第23話  暑い夏! 頑張れ俺!

俺の秘書がこの人なのかぁ~

せめてホントせめて一言でもいいから相談欲しかった!


「あ~っと 今はプライベートだから、この話はまた後でしましょう。

なので三好さん」


「はい?」


「俺の夏休み中に役員会議の提案をします。なので時間の調整をお願いします。ちょっとした提案も有ったので、その時に改めて早瀬さんの紹介をお願いできればと、一日は都合付けて下さい」


「えっとそれは社長も参加すると?」


「そうです。恐らく社長としてのホントの意味で初めての仕事になると思いますのでそのつもりで」


「了解しました追って日時は連絡致します」


「お願いします。あぁそうだ、佐々木さんと加藤さん。俺がお願いしたら仕事を任せられる人は何人いますか?」


「えっと…うちは何人かは…」

「うちは‥‥‥一人だけかしら?」


「一人? まぁいいでしょう。じゃぁその人達は役員会が終わった後に会議に参加させて下さい。後、営業からも何人かピックアップお願いします」


「「「分かりました」」」


「えっとまず皆さんに納得いってもらってからの話になると思うので、役員会議がメインになると思います。って事で仕事の話はこれでお終い!」


「えぇ~お母さんも一緒にお仕事の話したい!」


「ん?あー母さん飲み物って何処に在ったっけ?」


「あ、うん直ぐに取って来るわね!」


テテテテー  

うんチョロいがゴメンね母さん。話ややこしくなるから


「さすが冬夜君ねぇ」

「楓が犬に見えるわぁ~」

「冬夜君、進路について相談しませんか?」


いちお会長なんだし可哀そうな人を見る目は止めてあげて!





話を一旦区切る為にパンッ!と手を叩き皆の注目を集める。


「とゆう事で早瀬佳織さん。社員としての自己紹介はその時にまた改めてお願いします。じゃーここからはプライベートって事で。さてと、早瀬さんに早瀬さん、此処で会った理由はなんとなく察しました。でもずいぶんと早い時間からの移動なんですね?チェックインってたしか13時~でしたよね?」


早瀬さんに早瀬さんってややこしい上にめんどくさいな!


「「えっ!?」」


‥‥‥あれれ~?


「えっ?あっ!?ほんとだ!どーしようお姉ちゃん!?」

パンフに目を落としながらアタフタし始める早瀬妹。


「はぁ?どーしよってどーすんのよ佳織!?」

こっちは軽く混乱し始めた早瀬姉。


「佳織っていいっつもそーだよ!」

「お姉ちゃんだって!!」


おや?姉妹喧嘩が始まったぞ!

ってか何してんだコイツら……周りの目は気にならないのだろうか?


なるほど……どうやら姉妹してポンコツみたいだな。

看護師のあのおとなしそうな姿は仕事着だったのだろう…


このまま放置しててもいいんだけど、どうしたものかと周りに視線で助けを求めるが‥‥‥


あれ?みんなテニスに戻ってるだとっ!?

気持ちは分かるけど俺を置いていくの?

俺がどーにかすんのコレ?

いやいや佐々木さん…そんな他人事みたいに離れた場所からとっても良い笑顔でウィンクしながら親指立てられても……


えぇ~嫌だよメンドクサイ…


だがまぁしかしこのクソ暑い中このまま放って置くわけにもいかない?だろうし、俺もクタクタで汗だくだし早く座って休みたいからね。


「まぁまぁ二人共落ち着いて。時間まで俺達と一緒に居ればいいじゃないですか?」

と、ニッコリ笑顔で、喧嘩中だし。


「え、えっと‥‥‥良いの?」

「‥‥‥い、いいんですか?」

どうやら白熱した喧嘩だったらしい…顔を赤くしてる。

ん?急にモジモジし始めたぞ!?トイレか?


「もちろん。此処は暑いからあそこの日陰のベンチで休みましょう」

やっと座れる‥‥‥‥‥


「はい!行こ佳織!!その、ごめんなさいね」

「うん!こっちこそごめんね」


うんうん、良きかな良きかな。

無駄な争いは無駄な心労と不幸な未来しか生まないからね。


しかし夏ってこんなにも暑かったんだねぇ~

部屋に戻ったら冷たいシャワーを浴びよう!




「ちょっと!お母さんもう交代でしょ!?」

「何言ってるのまだ時間は残ってるでしょ!」

「あれから何十分たってると思ってるの!?お母さんは歳なんだから少し休んだら?」


あ‥‥‥戻ってみればこっちは母娘喧嘩始まってるし。

ちょっ!それ言ったらダメなやつ!!


「ねぇ香奈…今此処でこうしてこうやってこの時間を楽しめてるのは誰のおかげなのかしら?」


あ~なんか涼しくなってきた。


「あ…」

マジ切れに気づいたらしい……

「ねぇ香奈、あなた‥‥‥」


怒らせたら一番怖いのは加藤さんだったか…

みんな離れちゃったし…早瀬さんまで……


「加藤さん一旦落ち着きましょう。ね!周りドン引きしてますよ!!」

何となく頭を撫でながら言ってみた


「グフッ!あ…あら~なんだか熱くなっちゃってごめんね~」

ふぅ…


「えっと…冬夜君…私もなんかごめんなさい…」

謝る相手違うし、頭頂部を俺に向けるのはいかがなものかと‥‥‥


「えっと謝るのはお母さんにね‥‥‥」

ナデナデ‥‥‥

「ひゃっ!ふぉがーざん……ぎょめ…ん…なざ」

えっと、うん鼻押さえながらだと何言ってるかわからないよ?


「ゴメン…お母さん」

良くできました…ナデナデ


ちょっ

こっち見ながら笑顔で喧嘩とかほんとやーめーてー!

仲が良いのは解ったけど暑苦しいよ!ほんとマジでホントに‥‥‥

勘弁して‥‥‥‥‥



夏ってこんなにも暑かったんだね‥‥‥











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