一周年記念 殺生石編

一周年記念 ■◆石編

前書き


皆様、先日は温かいご声援ありがとうございます。お陰様で話を続ける元気が湧いてきました。


さて……現在世界大会編を書いているのですが、現実の日本において作品の根底をぶっ壊す大事件が起こってしまい、どうしようかと死ぬほど悩んでいたのですが、鉄は熱いうちに打てと申しますか、一周年記念の話も書いていないと思いまして、思い切っていったん世界大会編は置いておいて、そのお話を、作品の根幹関わる、ある、ある伏線を全部回収しようと考えています。


唐突でタイミングが悪いというか、モチベーションが下がっていると言ったばかりでその伏線を回収するのは、話を畳にかかったと勘違いされそうなのですが全くそんなことはなく、今回現実の日本で起こった大事件はそれほどのものでした。そのためどうしてもこの話を書かなければならないため、唐突でいきなりですがどうかお許しください。


まあ本来なら、去年に回収しないといけなかったんですけど、作者が引き延ばして引き延ばしてました(てへ)とはいっても、こんなことが起こったのなら、むしろ良かったと思ってます(言い訳)


という訳で何度も書いていますが、唐突な一周年記念を書かさせてもらいます。


□◆□

絶対に今年、つまり2021年以内に伏線を回収しないといけないのに、さっぱり目途が立たず作者が絶望しているらしい。


 ■005+■■■+5+12=■■■■


----------------------------


1005+999+5+12=2021年


そして


1005+1000+5+12=2022年


次回、一周年特別記念■◆石編、始まります。


あの事件は作者の中で必然でした。



時系列はある程度無視してください



「あなた、おはよう」


「おはようございますお姉様!」


 はて? いつも通りの朝の筈なのに、なぜか時空の歪みを感じるような……うっ頭が……。


「それじゃあ朝ごはんにしましょうか」


「はいお姉様!」


 よくわからんが気のせいだな!


 ◆


「今日は屋内訓練場の一つを丸々借りている。そこで好きなことをしていい」


 ゴリラが朝一番にこんなことを宣った。


 太っ腹ですね学園長。まあこの学園、訓練場はあちこちにあるから、一つ借り切ってるといってもありがたみはないが、好きな事をしていいとは中々の太っ腹ぶり。じゃあ俺は共著者の蜘蛛君と一緒に、主婦でもやれる呪術師のぶっ殺し方改訂版を執筆しようかな。


「伊集院、やるぞ」

「おう」

「西岡、今日こそリベンジしてやるぜ」

「掛かってこいや」

「あの式神符、誰かに使われてないといいんだけど」


 そんなこと出来そうな空気じゃないな……やっぱり皆向上心ありすぎ。


「それでは訓練場に向かう」


 ういーっす。


 ◆


「私と遊ぶ人、この指とまれ」


 お姉様が素晴らしいニタニタ笑いで人差し指を立てている。


「悪いが橘と模擬戦だ」


「ええ」


 藤宮君は自分の結界を溶かす事ができる橘お姉様と戦い、自分が不意を打たれた場合の対処を特訓するようだ。


「今日も絶好の飛行日和だね」


 佐伯お姉様は、屋内訓練場なのに天井を見上げて、飛行魔法を使うのにはぴったりだと頷いている。


「さて、特訓特訓」


「……」


 西岡君や南條君も、入学してすぐお姉様に纏めてぶっ飛ばされているため、こちらを見ないようにしながら、する必要があるのか分からないストレッチをしている。それは他のクラスメイトも同じで、決してお姉様の方を見ようとしていない。いや、何人かは俺を見ながら意味あり気な、超強力な視線を送っている。でも僕、何の感情が込められてるかよくわからないなあ……。


「あなた、皆が酷いのよ。ぐすん」


「お、お姉様あああ!」


 そんな皆に無視されてしまったお姉様が目元に手を当てて俺に抱き着いてきた! はふはふはふ!


