第4話 異世界は青かった、そして見回してみたら神がいた。
長い光のトンネルを抜けると、そこは宇宙だった。
そこはどこまでも深く、暗く、明るく、大気圏を通さない星々の輝きが…手ですくい取れそうなほど目の前に広がっている。
トラックの車体は、ゆっくりと横に旋回しながら宇宙空間を漂っていた。
「あーーーーー…あ”?」
(ちょっと待って、脳が追いつかないんですけど!
無重力のせい?体がふわふわと落ち着かないし!
いや、頭の中もふわふわで落ち着かないんだけどもさ!)
星空を眺めていると、脳内には『2001年宇宙の旅』のBGMが鳴り響く。
「待って待って、なにコレ、宇宙…?立川に宇宙ってあったっけ?」
(あるわけねーし!それに…そうだ!
道に飛び出してきたあのオヤジ!なんなん!?)
慌ててハンドルを切ったら、電柱にぶつかりそうになったのは覚えている。
だがそこから宇宙に飛んだ意味がわからない。
「すぴー、すぴー。」
左に視線を回し、助手席で呑気に眠りこける我が子の姿にほっとしたものの、ある可能性に気づいてゾッとしてしまった。
「もしかして、私たち死…」
コンコン!
唐突に運転席側の窓をノックされて、ビクゥ!と体が跳ねた。
「死んでなぞおらぬぞ。」
そこには女神がいた。
その存在感、理解し難いが一目見ただけで神様だとわかってしまった。
金色の瞳に淡いピンクの髪、ゆったりとした白い服に身を包みながら女神は微笑んでいる。
(キレイー…肌しろっ!まつげ長っ!)
超越した美の塊が、トラックの窓に左手を添えて飛んでいた。
輝く6枚の翼からは、キラキラとした何かが溢れ出している。
あの一粒一粒がダイヤモンドならお金持ちだな〜、などと訳のわからない事を考えていたら、女神は桜色の唇を開いた。
「えー…この度は誠に申し訳なく…」
謝罪!?
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