違いされそうだし、女の子同士仲良く話のネタにでもしてくれ…
君たちが仲良くなれるなら恥ずかしいのは我慢するよお兄ちゃんは…
なので
「そういえば優実さん。お母さん元気になった?」
無理やりにでも話題を変えるよ!
「—!?うんっ♪元気になってた!お…冬夜君の行ったとおりだった。ありがとう」
「それは良かったね。今度お母さんに会ってちゃんと話するんだけど、もう大丈夫だから安心してね」
「うん!!」
「何の話かお伺いしても?」
「あー…えっと優実さんのお母さんって大森化繊の代表でして今度うちと提携するって話にね。あっ!?これは此処だけの話にして下さいね」
「うふふ…そうなのですね」
ふむ…この二人は優実さんまで警戒してるのか?
いや牽制か?
なんつーか、せめて俺の前だけでも仲良くするとかできねーかな?
この場に呼んだだけでも十分だと思うんだけど二人共がっつき過ぎじゃない?
「あの四谷さん?つかぬことをお聞きしますが、四谷さんのお母さんって《あの》四谷ですか?」
「ん?あぁ…ええそうですわ。《あの》四谷の会長をしてますわよ」
《あの》で通じる辺り本当の事なんだろう…
じゃー次は
「では香蓮さんって幻夢社の?」
「そうですね。その認識で間違いないです」
ニヤリと笑みを溢しそう答えるが…俺が振るの待ってた…か?
やはり気付きましたか、聡い男性ですね。美月さんも気付いた様ですね。こちらからさり気なく伝える心算でしたが…さて
高柳様からお母様の話が出るのは想定外でしたが、まさか文乃の家の事まで出て来るとは…もう少し様子見ですわね
「そうですね…俺、高校入ったら今以上に社長業をこなして行くつもりです。それでやっぱり人脈って大事かなって、それで…その…出来れば紹介して頂ければと思いまして…図々しいかとは思いましたが、お願いできないかと‥‥‥」
うむ…娘にお母さんを紹介してって仕事の話とはいえなんだか言いづらいとゆーか照れるとゆーか…ハズイな!
はぃはぃ咲夜お手てニギニギね!
四谷、香蓮がチラリと顔を見合わせ二人の口角が上がるのを理解した
「それは勿論喜んで‥‥‥そうですね、何なら優実さんのお母様も含めて今度この4家族で集まる、とゆうのはどうでしょう」
「それは名案ですわね文乃!優実さんもいかかですか?」
「ん!またお…冬夜君とご飯」
まぁそうなるよねぇ~
帰ったら母さんと咲夜を説得かぁ
にしても4家族ねぇ…あっちの3家族の事も有るし…
ヤベ―な…俺の自由がどんどん無くなって行く気がするな
ホント自由なはずなのに…
いやまぁちゃんと話しないとだし…だけどメンドクサイ‥‥‥
「ではお互い都合合わせてまた集まりましょうね」
「ん!」
「楽しみですわ」
「セッティングは任せて下さいね」
うふふ。まさか高柳様からお願いされるとは…ガッツポーズで飛び跳ねたい所ですわね。文乃も肩が震えてるし、内心大喜びでしょうね
お母様に説明する為にもう少し踏み込んでみましょう
「ところで高柳様は高校はやはり男子校ですよね?」
「ん?あー俺は家から近い所にある三桜学園ですよ。共学みたいだし、それに共学なら咲夜と一緒に学校での思い出作れるし」
お兄ちゃん♪
「「なっ!?」」
なんて事でしょう…まさか共学の学園を選ぶとは…やはりこのお方は他の殿方とは違う様ですね…改めて認識しました
しかしこれは本当にのんびり構えてる訳に行かなくなりましたね
いざとなれば転校も視野に…美月さんと相談です
お兄ちゃんは三桜学園…
もし転校したらお兄ちゃんから先輩って呼んで貰えるかな?
帰ったらお母さんに相談してみよう
「それにしても共学って…通う事に抵抗は無いのですか?」
「あぁー俺の住んでる地域って同い年どころか同年代の男子が居ないから今通ってる中学でも俺一人だし雰囲気変わらないでしょ?なぁ咲夜」
「うんそうだね♪あっ…でも先生も入れて全員がお兄ちゃんと話したいんじゃないかな…二学期になったらみんなビックリすると思うよ!」
「えぇ~」
「ビックリ…ってどうゆう意味ですの?」
「えっとね、お兄ちゃんって前は近づくなオーラを凄い出してたのね。でも倒れて入院してからはすっごく優しくなったの、それがもうすっごい嬉しくってあたしもお母さんも…抱き着いてもベットに潜り込んでも全然怒らないしついつい甘えちゃうの♪」
クネクネしながら熱く語り出した咲夜だが、そうゆう話は俺の居ない所でしてね
「倒れた…?」
「入院って…?」
「!?」
「あっ体は全く問題無いので安心してください。4日程色々検査したけど何故倒れたかは判らなかったけど無事退院出来たので」
ひとまず安心してくれた様で…
でも一応言っとかないと…だよな?
「えっと…今度4家族でって話…もしかしたら増えるかもしれません」
————!?
あ~今ヒェッ!ってなった
おぉぉ~これが冷や汗ってヤツか…
ってか君等コエーよ!
咲夜まで目が据わってるし‥‥‥
「今…なんと…?」
「それはどうゆう…?」
いやぁ~キョトンとしてる優実さん見るとホッコリするなぁ~
じゃなくて
「えっとね、母さんには家族みたいな仲間が3人居てね…その娘達がね…その…オムツ付けて4人並んでる写真とかも有るし。だから…ね、多分‥‥‥もしかしたら…」
ってか何で俺が気を使ってるの!?
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