第25話  交流会だった・・・

なんだかんだと楽しめた旅行だった。

帰る日になって大人達が体が痛いと言い始めて、帰りたくないと駄々をこねたりもしたが…

大人になると筋肉痛もタイムラグがあるの?

まぁ俺もまだ治って無いんだけどね。


なので部屋でまったりしながら勉強会へ向けてネットでテーブルを検索中…5人で並ぶ訳にもいかないし、3対2とかにするとじゃんけんやら言い争いが絶対起こる。なので丸テーブルを検索中。無難なチョイスでしょ?


と言っても咲夜は確定だから三人衆の無様な争いが起こることだろう‥‥‥




そうそう忘れてる人も多いだろうけど、特別交流会。

俺も着ていく服を聞かれなかったら忘れてた……程良くどうでもいい感じになってる。



では。迎えも来たので出発!



ほぅホテルの会場を借りたのか……やたら俺んちから近いのが気にはなるけど…


会場に入ってみればやはり女子ばかり、男子男子っと‥‥‥‥‥居ねぇ‥‥‥


たしかにまだ始まる時間じゃないけれども、10分前だよ?

いくらなんでも誰も来ないって事ないよね?

100対1は只の無茶ぶりだよ!?


大ホールの隅っこの椅子に座り、万が一を考えてたら声が掛かった。

「やぁ 男子が居て良かったよ」


その言葉に心からホッとした。

そして挨拶しようとそちらを向けば

「はじめ…まし‥‥‥て」


程よくウェーブのかかった肩に掛かる位の金髪に学校の制服だろうか…茶色のブレザーに赤白でオレンジが少し入ったチェックのスカートが良く似合う。


「やぁ僕は黒田光里くろだひかり宜しくね♪」


と、見た目も名前も判断つかない声だけの男子?に挨拶された‥‥‥

でもまぁとりあえず

「高柳冬夜です、こちらこそ宜しくです」

社交辞令スキル発動!


「よかったぁ~男子が居なかったらどうしようかと思ってたんだよねぇ~」


ん?ほんとどっちだ??


「そうなんですか?」

恐る恐る聞いてみる。


「うん!ほら僕ってこんなだからさぁ~なかなか男子と仲良くなれなくってぇ~、だから今日は楽しみにしてたんだぁ~」


何がこんな?えっ?マジでほんとどっち??


「そうなんですか?」

話し方ですら判断出来ん!


「えっと君、とうやくんだっけ?ちょっと固いよぉ~」


不確かな状況判断と馴れ馴れしさに少しイラっときた。

おまえホントどっちなの?


「あなた。えっと黒田さん?でしたっけ?俺はまだ中学生なので多分年下ですよ」


「え?中学生!?マジ?何で中学生がいんの??」


「何で?と言われましても招待状が届いたからですが?中学生が居たらいけませんか?」

なんだかテニス拷問よりイライラしてきたかも‥‥‥帰ろうかな


「あ、ごめんねぇ~中学生が参加するなんて聞いたこと無かったからちょっとビックリしただけだよぉ」


「そうなんですか?」

ってかコイツの話し方もムカつくんだろうな‥‥‥

もうコイツでいいよね。


周りの女性人達はこちらの雰囲気を察して離れて行く。


「ってゆうかとうやくんなんか怒ってる?」


この空気の読め無さは男子だな、うん!ってかどっちでもいいや。

「ええ。そうですね」


「えぇ!なんで!?」


なんでじゃねーよ!

「まずお互いに初対面でその話方が駄目ですね、正直馴れ馴れしいです。それに女装は結構ですが、それを明確に説明出来てないのもダメダメです。相手が混乱しますよ」

きっとおバカなんだろうな‥‥‥


「あ、そっかごめんねぇ~」

と、手をヒラヒラしてる

ごめんねじゃねーよ!?俺の話し聞いてた?


「もし本当に友人を求めるなら話し方とその対応に気を付けた方が良いですよ?それでは少し席を外しますね」


「あっ!ちょっと!とうやくん~」


とうやくん~じゃねーよ!

馴れ馴れしいっつってんじゃん!

男の娘ヤベーよ!


人の話を聞かないおバカの相手は出来ん!!

