ギャグ調 被害者の皆様紹介

 本日投稿2話目です。ご注意ください。


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 ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ


 話に絡んでないのにしょっちゅう株が上がる。ウリエルすら忘却した、唯一名もなき神の一柱のナニカを見てしっかり覚えており、それのせいで貴明父を唯一無二なほど心底恐れているのだが、その程度で済んでいる時点で偉業も偉業。なおゾンビ共は全く平気な模様。やっぱやべえわ。


 冷戦末期からソ連崩壊にかけて、煮詰まった時期の米ソの異能者による凄まじい暗闘、戦後日本最大の危機であった、恐るべき都市伝説系妖異の蠢動と、その隙を突いてやってきたブラジル暗黒界の帝王との死闘、世に異能が溢れた混乱の絶頂期を潜り抜けた、まさに戦士の中の戦士。第一部の主人公と言うに相応しい。


 特に都市伝説系妖異の最盛期は、地方に一体は特鬼である口裂け女が確認されており、日本じゃなかったら滅んでたレベル。海外異能者が絶対住みたくない国ナンバーワンは伊達じゃない。


 教え子達が大活躍しているのに喜んでいたら、紛れ込んだ保護者の一人がやって来て失神しかける。


 現在、胃薬飲んで理事長室のソファに倒れ伏してる。


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 源道房


 異能研究所所長でかなり長い間その地位についている。最盛期は日本最強と謳われ、政治力も傑出しているのだが、名家が異能研究所に介入しなくなったことだけは勘違いが広まっており、それは名家が貴明父と絶対関わりたくないためで、その担当を押し付けられたか源は、ある意味世界最大の貧乏くじを引かされている。


 別次元からやって来た侵略者達を感知した貴明父に、交渉事は源さんに投げればいいかと連れていかれ、そこで大邪神の手抜きではない権能を目の当たりにしてしまう。星を覆う巨躯、その全てが瞳。結果世界が泥となった。今でも夢に見ている。


 個人戦で2冠を達成した半裸会長に注目しており、いい加減後継者に席を譲りたいと考えている。


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 源義道


 異能研究所所長、源道房の弟であり、九州支部支部長。最盛期は当時日本最強と言われた兄より実は強いのではないかと噂されていた。


 かなり自由人で面倒ごとが嫌いなことで知られ、新人だった頃からここの所長とか忙しすぎて罰ゲームだろ、俺は出世しても嫌だと言っていた。どうも若い頃から既に何かを感じていたらしい。


 貴明父が地球に帰還する前日に九州支部に逃げ、認識をされていないし、していないと言う護身を完成させている。そのせいで兄には自分一人逃げやがってと恨まれているが、当の本人は全く自覚がない。


 尤も仕事はちゃんとやっているというか英雄で、見る影もないほど弱体化しているとはいえ、ブチ切れ阿修羅猿君以下、通常阿修羅猿君並みかちょい上の力を持つ、四凶饕餮を仲間達と一致団結して打倒しており、しかも殉職者ゼロと言う奇跡を成し遂げている。


 実際のところ、日本最強の兄には及ばぬが、現場で人を束ねる将としては優れており、人がいればいる程輝くタイプ。そのためチームの考えについてかなり柔軟で、ハサミにはハサミの、針には針の、定規には定規の役割がある。そうやって人は服を作るんだという持論がある。


 典型的な昼行燈タイプで、闇が濃ければ濃いほど輝きを増すが、昼には全く役立たず。なにせ仕事中に大会の観戦とかしてる。


 なぜ被害者の説明にいる? さあ……。


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 田中健介


 殆ど登場せず影が薄いが、竹崎の腹心であると言う誤解が解けておらず、しかもそれに気が付いていないため、知らない内にどんどんとんでもない立場に追いつめられている。


 大会後、生徒の研修状況を確認をする仕事を任されているが、最初の行き先は九州である。


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 蜘蛛君


 ご存じ被害者の中の被害者。苦労人の中の苦労人。社畜の中の社畜。


 なのだが、大会が対人オンリーなこともあり選手達に需要がなく、訪れた休暇に涙を流して喜んでいる。


 実は代わりに犬君が忙しく、大会に出場していないが、観戦して思いついた戦術を試そうとする多数の生徒達から引っ張りだこで、対人用訓練札として本懐を遂げていたりする。


 尤も、偶に遠くから感じるバチカンや一神教の浄力に対してげんなりしており、休みはそのままで連中だけは帰れと思っている。


 あまりにも不憫だが、大会にいるほぼ全てのチームが彼に何もできず完敗してしまうレベルであり、半裸会長率いるチームですら打倒できていない、まさに呪いの中の呪いであることを忘れてはいけない。


 不憫だけど。


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 カルロ


 バチカンの虎の子。一騎打ちでならアーサーとすら互角に渡り合い、世界に彼の姿を見せることが出来たはずなのに、相手があまりにも悪すぎた。よりにもよって大会一回戦という完全な初見で藤宮雄一と戦い、しかも霊力と浄力の基礎を極めたようなタイプであったため、基礎四系統を完全に封じる彼とは相性最悪も最悪。


 個人のバトルロイヤルでも見る人が見れば分かる強さだったため徹底的に避けられ、集団戦ではトップスピードに乗った北大路友治の拳に沈められた。


 本当に相手が悪いだけで、黄金世代の最初に名前が挙がってもいいレベル。


 大会出場者の中で最も被害者。


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 被害者の反対。


 謎の気さくな人。


 上二人に胃痛を与えている張本人にして、三人目の運命を間接的に脅かしているおっさん。


 ベンチに座っていたらかなり注意が必要。気さくに手を振っていても一人は即死、もう一人は記憶が飛んで泥に成る寸前だった。


 元が人間だったくせにかなり倫理観が怪しく、幾らでも止める手段を持っているのに、人間の業で人間が滅ぶなら仕方ないよねというスタンス。積極的に自分からどうこうすることはないが、そのやはり人間とは違う精神性も恐れられる要因。


 殺すこと、呪うことに躊躇がないし、その無慈悲さは子にも受け継がれている。やっぱり大分危険。


 ただやはり、余程でない限り自分から行動はしないので、触らぬ神に祟りなしの理論がギリギリ通用する。子の方には全く通用しないが。


 尤も、暗がりの黒いベンチ座り、にこやかに笑いながら手を振っているソレに、直接出会わなければ。の話である。


 現在、足の親指の付け根に違和感を覚えて慄いている。

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