第2話

歳月流れて。

俺は高校一年生になったのだが。

県下トップの進学校に通う幼稚園時代からの美人な幼馴染のユーコに道で会う度にバカにされていた。


中学時代、勉強をサボっていた俺は、

シンジの死後は将来の夢の為に頑張って勉強していたが、

流石におよそ半年でいい高校に入れるほど

の地頭は持ち合わせていなかった。


「ユーマ、今帰り?」


「うん」


「一人?」


「うん」


「彼女はできた?」


「まだだけど」


「フッ。女なんか、いるわけないよねぇ!顔はフツーだし、

お父さんは大会社の社長じゃなくて、鳶職になって貧乏になっちゃったしさぁ!」


「しかもユーマ、あんた足引きずってる!障害者じゃん!」




毒を吐く女。


幼馴染だが、顔は綺麗だが、嫌な奴だった。


それでも、父親の会社が軌道に乗っていたときは、やたらと俺にベタベタしてきて、

「将来はユーマのお嫁さんになる!」なんて

言ってたんだ。確か中二のバレンタインだったな。手作りチョコを渡され、


「約束ね!」


俺は無理矢理、指切りげんまんをさせられて、

ユーコの奴とちょっとした契約を交わしたといえるか。


だが。


父親の会社の倒産がきっかけだった。


ユーコは一気に疎遠になった。

俺のこと、今みたくバカにするようにさえなった。


「貧乏な家の男とは付き合えない。

一生、苦労する未来が見えるからさw」

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