【二年生編開始】異世界帰りの邪神の息子~ざまあの化身が過ごす、裏でコソコソ悪巧みと異能学園イチャイチャ生活怨怨怨恩怨怨怨呪呪祝呪呪呪~
一であれ 八であれ 百であれ 世界の敵であれ そして世界を救うものであれ
一であれ 八であれ 百であれ 世界の敵であれ そして世界を救うものであれ
『レオナルド! こいつが傷付かない絡繰りは!?』
『少し待ってくれ! この編まれている式が複雑すぎる!』
おっと、ラツィエルの能力は無条件じゃないのか。確かに本場の国で現れたら、その首は殆ど無敵なんていう構成は面倒だった。
『なんてことだ! 蛇の頭が生まれた地で呼ばれた場合、その国の神の力か、その地由来の力でないと攻撃が通らないんだ!』
その通り。例えばギリシャでこの訓練符を使った場合、ヒュドラとウロボロスを殺しきるにはギリシャ系、ヘラクレスの力や、ギリシャ出身の異能者の攻撃でなければ効果がない。だが地元一国で対処できたら意味がないから、その国一国で対応できない様な強さにしてる。
それと困るんだよ、昔みたいにオンリーワンの軍とかされたらさ。世界の敵を殺すには世界で手を取り合って欲しいんだ。それが今の段階だと無理だって分かっていてもね。だからこそ、この蛇は無理矢理人類の手を握らせる。
「急な話ですが私も参加させてもらいましょう」
「なぬ!?」
俺の邪神イヤーに聞き覚えのある声が! この声学園長だな! 隣の胃に剣の所長が、お前はカバラと古強者達への牽制だから出るんじゃねえよって顔してますよ!
「見ているだけなのはつまらないですから。オン・ガルダヤ・ソワカ!」
あ、その真言!?
あのゴリラやっぱりな! 阿修羅の力使ってるから、八部衆由来の力も使えると思ってたんだ!
ってまずーい!
「迦楼羅よ!」
迦楼羅は超やばいいいいいい! なにせ迦楼羅の前身は!
『ギャアアアアアアアア!?』
見ただけでオロチ君が、恐怖に引き攣った叫びを上げた! でもそれも仕方ない! 相手は蛇の絶対なる天敵にして捕食者! ガルダなんだ!
「おおおお!」
『ギャアアアアアア!?』
迦楼羅の力を宿した学園長の蹴りを食らって、オロチ君の首が後ろに吹っ飛んだああ!?
てめえこのゴリラ! 何美味しいとこだけ掻っ攫ってるんだよ! 蛇君頑張えー! ってだめだ! オロチ君を担当していた聖者の1人が完全にフリーになったせいで、一対一の均衡が崩れちまった! ウロボロスなんてタコ殴りになってる!
『それなら我々も』
『うむ。ある程度カバラも見れた』
『いやはや、血肉沸き踊る』
『私も見ているだけは性に合わなかったのだ。それに相手は世界の危険、絶好の機会を逃す手は無い』
あ、観戦してた各国の観戦武官共も動き出した! てめえらこのロートルの爺共、ただでさえ蛇君押され始めたのにお前らまで参加したら!?
『ジャアアアアアアアアアアア!?』
一人一個師団のまさに軍の如き超能力の砲弾が発射される。
先代アーサーが現役時代のには劣る剣を用いてであるのに、蛇君の肉を切り裂いていく。
マーズの、戦神の槍が目を貫く。
魔法使いの炎が曇天を焼き払う。
古今東西、ありとあらゆるかつての最強たちが蛇君に群がる。
それに伴い蛇君も
あ、蛇君フルパワーはダメです。それは本物の"世界の敵"と相対するときに使って下さい。まあ、俺が生きてる間に使う事は無いと思うんだけど……。
蛇君は、再び世鬼が現れた時、親父と神に近づいた感性の俺が対処に立ち上がらなかった場合の、万が一の切り札なのだ。そんな蛇君の対世鬼状態を態々ここで見せる必要もない。なにせ訓練符としてのセーフティーも全解除された状態になるのだ。それこそ世界の危険として扱われるだろう。
『シャアアアアアアアアアア!』
じゃあどうすんだって言われても困る……。いや、本当にその人ら世界最強クラスだから、実物のヒュドラでも多分なんとか出来るんだよ。
『全員あれを使うぞ!』
『いいのか!?』
『構わん!』
おっとカバラの皆さん、切り札隠し持ってましたね? 政治的理由でこの場に来てたから、危ないところを助けられたって形には絶対できないんでしょうね。
『生命の樹よ!』
聖人達が、あれは……それぞれ司っているカバラの位置に着いたな。各々が光り輝く線で繋がり、聖なる文字も辺りに浮かび上がっている。
でももう一度言いますけど、単に蛇君を倒す為ならいいんですけど、そういう政治を持ち込まれると本当に困るんですよ。
しゃあない。蛇君ちょっと頭増やしていいよ。
『ジャアアアアアアアアア!』
『シャアアアアアアアアア!』