トイレに避難。落ち着かないと‥‥‥


会場に戻って辺りをキョロキョロ……おバカは女性達に囲まれて何やら談笑中。

出来ればそのままおバカを確保して連れ去って欲しい‥‥‥俺の目に触れない場所まで‥‥‥永遠に…


ふと会場の壁際につまらなそう?落ち込んでる?女の子が目に着いた…

ふむ、気になったし行ってみよう。


「こんにちは」

癖っ毛だろうか?ふんわりボリュームのある肩に掛かりそうな赤茶色の髪に、今日の為のお洒落さんかな…薄いピンクの長めのワンピースに高級感のある赤茶色いローファー、ショートソックスで、うっすら化粧はしてるけど表情は暗い‥‥‥


ってそのソックスってうちのじゃん!?

何故そこまでお洒落さんしてるのに何で靴下だけ3組980¥の選んじゃうかなぁ?

見る人が観たら解っちゃうよ!?

うちの商品が悪い品って訳じゃないけど、一般大衆向けなのよ!!

ありがたいけれども!


「あ、はい」


めっちゃ反応薄いな?何しに来たんだこの娘?

「えっと、元気なさそうに見えて、どこか調子でも悪いの?」


「あ…、大丈夫」


えっと‥‥‥ここっての会場って判ってる!?

「あ、失礼。俺、高柳冬夜っていいます。宜しくね」


「大森優実です」


ん~人見知りも入ってんな…おおもりゆうみさんね……おおもりかぁ……って大森!?

まさか‥‥まぁ聞いてみるか?


「大森ってもしかして大森化繊の?」


「っ!?お母さんの会社を知ってるの?」


あーお母さんね…そっかビンゴ!

「えぇ最近うちと取引始めましたからね」


「うち?」


「あ、失礼しました。私riliKsの社長の任を頂いております高柳冬夜と申します。改めて宜しくお願いします。いつもお世話になっております」

胸に手を当て頭を下げニッコリ愛想笑いスキル発動!

名刺も持ってるよ!!


「リリクス…あのショップの…?」

困惑してるっぽいな?

まぁいきなり取引先の社長とか言われても困るよね


「そのソックス…いつもご利用有難う御座います。その素材は御社のですよ」

お似合いですよ!が言えないのが残念……


「えっ?ホントに…」

言葉少な過ぎて読みずらいな!?


「ええ御社とはこれからも懇意にして頂ければと思ってます」

まぁ大森化繊は老舗ってだけで特に特化がなくて、材料間に合わなくて頼んだだけっぽい…ごめんね。

数年前に代変わりしてから少しずつ株価が落ちてるらしい。


「そうなんだ‥‥‥お母さん最近ずっと辛そうにしてて、お仕事大変なんだろうなと思っても大丈夫?しか聞けないし。それでもお母さんは『心配ない!』しか言ってくれないし、帰りも遅いし、ご飯も食べてくれないし、ずっと難しい顔してて、私何かしてあげたいけどお仕事の事だったら私は解らないから、どうしたらいいのかなって‥‥‥お母さん体壊しそうで私心配で‥‥‥」


涙を浮かべながら結構話すな‥‥‥おぉう…しゃべり始めたらダメなやつまで言っちゃったよ。この娘…


「そっか…お母さんが心配なんだね。そうだなぁ~その名刺をお母さんに渡して『お話したい』って、その後の連絡はメールしてくれたら良いからってお母さんに伝えて、そうすれば元気が出るかもね」


ってか此処に居るんだから高校生だよね?大丈夫この娘??


「ホント…?」

上目遣いでウルウルしなくていいから!


「お母さん次第だけどね。ちゃんと話せば大丈夫になるはずだよ!だからその名刺無くさないでちゃ・ん・とお母さんに渡して『お話したい』って伝えてね。そしてお母さん以外にその名刺渡したらダメだよ!」

ネットで売りに出したりしないでね!


「うん♪わかった!!」

とても良い返事です。


「ってか優実さんって高校生だよね?」

身長も…咲夜より低い‥‥‥かな?


「うん17歳」

うんうん純粋なんだね。ええ子や!

知らない人に付いて行ったらダメだよ?


「17歳…そっか」


「うん」



17歳児‥‥‥‥‥?






















































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る