10月6日
『君は時折窓の外を見る。縁側でゆっくりと過ごすには少し寒くなっている。
君の黒く長い髪と、空を見上げる表情は、かぐや姫を思わせる。
月に焦がれる君に、かけるいい言葉はなかなか見つからない。
君が嫌う太陽のおかげで月は輝いているのだと、伝えるべきなのだろうか。
少なくとも、月見団子をつまみ食いしていることは叱るべきなのだろう』
また窓の外を見上げてしまう。縁側に出たいけれど、貴方が止めるからこうして窓から見上げるしかなくて。
月に執着する私を、かぐや姫のようだと貴方は言うけれど、あんな失礼な女と一緒にしないで欲しい。
月が輝くのは太陽があるからだなんて、小学生でも知っていて、私だってわかっている。それでも熱を発するあの恒星は好きになれない。
それと、月見団子を食べているのを叱った貴方も。
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