「という訳でゾンビの皆よろしくね」


「ごぶっ!」

「ぷっ!」

「ほげ!?」

「はあ!?」

「なんでそうなるの!?」


 思い出したようにお姉様が、我関せずと準備していたゾンビ共に声をかけた。これには流石の馬鹿共も予想外だったようで、なんとあのマッスルが飲んでいたプロテインにむせて、突っ込みは空気を吹き出し、チャラ男は逃げ出そうとしてお姉様の霊力に捕まり、厚化粧は厚化粧が崩れそうなほど鬼の形相で、東郷さんは東郷さんだった。


「私も普通の生徒なんですもの。偶には実技の授業をしないといけないのよ」


「その霊力的筋肉で何が普通の生徒だ!」

「ふざけんな!」

「いやあああ! 誰かー! 男の人呼んできてー!」

「私のこと殺す気か! こいつらだけで満足しなさい!」

「貴明君助けて!」


 ゾンビ共がギャーギャー言い出した。しかしマッスルめ、一度お姉様と戦ってるんだから別にいいだろ。まあ、本人に言わせたら、前日から腹を括る必要があるのだろうけどメンタル100なんだろ。大人しくお姉様の暇つぶしの相手になるんだよ。東郷さんはごめんね……。


「むう……」


 それに対してゴリラは困り顔だ。どうもお姉様が、普通の学生だから実技の授業をしないとと言ったことに悩んでいるようだ。ゴリラよなにを悩む必要がある。お姉様が暇をつぶせて世の中ハッピーじゃないか。でえじょうぶだ。ちょろっと魂が抜けた程度なら俺もお姉様も呼び戻せる。安心してくれ。


「ゾンビ共と小夜子か……」


「これは興味深いわね」


「ふう、切り抜けた」


 あれ? 藤宮君と橘お姉様、さっき訓練するって言ってなかった? 佐伯お姉様の方は露骨に切り抜けたとか言ってるし。


「あいつら全員ならいい勝負できるか?」

「でも小夜子が勝つに今日の昼めし代」

「なら俺は全財産」

「オールインしすぎよ。私も全財産」


 っていうかよく見たら皆注目してるし。皆さっきまで忙しそうだったよね? ま、まあいい。


 授業で散々、全員揃った時のヤバさを見せつけているゾンビ共だから、クラスの中に限って侮りの声はない。それはあの一族主義者南條君も同じだ。まあ見下してるのは変わりないけど。ともかく、お姉様対チームゾンビーズは、クラスの全員が見たかったベストマッチのようだ。


「さあ早くやりましょうか」


「ば、馬鹿な! 俺のマッスルでも引き摺られる!?」

「た、貴明いいいいいいい!」

「きゃあああやめてえええええ!」

「どうか私だけはあああ!」

「なんで私までええ!?」


 お姉様の霊力に引き摺られる馬鹿共。マッスルよ、実は見せ筋か? 狭間君、悪いが俺にはどうすることもできない。チャラ男と厚化粧は命乞いだ。東郷さんごめんね……。


「こうなったら自棄だ! やるぞ!」

「応!」

「じゃあ頑張ってな!」

「応援してるわよ!」

「ああもう!」


 やけっぱちでやる気なマッスルと狭間君だが、さっそくチャラ男と厚化粧に売られている。始まる前から仲間割れしてどうすんだ! 普段の鉄の結束はどうした!


「じゃあ始めましょうか【ノウマク・サマンダ・ボダナン・ラタンラタト・バラン・タン】」


 えちょっ!? お姉様!? てっきり自分で戦うかと思ってたらまさか!? その真言はあああああ!?


『ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!』


 阿修羅の真言、即ち!


「私の霊力で再現してみたの」


 全長20メートル! 三面六臂! 全身真っ黒!


 特鬼の訓練札として扱われているちょっぴり複雑な立場故、お姉様は態々霊力で再現したと言ってるけどそれは建前! あれは本物!


 犬君、蛇君と同じくいつの間にかお姉様の正式式神符に連ねていた彼の名こそ


「猿ちゃんって呼んであげて」


『ゴオオオオオオオオオオオオオオ!』


 猿君だああああああああああああああ!


「大馬鹿野郎!」

「再現ってどういうこった!」

「ひえええええニュクスの姉さんお助けええええ!」

「ぎゃあああああ!」

「【祓い給い清め給い】!」


 い、いったいこの勝負、どうなってしまうんだああああああああ!

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