第105話 駿河で会議
「ヒロユキ良かったのか、独立を決めて。」
帰路につくとマサムネが聞いてくる。
「あれに従うと使い潰されるのが目に見えているからな。
さっさと独立してしまおう。」
マサムネと話していると前原景久も聞いてきた。
「何故、一度甲斐を武田に帰したのです?
そのまま占領すれば良かったのでは?」
「景久、占領しても防衛が出来ない。
何せ家臣が少ないからな、それに今回味方してくれた武田の家臣は義信を引き下ろす為に力を貸してくれただけだ。
武田を滅ぼすとしたら敵に回るだろう。」
「ならば、これからどうなさるのですか?」
「まずは内政だ、遠江、駿河を完全に掌握する。
そして、信用出来る家臣を増やさないとな。」
俺達は今川館に入る。
其処には遠江、駿河の国人武将が集まっている。
「この度、武田から独立となった。
反対の者はいるか?」
俺はみんなを見渡す。
駿河の国人の一人、瀬名氏俊が叫ぶ。
「なんだと!私は武田だからついたんだ、土御門殿が独立するなら、下につくつもりはない!」
「ならば、城に戻り、弓矢を準備するか、武田家に行けばよい。」
「・・・」
瀬名氏俊は口をパクパクさせている。
「皆にも言っておく、武田につくなら今のうちに甲斐に行くといい、追手は出さない。
だが、今後の裏切りに対しては厳しく処分する。」
同じく駿河の国人、葛山氏元も叫び出す。
「土御門殿!それは横暴ではないか!
我等を除いて駿河の統治が出来るとお思いか!」
「いなければいないで何とかする。
俺が求めるのは従うか従わないかだ、どうする?」
俺が駿河の国人に答えを求める中、遠江の国人天野景貫が発言する。
「我等、遠江の国人は義信を攻める際にヒロユキ様に従うと決めました。
今後も宜しくお願い致します。」
遠江は素直に従う道を選ぶ。
「お前らはそれでいいのか?」
葛山氏元は遠江の国人達を睨みながら、問うが・・・
「氏元殿、ヒロユキ様に勝てると思うのか?
我等が求めるのは強い主君だ、そして、三河のように裕福にしてもらいたい。
ヒロユキ様、頼めるでしょうか?」
「わかった、勿論貧しい暮らしをさせるつもりはない、三河と同じように栄えるよう努力する。」
「お願い致します。」
遠江の国人武将達は一同頭を下げる。
しかし、駿河の武将の一部は自分勝手な意見を言い始めた。。
「ならば、我等の所から開発をお願いする。
その上で味方するか決めようではないか!なあ、皆の者。」
葛山氏元は周りを巻き込むように言うが・・・
「味方かどうかもわからん奴は後回しだ、さっきから言っているだろ。
嫌なら反抗しろと、攻め滅ぼしてやるから。」
俺は葛山氏元をあしらう。
「なっ!!」
「いいか、もう一度言う、俺に従えないなら反抗なり、何処かへ行くなり好きにしろ。」
「後悔なされるなよ!」
葛山氏元が部屋から出ていき、それに続き、瀬名氏俊、関口親永他何人かの駿河の国人武将は出ていった。
その中で駿河の国人武将の岡部元信は座ったままであった。
「岡部殿は行かないのか?」
「行っても先は無かろう、どうか我が領民達にも裕福な暮らしをさせてもらえないか?」
「味方してくれるなら、出来る限りの事はすると約束しよう。」
岡部元信と何人かの駿河国人武将は味方となる。
そして、敵対したもの達は城に戻り、籠城の構えをとっていた。
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