自由なのに不自由なこの世界…

第14話  夏休み①

夏休みの宿題をこなしながら、中学最後の夏をどう過ごそうか思案するが、気軽に遊べる男友達が…ってか知り合いすら居ないので、とりあえず宿題に集中……


まぁ男子に出る宿題なんてあっとゆう間に終わっちゃうんだけどね。


受験もあるし勉強しよう。 決してやることも無く暇してる訳じゃない!

いや。受験生なんだし勉強するのが当然か…



いくら夏休みとはいえ時間は有限、やる事を構想しよう。


まず勉強は当然として、これは一日二時間もやっとけばいいだろう。

次に運動か…外へ出てランニング‥‥‥は無理だろう。

きっとお手伝いさんに止められる。

ってことはトレーニングマシーンでも買うか?

うん。母に頼もう。


後はなんだ?

母の手伝いかな…ん~ 多分やらなくて良いと言われるだろうから、どっかで顔出しだけでもしておこう。


そしてやはり夏と言えば海!


だがしかし”海へ行きたい!”とか言ったら、プライベートビーチでも買いに行きそうだから止めておこう…


キャンプくらいなら行けるだろうか…

これは要相談だな。


他には何かあるかな‥‥‥‥‥無いな!?

ジムとか在ったら行きたいけど無いだろうな~。


にしても男性がアグレッシブに動こうと思っても、周りが過保護だから色々制限かかるからなぁ~。


何もせずにぶくぶく太っていくなんて嫌すぎる…

テニスとかだったら咲夜と行けるか?

これも要相談だな!


よし先ずは趣味を見付けよう!


インドアにしないと却下されるからな~

読書、ゲーム…楽器くらいか?

ふむ…興味も無いのにあまりポンポン買い揃えるのはよろしくないな!


きっといつか何か見付かるだろう‥‥‥多分。

なんか色々考えるのがめんどくさくなってきた。


休憩しよう!




リビングまで降りて冷えた麦茶で喉を潤しながら”暑そうだなぁ~”など思いながら外を眺める…


うん。ボーっとしてるのが一番いいかもしれないな!




・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・ハッ!?

世の男性達と同じ思考回路になってる……気をつけねば。



「冬夜様。お手紙が届いております」

手紙?俺に??

「ん、ありがとう」

と、受け取った手紙を受け取る。

確認すると[特別交流会招待状]と書いてある。


なんだこれ?

詳しく見てみれば政府主催の交流会、つまりはあのお見合いパーティーか…

ってか俺の年齢だとまだ先のはず、何故に?


要約すると参加人数が足りず俺にまで招待状を送ったと…

ん~む…来年から大丈夫か?

毎年呼ばれたりしない…よね?


まぁ年の近い男子に合うのは初めてなので行ってみたいけど、母さんと咲夜に聞いてみてからだな!



夕食後。

リビングのソファーでまったり食休み中なのだが、相変わらず両腕をホールドされてる。


「ねぇ母さん 少し体を鍛えようと思ってて、それで色々欲しい物があるんだけど…」

「うん、わかったわ!」

相変わらずの即答である。

「じゃー欲しい物、色々調べておくね」

「うん♪」


「ねぇ咲夜」

「なぁにお兄ちゃん?」

「今度俺と、テニスでもしてみない?」

その言葉に『ん~』と、人差し指を顎に当て何かを思案する咲夜。


その姿も可愛いと思いますよ、お兄ちゃんは。


「この辺りにテニスコートなんてあったかなぁ~?」

えっ?無いの!?

「だったら庭に作っちゃえば?」

軽く言ってくる母の言葉だが最早驚くまい!

「そこまでしなくてもいいよ、少し運動したかっただけだし…」

場所を調べて咲夜だけを誘おう。

「庭でテニスコートの工事なんかされたら五月蠅くて勉強も出来ないしね」

「それもそうね。 あっ!会社の保養所だったらテニスコート有った様な気がする…今度調べておくわね」


ほぅ…

「そこって近くにキャンプ場とかあったりする? せっかくの夏休みだし行ってみない?」

「じゃあそれも調べておくわね」

「うん、おねがい」

夏休みのお出かけ計画はこれでいっか…

隣で咲夜が『お兄ちゃんとキャンプ…一緒の寝袋…ウフフ…』等と言ってるが気にしたらダメ!


「そだ!会社の役員会って今月あったりする?」

「ん?紗香ちゃんに聞かないと解らないわ」

おい!会長!! この人ちゃんと仕事してんのかな…?

やってなさそうな気がする・・・


「そ、そうなんだ…ほら一応俺も社長なんだし、夏休み中だったら参加出来るかなって」

「冬夜君はそんな事しなくていいのよ!」

そんな事って…何言ってんだ!?

「えっと、一応会社から給料貰ってる訳だし、まぁまだ学生だから毎回は無理だけど、参加出来る時くらいはねって思ったんだけど…それに母さんの働いてる所を見てみたいしね」

これでどうだ?

「ん~ 分かったわ。じゃそれも紗香ちゃんに聞いてみるね」

全部丸投げか!?

「うふふ。 明日お母さんの仕事いっぱいになっちゃった♪」


はぁっ!?

ホントにこの人仕事してねーんだな・・・・・・



「あぁそうだ。特別交流会の招待状が届いたんだよ」

なんとなく思い出して伝えてみた。

ガタガタっと立ち上がる母娘…

「今すぐ病院手配しなくちゃ!」

「どーしよう…お兄ちゃんが女の餌食に!?」


・・・・・・何故そこまで?

逆に気になってきた…

それに、もしそんな理由であそこの病院行ったら、夏休み中ずっと軟禁されそうだから嫌だよ! 退院したばっかだぞ!



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