第11話  家族会議

その日の夜。母が帰宅した…まぁ病院なんだが・・・


「お疲れ 母さん」

「つぅ~かぁ~れぇ~たぁ~よぉ~~~」

そんなに疲れてるなら早く帰って寝ろよ!っと言いたい所だけど、これはただ俺に甘えてるだけ…だろう


「そーだ冬夜君、PCとタブレット買ってきたよ♪」

尻尾が生えてたら残像が見えそうな位振ってそうな笑顔だ!


「お!ありがとう母さん!」

と、頭ナデナデ…

「ふへへ~」

だらしなく頬を緩める母の姿に

本当にこの人は俺の母親なんだろうか?と、疑問すら覚える・・・


「で、冬夜君これ何に使うの?」

「ん~ 暇つぶしと知らべ物!咲夜も使うだろうし…」

「えっ? 使って良いのおにいちゃん!?」

「ん?だって午前中暇だろ?」

「そんなことないよ! 部屋の掃除と洗濯あるし」

掃除に洗濯? 主婦か!?

ってか此処病院だよね? 知らない内に此処の部屋買い取ったとかじゃないよね?


「そ、そっか ありがとね咲夜!」

そして頭ナデナデ…

「えへへ~」

こっちも尻尾振ってそうだな…


「母さんに咲夜。少し相談があるんだけど…」

咲夜は多分大丈夫だけど問題は母さんだな…


「ん?相談って何かしら?」

「相談?」

キョトンと可愛らしく首を傾げる二人なんだが、両脇から腕を絡めてきてて話ずらいったらありゃしない・・・


「えっとね、志望校を三桜学園に変えようと思うんだ」

「えっ? ちょっと待って、三桜って共学よね? お母さん捨てられちゃうの?」

ん~む…おかしいな…志望校伝えただけなのにこの返答…

「何言ってるの母さん?捨てるってどーゆう事?」

「だってだって お嫁さんいっぱい作って家から出ていきたいんでしょ!?」

目に涙を溜めながらよくわからない事を言いはじめた…

会話成り立ってるよね?

「お母さんもっともっと頑張ってお仕事して、お金用意するから捨てるなんて言わないで!! 冬夜君居なくなったらお母さん生きていけない!!」


やめろ!

まるで俺がゲス野郎みたいじゃないか!?

しかし此処は病室なので言葉を選んでほしい…いやまぁ、自宅で言われたとしても心に来るものがあるけど…


にしてもこの人結婚しなくて良かったんじゃないかな?不幸な未来しか見えない…



「えっと。学校は勉強する為に行く所だよ?」

とりあえず目的を明確に伝えよう。

「俺は大学に行きたい!」

伝わるだろうか‥‥斜め上の勘違い母に…


「え?お嫁さん探しじゃないの?」

まぁ うん。知ってた……


「そんな訳ないじゃん! 俺は将来を考えただけだよ!」

「将来って冬夜君は何もしなくていいのよ? お母さん頑張るし。咲夜もいずれは仕事始めるだろうしね。」


「うん♪あたしも頑張るよ!」

キラッキラの笑顔で言い切られても返答に困る。 ニート推奨されても…

さて、どーしよう斜め上どころか異世界レベルの発言されたら何も言えねえぇ…


「えっとな咲夜。俺が三桜行ったら一緒の学校になれるんだよ?一緒に登下校とか色々なイベントあるだろうし、思い出一緒に作れるんだよ?」


「なんですと!!!!」

俺の言葉に目を見開くが、なにやらハッとしたらしい…

いや…でも…などとブツブツ言い始めた、うんこっちは大丈夫。後は母さん。


「ねぇ母さん 家族って誰かが楽してたらダメだと思うんだよ!俺も家族の為に頑張ったらダメかな?」

「む?」

少しきたな…

「俺は将来母さんの仕事を手伝いたいと思ってるんだ」

しかたがない 言うか…

「職場でもずっと一緒に居られるんだよ?」

きたかな…

「えっ?って事はおはようからおやすみまで冬夜君と…一緒?……」



そこまで一緒では無い・・・・・・



母仕事、それはRiliks(リリクス)とゆうアパレルメーカー

学生の頃に仲良し四人組でサークル感覚で趣味と実益を兼ねて細々と始めたらしい・・・


そして大学卒業を機に全員で人口受精に踏み切ったそうな。

男児が生まれたらラッキー的な感覚で…何してんだか・・・


そして俺とゆう男児が生まれた。


他の三人は女の子だったらしい。


そこでテンションの上がった母がノリと勢いと男児が生まれた記念にリリクスを商標登録し起業した。他の三人も何故か乗っかった…


勢いって怖いね・・・


起業したのはまぁいい、いいのだが何故か俺が社長に任命!

そして母は会長職に…たった四人の会社なのに・・・・・・・・


0歳児で納税義務を発生させやがった!

男に優しいこの世界で!だ

まぁ実際納税するのは母なんだろうけども…


《男が生まれたぜウェーイ! ヒャッハー今なら何でもいけんじゃね? イェーイ》的な?


さらに母は色々な所で自慢しまくった。 親戚、知り合い、取引先etc…


その自慢の結果、人が人を呼び。噂が人を呼んで企業して間もない会社に1000人を超える人が集まった、起業して間もない会社にいきなりそんな人数が集まった所で普通は駄目になる。


だが、なんとかなってしまった。 集まった人たちの奮闘と母の勢いと性格の良さで… 男性が絡むと女性は強くなれるらしい。


そしてたった五年で上場企業に…

俺の持ち株は30%らしい。 他の21%役員で割り振ったらしい…

咲夜は1%持ってる…ほんと女性には厳しい世界だな!


俺が10歳の時、株主総会に連れていかれた。


全くもってわけわからず連行された総会だが、俺が居た事によって企業方針に反対が出る訳も無く、すんなり終了。


うん まぁ俺の10歳のお披露目会になっちゃった…


その後に株主総会だけは出席してくれと懇願された・・・

居るだけで良いから!と…なので毎年出席してる。



今では従業員2000人を超える。各都市に一店舗はある有名なアパレルメーカーになっている。


隣町に有るオフィスビルを借りているらしいが、未だに軽自動車で通う母は(大きい車って怖いのよ)この街に本社ビルを建設中。


通勤に一時間以上かかるから俺に合う時間を減らすために本社ビル移転を決行! 誰も反対しないのが不思議でしょうがない…


来年には移転出来るらしい・・・


そんな状況にある俺は稼ぎだけは十分確保出来るから、仕事をしつつ堂々と悠々自適生活を目指せるのだ!




そんな中、平川家夕食団欒中・・・


明「ねぇ 母さん 友哉君多分だけど検査結果何も問題無いと思うよ!ほんと調子好さそうだし、このままだと、直ぐに退院よ!」


裕「えっ? そうなの? ん~ そだ! あの部屋冬夜君にあげちゃえば? そうすれば何時でも呼べるし。」


彩「じゃー直ぐにネームプレート発注しなとね♪ 素材とか選んでキラッキラにしないとね!」


裕「そうしましょ! 明日私が説明に行くわ!」


明「なんでよ!? 私からのプレゼントにしたかったのに…」


裕「あなたが言っても 信憑性ないでしょ?」


明「うぅ~ しょうがないっか」


彩「これで何時でも冬夜君を呼べるね♪」


裕・彩・明「「「そうだね♡」」」




長かったけど頑張った・・・・・・・




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