第24話  KIAI入れろ!

んん~‥‥‥


ん~暑い。


朝か‥‥‥


ふぁぁ~

伸びしたいけど相変わらずの両腕ホールド


この二人は誰かにくっ付いて無いと寝られないのか?

もう二人くっ付いて寝ればいんじゃないかな?


喉乾いた…トイレ行きたい‥‥‥もぞもぞ…

「んっ」…ひしっ!


今朝も…か

離れようとすると力入れるの辞めてくんないかな?


俺は抱き枕かなんかか?


「トイレ行きたい…」

さて起きますか‥‥‥よっと

「いっっっっっってぇぇ~~~」

なんだ!?

全身が痛いぞ!?

体動かせねぇ~


「とう…や…くん?」


「あぁ母さんおはよ」

どうやら今朝は寝たふりじゃ無かったようだ。

昨日の運動でがっつり寝られたようだね。


「ん~おにい…ちゃん」


「咲夜もおはよう」

こっちもゆっくり寝られたようで何より。


さて本格的にトイレだな…


ん~っと伸び

「いっっっってぇぇぇ~」

マジでなんなんだ!?

起き上がれねぇ!!


「冬夜君っ!?」

「お兄ちゃんっ!?」


「えっと…体動かないから起こしてもらっていいかな?」


痛みでがっつり目が覚めた。

これはもしかしてあれか!?

昨日のテニスからの筋肉痛とゆうヤツではなかろうか?


腕を引っ張ってもらい体を起こす

「いってぇ」


「ちょっと冬夜君大丈夫!?」

「どーしたのお兄ちゃん!?」


立ち上がろうと膝に手を当て力を込めて‥‥‥フリーズ。


これが…俺の…体か!?


力が入らん!


俺に…俺に力を‥‥‥


ダメだ!立てねぇ~


ヤベェそろそろ蛇口が壊れる‥‥‥


お願い動いて!俺の体!!


あ。無理!


這ってでも行く!あっちこっち痛い‥‥‥


ふぅスッキリ


「ホントに大丈夫冬夜君?お医者さん行く?」

トイレから出てみれば心配そうな顔をした母が。


「ん?あぁ、これは多分アレだよ、筋肉痛。昨日みたいに運動したのって生まれて初めてじゃない?だから筋肉痛なんて知らないし、なった事もなかったから…こんなにもキツイとは思わなかったけど。たぶん何日か我慢すれば治ると思うよ」


「あ…そー言われればあたしも少し体痛いかも…」

咲夜も筋肉痛かぁ…


「そう?湿布とか塗薬とか必要だったらお母さん買ってくるわよ?いつでも言ってね……あ~ん~お母さんも体痛くなってきたかも‥‥‥」


いや、筋肉痛に仲間意識求めてないから。


「じゃシャワー浴びてくるね。そろそろ朝食の時間だし」


着替えの用意っと‥‥‥くっ力入らねぇ…体痛い…何もかもが辛い…筋肉痛ヤベェ…体鍛えるとか言ってすんません…俺にはまだ早かったかもしれない‥‥‥


シャワー浴びるのがこんなにも辛いとか、なかなかの経験だな!


「そろそろ行きましょっか?」

「ごは~ん」


‥‥‥‥‥


「クッ!!俺に構わず先に行って」

言ってみた‥‥‥


いやぁ~食事に行くのにこんな気合が必要とか無いでしょ!?

もうコーヒーだけでいいんじゃないかな…カップくらいなら持てる…よね?今の俺だったら缶コーヒーのプルタブすら開けられる自信ないよ!


「体辛いから治るまでくっ付くの無しでね」

ほんとマジで!

気合で体動かさないと心配ですら過保護になるからなぁ


‥‥‥‥‥


食後のコーヒー中。

カップを持つ腕がプルプルするんだけど‥‥‥


ん?朝食?ヨーグルトしか食べてないよ?

食事を並べられてげんなりしたのも初めての経験だったよ!!


「お兄ちゃん、今日は何して遊ぶ?」


えぇ~それ聞く!?


「ん~ 三人は何がしたい? あ。因みに俺は筋肉痛で体動かないから」

娘っ子三人衆に振ってみた所。


「流石に勉強道具は持ってきていませんからね…」

と、由華が


だよね~


「体動かないとだとゲームくらいしか思いつかない」

と、弘美が


それ此処でやる事?


「何がいいのかなぁ~」

と、香奈が


意見出せよ!


つまりたいして案が出ないと…


此処でずっと書籍読みたいとか言っても誰も反対しないんだろうけど、夏休みの思い出も必要だろうしなぁ~


さてどーしたものか‥‥‥ふむ


「散策も兼ねてゆっくり散歩でもする?お昼も用意してピクニック気分で?」


「それは素敵だけど大丈夫なの?お兄ちゃん?」


「うん。さっき調べたんだけどじっとしてる方が直りが遅いらしいんだよ!だから散歩程度なら良いかなって。それに来年もしまた此処に来た時に色々知っておきたいじゃない?」


「うん♪それなら…お昼用意しないとだね」


なんて会話をしてたらおずおずと早瀬姉妹が…

「えっと私達も一緒しても良いですか?」


その為に来たんでしょ?とは言えないが

「えぇ勿論。一緒に行きましょう。じゃみんな動きやすい服装で、準備が出来たら出発。けっっっして張り切らないようにね。俺がキツイ」



「「「「「「「「「「はぁ~い」」」」」」」」」」


多いな‥‥‥



一日がかりの散歩か…さぁ気合だー!



森の散歩に河辺での食事。施設内の散策等々…

来てよかったと思うほど楽しかった。


体さえまともだったらね‥‥‥


ついでに言うと一人だったらもう最高!


河辺でのランチ後休憩なんて


『だから忘れないで―♪』

何となく頭の中に出てきた歌を唄ってたよ……


「冬夜君‥‥‥それなんて曲?」

由華が涙を流しながら聞いてきた?


え?なんで泣いてんの??

「ん~分かんない…なんか頭の中に出てきた。なんだろ‥‥‥知ってる?」

なんか懐かしい様な感じで頭の中に響いて来るんだよね。


「聞いたことないけど‥‥‥すごく…良い」


「そ?多分ピアノも入れたらもっと良くなると思うよ?」


そんな言葉に母さんが聞いてきた。

「冬夜君…ピアノ弾けたの…?」


「あー多分だけど弾ける。思い切って買っちゃおうか?」

なんて言ってみた。


ってかみんな涙流してるけど、どうした!?


「帰ったら注文しなくちゃね!お母さんの為に唄って欲しい!」

相変わらずの母である。


「う、うんそうだね‥‥‥」

この時は適当に返事しちゃったんだよ!体の調子とか気分の高揚とかで。






ぼっち生活に慣れてるとかじゃなくて女性10人も居るとマジ大変!

姦しいじゃなくて五月蠅いのよ!!


筋肉痛もあって精神的にきついのなんのって……


手を引かれるし、腕を組まれる…さり気なくその順番のじゃんけん大会が始まる。

写真撮るのは構わないけど《こっちに目線頂戴!》とかコスプレの撮影会か!?

自撮り大会も開催‥‥‥唯さん。その待ち受け病院で絶対見せたらダメだからね!!


体キツイって言ったよね!!


張り切るなって言ったよね!!


俺はのんびりしたいだけなのに……




俺は家族の写真を待ち受けにしました。























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