第29話 開発計画
翌日、幸い二日酔いにはならずに済んだ、
だが、いつ寝たかわからない上に目が覚めると横にミユキが寝ていてビックリした。
「おはよう、ヒロユキくん。昨日は凄かったね。」
「えっ・・・俺何したの?」
「そんな・・・私の口からは・・・」
俺は冷や汗が止まらない、もしかして酒に酔ってやっちまったのか!
「あーミユキ、こんな所にいる!お兄ちゃんから離れて!
もう、お兄ちゃんをお起こしに行ったのになんで同じ布団に入ってるの!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、あとちょっとでヒロユキくんの口からは責任とるって言ってもらえそうだったのに。」
「そんなの許しません!いいから、出るの!」
ミユキはユメに布団から追い出される。
・・・よかった、やってないようだ。
その後、朝食を食べて義信の元に行く。
「おはようございます。昨日は楽しい宴をありがとうございます。」
「いや、私こそ不躾な願いを聞いてもらった上にしっかりと答えていただき感謝しております。さあ、昨晩の続きをお願い致す。」
俺は地図を広げ、開発の構想を話す。
「それではこの吉田の辺りに塩浜を作りましょう、其処に枝条架式で塩造りを行います。」
「枝条架式?それはどういう物なのだ?」
「それは簡単に言うと枝をぶら下げ、海水をかけていくのです、すると天日と風で水分が飛び塩が残るという方法ですね。」
「しかし、海水をかけると言っても重労働出はないのか?」
「ええ、ですのでこのような水汲み装置を作ります。」
俺は水車の絵を見せる。
これは岡崎に来る道中で書いた物だった。
「これらを大工を使い作成と設置をお願いします。あと開墾も吉田周辺から行いましょう、現在今川は味方ですしね、これは私に指揮をとらせてもらいたいです、というか多分俺しか出来ないやり方をとりますので。」
「それは構わないが、ヒロユキ殿の負担が大きいのでは?」
「こればかりは我慢するしかないですね。
その代わり義信様には綿花を探してもらいます。多分寺が持っていると思いますので、本願寺に縁のある義信様なら頂いてこれるのではないかなと期待しておりますよ。」
「わ、わかった期待に答えよう。それで他にすることはないのか?」
「後は信玄公にお願いして、山師を派遣してもらえますか?」
「それはいいが?」
「この、設楽の山奥に金山があると思います。」
「なにーーー!!」
「義信様、うるさいですよ。」
「お、お前、なんで金山なんてわかるんだよ。」
「はい、これ証拠の鉱石です。猿が持ってきてくれました。」
「じ、事態についていけないのだが?」
「頑張ってください!」
「うう、わかった、父上に知らせてみる・・・」
「取り敢えず、この方針でやっていこうと思いますがいいでしょうか?」
「いいも何も充分すぎるよ。いや助かる。」
「それで褒美なんですが?」
「ああ、何でも言ってくれ。」
「たいした事ではないのですが、私が養子をとることを認めて欲しいのです。」
「何だそんなことか、構わないぞ。
というか褒美として要求する話でもないだろう。」
「そうですか、それなら信玄公にも許可を戴けないか添状を書いてもらえませんか?」
「わかった、金山発見の話もあるからな、間違いなく認められるだろう。」
「ありがとうございます。」
義信は何も疑うこと無く添状をそえ、甲斐に使者を送った。
信玄の元に手紙が届くと・・・
「養子か?あいつが?何を考えているんだ?信繁何か聞いているか?」
「いえ、何も?」
「まあ、良い、認めてやろう。」
信玄も気付くこと無く竹千代の養子を認める書状を書く。
信玄が気付いたのは信豊が帰国して報告する時になるのであった。
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