第20話 その日の夜。
「はい お兄ちゃん あ~ん」
「あ、うん、ありがと咲夜」
只今BBQ中・・・
焼き係三人の女子が羨ましそうに見つめる餌付け係り一人の女の子
うん。食べさせ終わる度にお箸を舐めるのは衛生上良くないとお兄ちゃん思うよ…
「あー咲夜、俺の皿の山盛りが減らないんだが…」
「あ、そうだね。 はい あ~ん」
「冬夜君 焼けたよ!」
「こっちも!」
「これも焼けた!」
えぇ~
君達汗だくで何してんの?
「えっと、焼いてくれるのは嬉しいけど、君たちもバーベキュー楽しもうね… 汗かいてるし。 何か飲む? 俺は少し食休みするよ」
「あ…ごめんなさい。汗臭いよね…」
「あ~バーベキューしてるんだし気にしなくても良いんじゃない?それに…」
スッと側に近付き
「ちゃんと女の子らしい香りしてると思うよ」
さり気なく微笑む。
うん フォローは大事!
「ふぁ!? ‥‥‥ありがとぅ」
「うん。だから気にしないでね、じゃ俺は飲み物取って来るね」
その間に頬を染めてモジモジしてるのを落ち着かせてね…
‥‥‥クーラーボックスを開けてみればビールしか入ってない?
watt…?
辺りを見渡せば違った意味で頬を赤らめた大人達がとても良い笑顔で談笑中・・・
「ねぇ ビールしか入ってないんだけど?」
「ん?冬夜君もこっち来て一緒に飲もうよぉ~」
と、腕を絡めながらしな垂れて片手にはビール…
そしてお酒臭い…
「未成年にお酒進めたらダメでしょ!」
ダメ!絶対!!
「えぇ~ 今日くらい良いじゃないぃ~」
「そうよぉ~男性と一緒に飲めるなんてもう一生の思い出よぉ~」
「「うんうん」」
うんうんじゃねーよダメだから!
酔っぱらいは無視して自販機行くか…
「はい スポドリだけど良かった?」
「あ!うん、ありがと」
「うん!ありがと」
「有難うございます」
ふぅ…とりあえず一息つけた…
「お兄ちゃんありがと」
「ねぇ 冬夜君。三桜受けるって聞いたんだけど…?」
ねぇ咲夜、俺の飲みかけじゃなくて自分の飲んだら?
俺への質問なのに咲夜から視線が離れないよ!?
「ん? あぁ そのつもり。入学案内には共学って書いてあるしね。ただ共学ってだけじゃ施設とかの環境が分からないから、ちゃんと調べてから決めるつもりだよ」
男子トイレが一か所しか無いとかだったら大変だしね…
「そう…なんだ でもなんでわざわざ共学に? もしかして彼女…探しとか…?」
くっ! 俺はこの質問をこれから何度受けるんだろう…
「ん~っと 俺って社長って肩書貰ってるけど、肩書じゃなくてちゃんとした社長を目指してるんだよ! その為にはまず知識?勉強?だから大学にも行くつもり。 その為の進学校だよ! まぁ家から近いってものあるし、共学なら咲夜と高校生活楽しみたいしね」
と、咲夜を見ながらウインクしてみる
「…お兄ちゃん♡」
家族は大切にしたいし、やっぱり思い出も必要だと思う・・・
「そうなんだ……えっとね。冬夜君… 私達もその中に入れないかな?」
さっきまで屋台の店主みたいに汗だくで頑張ってたのに急にモジモジと女の子になってる…が
「ん? いつか会社に入るんでしょ? そうすれば仲間だよね!?」
なんとなく発した言葉だけどこれは入院する前の俺の言葉なんだろう‥‥‥
「違うの!!」
「私達は…あの写真が宝物なの!」
「いつかじゃなくて今からなの!!」
必要以上な訴えに酔っぱらい共までも気づいたみたいで優しい顔で見つめてる…
おい!…母よ頬を膨れさせ友人の娘達を睨むのは如何な物かと…
「私達はずっとずっと冬夜君に会いたかった!」
「どんな男の子だろうってずっと想像してた!」
「生れたばかりで全く解って無かったけどあの写真が無かったら今の私達は居ないの!」
何やら必死の訴えだけどごめんね…ちょっと良くわからない‥‥‥
頑張るところが違う‥‥‥じゃないけど中学生の女の子だよね!?
「だから…私達」
「ずっと隣に立ちたいって」
「これからも努力します」
「「「だから宜しくお願いします」」」
何やら必死の訴えだけど…こんな世界だしなぁ…まったりのんびりしたいのは、この世界の男の性なんだろうな‥‥‥
「‥‥・・・・・・・・・・・・・・・取り合えず受験勉強でも一緒にする?」
勢いに圧されて言ってしまった。。。
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