第2話
「た、大変だ...」
野郎だと思って、そんな気兼ねなく拾って家に招き入れたのだが、女、とあっては状況が180度変わってくる。
む、胸のでかい女だった。
それに湯気の中での女は、よくよく見ると、可愛い顔立ちだった気がする...。
俺は慌てふためいて、リビングに戻り、
テレビをつけた。それから、
ソファに腰掛けて深呼吸してみた。
それから心の中で呟いたんだ。
お、落ち着け、俺!と。
面白いテレビ番組でも見て落ち着こうと思ったのだが、そうもいかなかった。
男だと思ったが、女。
用意した着替えは男物。
インナーシャツにと、トランクス!
や、ヤバイだろ、女が、そんなもの身に着けちゃ...!
さて。
俺は今。
このマンションに訳あって一人暮らしだった。
父さんも母さんも海外出張中で不在。
と、取り敢えず、母さんの箪笥の引き出しの中に女ものの、新品の上下下着があれば、
ラッキーだと思った。
かくして俺は、
頑張って母さんの部屋へ行き、
箪笥のなかを物色する羽目になった。
幸いにも。
少し探したら新品の下着が見つかった。
サイズが合うかどうかは
不明だが、多分、母さんも今、風呂場にいる
女も、似たような体型っちゃ体型だから
なんとかなるだろ。
俺は気楽に考え、また、ドキドキしながら
浴室に行き、今度は折戸を開けることなく、
大声で要点だけ伝えた。
「これ、新品の女性もの下着!
ここ置いとくからな!」
それから、また大慌て、またリビングに戻った。
あの産まれたままの姿は強烈だった。
記憶力なんてまるでない、俺なのに。
俺の脳裏に身体のフォルムが鮮明に焼き付いちまったもんだからタチが悪い。
やがて。
シャワーの音が鳴り止み、
ガチャン、と折戸が開く音がした。
どうやら女が、多分だけど、
バスタオルで体を拭き、着替えて俺の前に現れた。
男物のTシャツに男物のズボン。
母さんのトップスやボトムスを探す時間はなかったんだ。
男物の服に身を包んだ彼女。
色気がねーかと思えばそんなことはなく。
だけど、胸がやたらとでかいから、
色んな意味でエロかった。
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