第15話 閑話 めざめ

気がつくと辺り一面草原だった。


え?なにここ?さっきまで形容詞がたい漢のかほりに包まれた空間にいたのに?


というかなんでこんなに目線が低いんだろう?うつ伏せで顔だけ上げた状態で倒れているのか?


そう思い体を起こそうとしたが動かない?なぜ?なんで?


とりあえず冷静になろう、ヒッヒッフー…ヒッヒッフー…。


あれ?体の感覚が変だ?俺はある部位を動かそうとしたが動かない。


なんだ?手足が動かない?なぜ?なんで?


疑問に思いながら前方を見ると池らしきものが見えた、そうだ水面で己の姿を見てみよう!


這ってでも前に進もうとすると体がぷにょぷにょと音を立てながら動き始めた。

なんだ?この奇怪な音は?もしかすると、いや考えたくない。この予想は当たりたくない…。

そんな考えを巡らしながら池を目指して進む、ぽにょぽにょ…。


なんとなく跳ねてみようと跳ねてみた、ぽよん…ぽよん…


いや、どう考えてもあれだよな…。


ようやく池にたどり着き水面を覗いてみる、そこには青い塊のつぶらな瞳が2つ付いている生物であった。


拝啓、父さん、母さん、じいちゃん、妹、それとペットのポチ男よ…。


なんか俺スライムになっちゃんたんですけどー?


…と叫んでから体内時計で1時間ほど。ようやく現実に帰ってきた。


スライム…、俺の好きな異世界転生ものだとあるスライムはだいたい最弱だったり物理職には強敵だったり魔王になったりと割と序盤とかに活躍する魔物だったりする。


ぶっちゃけ言いますと俺も異世界転生好きだからある意味嬉しいんだけどスライムか…。


とある魔王様は偶然に偶然が重なって強キャラになった感じだけど俺はどうなんだろう?

前世で取った資格なんてほとんどないしな。女の子の口説き方なら勇者クラスなんだが…

(´・ω・`)


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