第134話 韮山城
俺は韮山城を攻める、守るは北条氏康の四男、北条氏規だった。
韮山城には二千の兵しかおらず、氏規は籠城をするが・・・
「籠城か、ならさっさと落とすか。」
得意の夜襲を敢行する。
既にヒロユキ傘下の兵はヒロユキの攻め方に慣れて来ていた。
攻城戦は夜襲で落とす。
門は何故か開く。
やることを知っていれば命令を受ける方はその準備をするだけだ。
昼は城を囲み、必要数だけを残して休養する。
そして、夜・・・
氏規もヒロユキの攻め方を研究していた、何ので夜襲には備えていたのだが、城を囲まれ、いつ攻められるかわからない状態でゆっくり休めた者は少なかったのだ、
氏規自身も昼間起きざるおえなかった。
そして、攻撃は丑三つ時に始まる。
夜襲に備えて気を張っていたものも、少しゆるみ出したころ、攻撃が始まる。
攻めての声に氏規も気を張り直したが、門が開かれる姿だった。
どうやら閂をネズミが食い荒らしたようだ、
土御門軍が少し押すと門が開かれた。
そして、開かれた門に軍勢が殺到する。
応戦したくともこちらの弓の弦はネズミに切られており、ろくな抵抗も出来ない。
氏規は次々と門を破壊されなす術もなく、
「全軍引け!本丸で守るぞ!」
氏規は本丸に兵を集めて最後の抵抗をしようとした。
兵達も混乱の中、指示に従い本丸まで速やかに引いていく。
「へぇ~なかなかやるね。
兵士の信頼もあついか、力攻めはするな、本丸を囲んだまま、停止せよ。」
俺は軍を止めて、降伏の使者を出すことにした。
俺が使者として送ったのは高力清長、史実では徳川家臣の三河三奉行として名を残している男だ。
「氏規殿、戦の決着はついたであろう降伏なさらぬか?」
「貴様!何を言うか!」
氏規の家臣はいきり立つ。
「やめろ!家臣が失礼いたした。」
氏規な清長に頭を下げる。
「いえ、気持ちはわかりますゆえ、謝罪は無用にございます。」
「忝ない、しかし、降伏と言われても、北条一門たる私が易々と降る訳にはいかない事は御理解いただけますか?」
「それはもう、しかし、此処まで落ちたのです、あとは時間の問題。
それにヒロユキ様が落とす気なら昨晩のうちに片付いたでありましょう。」
「我等は負けぬわ!」
氏規の家臣はいきり立つがまた氏規が止めた。
「いいから、静かにしろ!確かにヒロユキ殿なら落とせたやも知れませんな。しかし、落ちていないという事が全てで無いですか?」
「いえ、ヒロユキ様は氏規殿の采配を見て攻めるのを止めたのでございます。
死なすには惜しい男だと。」
「それは過分な評価でございますな。
一代の英傑たる、ヒロユキ殿に認められるのは嬉しいものです。」
「ですので、降伏を願っているのです。
氏規殿もその家臣も、そして、兵士に至るまで殺したくないのです。」
「・・・して、条件は?」
「城のあけ渡しただ、それだけです。」
「良いのか?私の身柄の拘束も入っておらぬぞ。」
「はい、落城後は好きになさってかまいません。」
「・・・わかった、降伏いたそう。」
氏規は降伏する。
1日で本丸まで城を落とされたのだ、もっても明日までであろう。
それならば兵を無駄に死なすよりは降伏した方がいいだろう。
小田原に帰ればまた、戦えるのだから・・・
氏規の考えとは違い氏政は激怒していた。
「氏規が降伏しただと!許せん!」
氏政は簡単に降った氏規と攻め込んで来たヒロユキ両方に怒りを持っていた・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます