幕間 かつて起こった戦い。戦い?虐殺

≪ぎゃあああああ!?≫


≪つまらぬ。頭をもいだだけでもう壊れてしまった≫


≪陛下、お楽しみの途中申し訳ありません。地球の代表者が謁見を望んでいるようです≫


≪地球? どこだそこは? ああ、38番目に食べた世界の星だったか? いや76番目?≫


≪次に食べる星とその現住生物です≫


≪ああ次だったか。ふむ、という事はある程度世界を移動する術を持っていたか≫


≪はい。どうやってかそれを知って、命乞いをしに来たのではないかと思います≫


≪そういえば長く謁見などしていなかったな。まだその者達はいるか?≫


≪はい陛下≫


≪では暇潰しに現住生物をいてみようか≫


≪はい。直ちに準備いたします≫



≪貴様達がそうか猿型現住生物≫


『へへー!』


≪ふ、見れば見るほど猿だな。そら、名乗ってみよ≫


『名無しの権兵衛であります!』


『み、源道房です…………』


≪おお、猿が我々の言語を話したぞ! これは驚きだ。そうであろう≫


≪はははは≫

≪まさにまさに≫

≪仰る通りかと≫


≪ふーむ随分勉強熱心な猿だ。これは感心。特別に何をしに来たか問うてやろう≫


『へへーありがとうございます! それでは話させていただきます! 本日はお願いがあってまかり越した次第にごさいまするです!』


≪なら貴様達は、そのなんとかという星の代表か≫


『え!? あーそうでごさいますです! 一応これでも自分、げふん、そう、げふん世界の代表的立ち位置なんですよ! えーっと、同僚は休職中なんで、やっぱり自分が代表でございます! それに源さんは地球で一二を争う組織の代表なので、十分地球の代表って言えますですはい! ね、源さん!』


『は、はい!』


≪それで?≫


『いやあ、次の侵略先を地球にするのは実にお目が高い! ですけれど、ちょーっと止めて頂けないかと思いましてはい! でも自分、交渉とかよく分からないので、その辺りは源さんと話を詰めて頂きたいですはい!』


≪うん? ナナシノなんとか猿よ。交渉?≫


『その通りでごぜえますだ!』


≪なぜ?≫


『実はそろそろ息子が、あ、もう性別は分かってるんですよ! が産まれるんで、皆様方に食い荒らされちゃったら色々困るんですよ!』


『え゛!?』


『あ、源さんには産まれたら知らせようと思ってたんだった! 急にサプライズ報告しちゃった! とにかくまあ、あんまり自分が動くのはよくないんで、源さんとお話を進めてください!』


≪待て待て猿よ。どうして交渉する事になっている?≫


≪この劣等種族が何を抜かす!≫

≪無礼者め!≫


『えーっと、そうしないと皆様の種族を皆殺しにしないといけないからですね!』


≪うん?≫


≪今なんと?≫

≪は?≫

≪なに?≫


『皆殺しです! いや実はですね、普段は専門分野の職人なんですけど、皆さんはその専門から外れちゃってるんで、やろうとしたら加減が全く効かなくなるんですよ! ほら、皆さん種族全体で色々な人達食べちゃってるでしょ? こう、スイッチ入れたら微調整できずに、圧が一気に流れちゃうんですよ!』


≪ぷっ。さ、猿は冗談も勉強してきたらしい。はっはっはっはっは!≫


≪陛下にも困ったものだ≫

≪左様≫

≪このまま付き合うしかあるまい≫


≪はっはっはっはっは!≫


『はっはっはっはっは! これはいけたよ源さん。笑わせてくれた礼だ。見逃してやろうの必勝パターンだ。それじゃあ書類仕事よろしく』


『いやあこれは……』


≪はっはっはっは! いや笑った。ぷっ。笑わせてくれた礼だ。きちんとした書類を準備させよう≫


『ありがとうごぜえますだ! ほらね? 国連加盟国、って幾つだっけ? ともかく後は、各国全部が不可侵条約の署名するだけだから楽勝ですって。だから後よろしく。あ、バチカンの事忘れるとこだった。バチカンも絶対にお願いしますね。絶対に』


『いやあこれは……』


≪ほらこれがそうだ。持っていけ≫


『ありがとうごぜえます! ありがとうごぜえます!』


≪正式な宣戦布告書など書いたのは初めてだ。光栄に思うのだな≫


『あっれえ? 不可侵条約の書類じゃなくてですか?』


≪ぷっ。はっはっはっはっは! いやはや本当に面白いのを送って来た!≫


『すっごく失礼なんですけど、この場で書類を拝見させて頂いてもよろしいです?』


≪ああいいぞ! はっはっはっは!≫


『本当に宣戦布告書だ。うっわちょっと困ったな。ルールに縛られちゃったよ』


『な、な、、何がですか?』


『ご丁寧に書類を作った書記官さんは覚えてくれてたみたいだけど、"名無しの権兵衛"と"源道房"を代表とする、地球に対して宣戦を布告するって書いてあるんですよ』


『つまり……』


『自分この場でそう名乗っちゃって、しかも正式な書類として書かれた宣戦布告書を自分で受け取ったから、ルール的には今から始めないといけないんですよね』


『い、い、い、い、今から!? や、破ることはああああああ!?』


『いやあ、破れは出来ますけど、破りたくないんですよねえ』


≪そら、どうした?≫


『はい! 宣戦布告、確かに受け取りました!』


≪そうか≫


『ですので今から始めたいと思います!』


『ちょ、ちょっ!?』


≪そうか。うん?≫










【封印解除 









始原神形態】
























「はあっ!? はあっ!? はあっ!? はあっ!? あ、あの時の夢か……」


ベッドから飛び起きた、異能研究所所長、源道房は悪夢と共に思い出す。かつて、もう何十年も前に、突然連れられた先で起こったを。


呪いが


怨念が


祟りが


禍が


そして死が死が死が死が死が死が死が死が死が死が死が死が死が死が死死死死死死死死死死死


いや、それすらなんてことはない。あれと比べると、単なる薄い染みだった。


世界を覆ったあの黒と比べたなら。


「先人の馬鹿野郎。触らぬ神に祟りなしなら、向こうから触って来た時の対処を教えてくれ」


それを必死に頭から振り払いながら、源は愛用の胃薬を胃に流し込むのであった。











NO.Xと関わらないでください。

NO.Xと関わらないでください。

NO.Xと関わらないでください。

NO.Xと関わらないでください。


絶対に。絶対に。絶対に。絶対に。絶対に。絶対に。絶対に。絶対に。


絶対にNO.Xと関わらないでください。

絶対にNO.Xと関わらないでください。

絶対にNO.Xと関わらないでください。

絶対にNO.Xと関わらないでください。


そして必ずこの言葉を思い出してください。


触らぬ神に祟りなし

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