第8話 夢を見た
(おい!冬夜 女はひたすら褒めろ。そして大事にしろ!)
何言ってんだ・・・
(些細な変化も褒めろ!いいな!)
めんどいだろ・・・
(表情や艶肌も見逃すな!)
無理だろ・・・
(家族は死んでも守れ!)
死んだら守れーじゃん・・・
(お前は男だ!それを忘れるな!!)
言われなくても男だし・・・
(いいな冬夜 女には優しく大事に男が守るもんなんだ!
そして褒めろ!いいな!!)
なんでよ・・・
(いいか優しく大事にそして褒める!わすれるな!!)
なんとなくわかったよ・・・
(合言葉は女は大切に!だぞ じゃあな!)
合言葉って・・・
※ 入院生活二日目
「お兄ちゃん?」
・・・
「んー」
目が覚めた…なんか変な夢見てた気がする…
「お兄ちゃんなんで泣いてるの?どこか痛い所でもあるの?」
え?
まだ目が覚めない瞼をこすり、欠伸をしながら。
「ふぁぁ~ ん~ なんか夢見てた気がする。」
「ホントに?体は大丈夫?」
「ああ 大丈夫。
そんな事よりも おはよう 咲夜。」
「おはよう お兄ちゃん」
朝の挨拶は大事!うん
まだ検温までに時間は有るな…
「ちょっと シャワー行ってくる」
「わかった 着替え用意しとくね。
ってかお兄ちゃん 朝のシャワーの習慣なんてあったっけ?」
ん? そう言われるとそうだな…なんでだ?
「なんか朝からシャワー浴びないと気持ち悪いんだよ」
昨日からだが…
へぇ~お兄ちゃん朝からシャワー浴びる人なんだぁ~
清潔感があってとても良いと咲夜は思います。
さて着替えを用意しますか・・・
「何が良いだろう…こっちのハート絵柄がいいかなぁ~
それともこっちの赤と黒のドット柄?ん~迷うなぁ」
選んでいるのは冬夜の下着である。けして本人のでは無い。
バックをひっくり返り着替え選びに時間を要している時である。
ガチャっとドアが開き
「ふぅ~スッキリさっぱり、おーい咲夜ー着替えは?」
腰にバスタオルを巻き、首からタオルを下げた冬夜が出てきた。
「ほへ?」
っと咲夜が振り向き、みるみる顔が赤くなり
「ななななななななななんて恰好してんの!?お兄ちゃん!」
慌てて顔を背けてるがチラチラと視線だけは忙しそうである。
「ん?着替えが無かったから取にきた」
スタスタと咲夜の隣に立ちひっくり返ったバックの中身を物色する冬夜。
「へぇ~結構買ってきたんだね、ってか多くない?」
と、問いをむけるが当の咲夜はそれどころじゃない…
脳が沸騰しそうな状況で思考が追い付かない。
(お兄ちゃんの裸 お兄ちゃんの裸・・・)
もはやショート寸前である 力無くぺたんと座り込んでしまったが、
そこから見える景色は腰に巻かれたバスタオル・・・
思わず鼻を押さえてしまった 高柳 咲夜 13歳 思春期に入り始めたお年頃である…
さらに間の悪いことに女性側からしたらラッキースケベなのだが当の冬夜が全く気にしていない事。
ガラガラ~っと扉が開き
「おはよ~ございます~
高柳様 けん・・・お・・・ん・・・・」
「お早うございます小田さん。 すみませんこんな格好で、すぐに服を着ますね。」
人がフリーズするのを初めて見た冬夜であった・・・
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