第133話 北条と・・・
富士の修験者と北条方で土御門との国境を守る富士信忠が争いを始める。
富士山本宮浅間大社の大宮司をつとめていた富士信忠は修験者にも北条につくようにすすめていたが、修験者にとって土御門は崇拝の対象になっていた。
その為、両者の間は険悪になっていき、
ついに富士信忠の兵士が修験者の一人を斬ってしまった。
斬った兵士はそのまま修験者に斬られたが、富士信忠は自身の部下が斬られた事で報復に出た。
修験者達と、富士信忠が険悪な状態になる、
そして、富士信忠は鎮圧に北条に援軍を頼んだ。
北条氏政はすぐさま援軍を派遣する。
土御門との国境が乱れる事を望まなかった。
氏政は松田憲秀に三千の兵を預け、鎮圧に向かわせる。
富士の修験者の幾人もが討ち取られる事態になった。
この事がヒロユキの元に伝わる。
「修験者を見捨てる訳にはいかない、北条を攻める。」
俺は即座に軍を動かす。
先遣隊としてマサムネに七千と共に、 松田憲秀に当たらせる。
ヒロユキは本隊ニ万を率いていく。
その兵の中には修験者も多く含まれていた。
マサムネは松田憲秀を鎧袖一触で粉砕する。
そして、本隊が到着する前に富士信忠も討ち取り、富士一帯を治める。
氏政の本隊が来る前に迎撃準備を整える。
マサムネが睨む中、ヒロユキの本隊が到着した。
「マサムネ、北条の動きは?」
「それがな、全く無いんだよ。ヒロユキが来る前に一戦あると思ったんだけどな。」
「うーん、マサムネ一万五千を預けるから箱根の方面に備えてくれる?
俺はその間に韮山城を落としてくるよ。」
「了解。」
俺達は伊豆を狙い進軍を開始した。
小田原城では荒れていた。
「氏政!何を勝手に軍を動かしている。」
氏康は体調不良を押して、政務に戻っていて。
「父上、ですが、富士は我等の領土、勝手をする者を鎮圧するのは当然にございます。」
「それはわかっている、だが、国境ということを考えんか!修験者がヒロユキと親交があることも知っていただろう。
まずは話し合いで片付ければこのようにならなかったのだが。」
氏政がやったことは実質間違っていなかった。
だが、それ以前にヒロユキとの交流をもたなかった事が問題であった。
「父上、我等北条が何故ヒロユキに気を使わねばならぬのですか!」
「あの者は稀代の英雄である、この時代、我を通せるのは強き者だけだ。
残念ながら我等にヒロユキ程の才覚はない。
氏政、よく聞け、この戦どう終わらせるかを考えるのだ。」
氏康はヒロユキを認めていた。
不幸だが戦が始まったのは仕方ない、あとは北条家を残すためにどう戦を終わらせるか。
ただ、それだけを考えていた。
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