第201話 進軍準備
俺は金峯山寺に向うということを堂々と発表して進軍の準備を始める。
「ヒロユキ殿、進軍するなら密かに動いた方がよろしいのでは無いでしょうか?
このままだと興福寺や松永久秀に防衛の準備をされてしまうのでは?」
信忠が疑問に思った事を質問してくる。
現在大和では興福寺の勢力が一番強い、
興福寺は鎌倉幕府、室町幕府の時代、僧兵や大和武士の従え、その強大な支配力において、守護を置くことが出来ない程の影響力を持っていた。
大和侵攻を目指す松永久秀も興福寺に手を焼いており、未だ支配下にする事はできていない。
「防衛の準備が出来るならやらせばいい、私に備えれば松永久秀は摂津、河内にちょっかいをかけれなくなる分、織田軍に取って楽になるはずですし、決戦を望むなら一回で片付いて楽です。
籠城したければしてもらってもいいのです。
私の城攻めの強さは有名でしょう?」
「たしかにそうですが・・・
決戦を選ばれると不味いのでは?
失礼ですが土御門軍は多く見ても一万程、大和が一つに纏まり抵抗されると・・・」
「大丈夫、大和は山深い土地です、充分援軍を期待出来ますし、それに多くの人が現在集まって来ています。
後は単純に進めば良いのです。」
「えっ?援軍ですか?織田家からはあまり多く出せないと・・・」
「織田家からではありませんよ、少し見に行って見ましょうか。」
俺は信忠を連れて軍を視察する、すると兵士とは別に修験者が多く陣内に見受けられる。
「修験者が何故此処に・・・」
「今回の進軍は金峯山寺に向う事ですが、そこは修験者の総本山であり、役小角が開基した寺にございます。
恐れ多い事ですが私は役小角が使役していた前鬼を喚び出す事に成功致しました、その私と前鬼が巫女と認めた者が聖地を目指すのにチカラを貸したい修験者の方々が多くいるのです。
私は彼等を迎い入れ共に金峯山寺を目指すだけにございます。」
修験者は厳しい修行を自らに化すことで、自らを鍛え上げてている、その中には武芸も含まれており、普通の僧兵より強いチカラを持つのだが、修行に重きを置き、政治的活動をあまりしない為に通常なら大名にチカラを貸したりする事は無い。
その修験者が自ら集まり大軍勢を形成していた。
「信忠殿、それにですね。
大和の大きな勢力の一つ、春日大社は動けなくなるはずです。」
「えっ?」
「まあこれで軍を差し向けるようなら春日大社はその信仰を失う事になるかも知れませんね。」
「いったいどういう事なのでしょう?」
「それは行ってからのお楽しみですかね?」
信忠は理解できていないようだが、俺には秘策があったのだった・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます