ジジジ

右左上左右右

(怪談えほん応募作品)

ぼくのがっこうの でんきには ジジジがすんでる




でんきをチカチカさせるのが しごとでジジジとなくんだ




ジジジっていうのはわらいごえで




でんきがチカチカして ぼくらがいやがるのがたのしいんだよ




ジジジはちいさいけれど きっとてのひらにはのるくらい




ジジジをほうっておいたら だんだんふえて あっちでもこっちでもジジジジジジってわらいだすから ようちゅうい




うるさいし チカチカしてイライラするし さっさとやっつけなきゃ




だけど ぼくは ジジジがきらいじゃない




いっぴきくらいなら うちにいてもいいかなって おもってる




だから ジジジを がっこうから いっぴきだけ つれてかえった




ジジジは げんかんのでんきにとびついて そこがきにいったみたい




おかあさんが「あらやだ」っていった




おとうさんが「とりかえなきゃな」っていった




でもジジジはたのしそうにわらってる




げんかんのでんきをかえられたから こんどはトイレのでんきにしてみた




ジジジはだれかがはいるたびにチカチカさせて トイレのでんきもすぐかえられた




ジジジをぼくのへやにつれていった




ジジジはデスクライトにすむことにしたみたい




ジジジ ジジジってたのしそうにチカチカさせてる




たのしそうだったから よなかじゅうチカチカさせてみた




ちょっとねぶそくだけど ジジジをおいてがっこうへいったら がっこうのジジジが すくなくなってるきがした




かぞえてないから わからないけど




いえにかえったら げんかんにジジジがいた




ぼくのへや あきたのかな?




トイレにいったら トイレにもジジジがいた




げんかんのジジジがくっついてきたのかとおもった




リビングにもキッチンにもぼくのへやにも ジジジがいた




ジジジがふえてた




ぜんぶのでんきに ジジジがいた




ジジジが わらう




チカチカさせてわらう




まどのそと がいとうに ジジジがいた




すぐそこのコンビニのでんきにもジジジがいた




となりのいえも チカチカ




むかいのいえも チカチカ




ななめのいえも チカチカ




まちじゅうが チカチカ チカチカ




ジジジ ジジジ ジジジ ジジジ




ジジジが だいがっしょう




ぼくの まちが ジジジに のっとられた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ジジジ 右左上左右右 @usagamisousuke

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る