10月14日

『山の女神たちが、紅葉で思い思いに着飾り、外には落ち葉の絨毯が敷かれ始めた。君は珍しく着物を着ていて、いつもより大人びて見える。

着たくなかったと口を尖らせる姿ですら、とても綺麗で。

かぐや姫は月で結婚していたらしい。』



たくさんの赤と黄色とオレンジで覆われた山が、もう遅いと私を責める。

無理矢理着せられた着物は、とても重くて。

「着たくなかった」

そう言って口を尖らせても、何も解決していないのは私のせいだ。

月に帰る日が来たというのに、全く嬉しくない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る