『馬鹿な!? まだ増えるのか!?』
蛇君の体から更に伸びる首。ご紹介しましょう。左のは天地を覆う物。右のは太陽神の宿敵。
ヴリトラ
アポピス
です。
『シャアアアアアアアアああああああaaaaaaaaaaaaa!』
全部で10本の首。
それらが生命の樹とは真逆、邪悪の樹の配置にそれぞれ着く。
『いかんぞこれは!』
観戦武官の誰かが叫ぶ。それもそうでしょう。殆ど戦略兵器同士のぶつかり合いなのだ。これが訓練場としての結界の下でなければ、地図がちょっと変わるほどのエネルギーがお互いに高まり合っている。
だが決定的な違いがある。
聖者側にメタトロンとサンダルフォン、生命の樹の頂点と根がいないのだ。対して蛇君は完全なる邪悪の樹の配置。
『悪よ消え去れ!』
『ジャララララララアアアアアアアアアアアアアアアア!』
破滅の光が2本の樹より放たれた。
『ぐうううううううう!?』
『ちょっとヤバいですーーーー!』
『持たんかもしれん!』
『そんな馬鹿なことが!?』
互いの中点でぶつかり合った光だが、一見互角に見えて蛇君の方が優勢だ。やはり頂点のサタンがそのまま正しい配置にいる事と、生命の樹の根と隣接する物質主義に根を噛むもの、ニースヘッグが位置しているのが痛すぎる。
『負けるというのか!? 我々が!?』
まあ今日は蛇君のテスト試験だったって事で、花を持たせてあげてください。それにその方が世界全体に危機感が出るでしょ?
『ジャアアアアアアアアアアアアアアアアア!』
『おおおおおおおおお!?』
『きゃああああ!?』
『ぐああああああああああ!?』
『これが世界の敵!?』
『神よ……』
『こんな事が!?』
「やりすぎだ……」
滅びの光に次々と飲み込まれる戦士達。おっと、俺の邪神イヤーが何かボソっとした声を拾ったけど、一体誰の声だろう? ちょっとわからないなー。
『シャアアアアアアアアアアアアアア!』
全員が結界から吹き飛ばされた訓練場の中、世界の敵が勝鬨を上げる。次はカバラの皆さん全員と、現役の最強の皆さんでお願いしますね。
◆
◆
◆
「そろそろいいかしら?」
「ですねお姉様!」
戦いも終わり、疲れ切った皆さんが帰った訓練場で、秘密のお話をする俺とお姉様。
邪神イヤーで、ゴリラが胃に剣の所長と話し合いをするため、クラスメートの皆さんは、別の教員が引率して帰る事を聞いた俺とお姉様はまだ訓練場に留まっていた。学園長がいないならコピー式神がバレる事も無いから安心である。
そんでもって何をするかと言うと、
「じゃあお願いねあなた」
「はいお姉様! 第一形態変身!」
本当はボンレスハムみたいな体形になるから恥ずかしいんだけど、お姉様の御願いは全てに優先される。そのお姉様のお願いとは蛇君と戦いたいから、お、ね、が、い。であった。でへへ。
えーっと、訓練場の付近を全く違う世界に変えーの、もう一回蛇君を遠距離からこの場に招いてーの。
遮蔽よし! 蛇君よし!
「いつでも大丈夫です!」
「じゃあお願いね」
「はい! 蛇君起動!」
『シャアアアアアアアアアアアアアアアア!』
再びこの地に現れる世界の敵。絶望の八首。世界最強を持ち出して、ようやく抑え込んだいた怪物。そんな存在がお姉様ただ一人を睨みつけている。
「うふふ。さあ行きましょうか皆」
そんな蛇君にお姉様も全力だ! 作り出した式神全てを起動させてってお姉様それは!?
『ギョエエエ!?』
ちょっとオロチ君そんな声出して大丈夫!? ってそれもそうか! お姉様その中の式神にオロチ君に効きまくりのが!?
「普段は単純に楽しむんだけど、あなた私の事馬鹿にしたわよね? お仕置きしないと。あ、これも使いましょうか」
『ギョエエエエ!?』
ギョエ!? お姉様それもヤバいです! オロチ君が目に見えてビビってます! 十拳剣と草薙の剣の次位にオロチ君がビビる剣じゃないっすか!
と、とにかく蛇君頑張えー! へ、蛇くーん!?
そうだ蛇君頑張れ! 世界の敵として、世界の平和を守る戦士達の壁として立ちはだかるんだろう!?
蛇君頑張えー!
へ、蛇くーん!?
勝負あり! お姉様の勝ち!
やっぱダメだね。数でも負けてるし、そもそもお姉様がお強いから。それにオロチ君なんて首が真ん中から切られてるし。
いやあ流石ですねお姉様!
「すっきりしたわ。ちょっとあの蛇には苛々してたのよね」
「それはよかったです!」
じゃあ次はあいつですね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます