Smvemjsun P

P

　To　P

　お袋が死にました。

　貴方からの返事が無いのはわかっていますが、一応連絡はしておきます。

　From　n

　〇

　妻が死んだらしい。

　縁を切った子供から連絡が入り、先ほど事情を知らされた。

　あいつからの訃報はこれが初めてでは無い。今回で４回目になる。

　末の子供たちで既に3回。

　死因はいずれも焼死と聞いている。

　そして火元は──妻。

　燃料が無くなり膨張した妻が、近くの子供たちを灼熱の中に飲み込んでいったのだ。

　莫大な熱エネルギーに包まれた子供たちは跡形もなく蒸発した。

　命は、命の源へと還る。

　誕生と終焉──相反する無の造形。

　それを支配したのは妻だった。

　……支配者（妻）が死に、光を失ったあの家族はどうなるのだろう。

　俺（冥王星）の抜けた、あの家族。

　妻の存在が消えた今、繋ぎ止めるものは何も無い。

　我が家は、暗い。