第30話 新しい家族


羽奈に幼稚園の学費ぐらい

出させてくれ

と言っても拒んでくる。


食べさせてもらってるし

住まわせてもらっている、

だから、

それだけでも申し訳ないと言う。


住まわせてもらっているってか

皆、俺の子だ!!俺の家族だ!


父親以上の頑固者

親には似らぬが舅に似る って

いうがよく似たものだ。


洋服もリサイクルをチャリで回って

買って来る。


俺や、母親が買って来たら代金を

払う。これには、母親も呆れている。


お義父様には絶対、お金目当てと

言われたくない。


家政婦の給料も、自分で相場を聞いてきて計算して、請求して来る。

羽奈は、家政婦の変わりなら

一緒に住むと言う条件を

出してきた。


住み込みの家政婦として

俺に雇われているとゆうもの

らしい。

金額も多く払うものなら、

俺の口座に入金してある( ˘・з・)


あなたが、奥さんを貰う時は

速やかに出て行く


貯金していないと奥さんになる

人に申し訳ない。


だから私達に、お金は使わないで。


脅し文句ょり怖い事を話して来る。

しかし羽奈の本気はそう、

実行するんだナメたもんじゃない。

毎日ドキドキハラハラ


俺はお前と結婚してみせる。


チビたちは自転車を欲しがっている。

俺は勿論買ってあげたい。


自転車を憧れ的に見る我が子に何もして、あげられない辛さ、買ってあげたい

と言えば、身重の羽奈が自転車を

買うためにチラシ配りを始めた。


俺も塩をなめつづけるように辛い



でもチビたちも我慢している。


「赤ちゃん、産まれるから、自転車

の事ママに言っちゃダメだよ。」


「食べさせてもらってるし、パパに

 無理は言えない。」

子ども達もそう言う。


だからぁ俺の子なんだよ。

買ってあげたらダメなのか?


子ども達は

「ママが、お金目当てって、

言われるのが

やだ、やだ‥」



父親なのに、なにもできない。


羽奈は、紙の上では、私は

あなたに雇われてるの。



分かって、ごめんなさい。

愛してる。


いっもこの 〆で言い合いは終わる。

俺が羽奈の、“愛してる”に弱い事を

羽奈は、知っている。





その夜の事だった。


ん~ん!ウウウツ、アッアア~ン


うめき声で目が覚める。

「どーした羽奈。」


   「来た、陣痛!一痛い」


母さん母さん

母親が跳び起きた。


「初産じゃないからしかも、

双子の後だから早めに病院行き

ましょうね。」


「何分、間隔?」


「10分、ウウウツ」

龍祐にだかれ背中をなでてもらう。


「タクシー来たから、先に行きなさい」

「お義母様、チビ達を、御願いします!」


「任せなさい!」

義母の言葉に安心する。

「ウウウツ、アッアウウウツ、」


唸りながら病院へ行く。


「羽奈。相場の家に知らせよう。

な!! 」

 羽奈は、首を振る


「結婚してないからだめよ。

両親に心配か


たくない━━━━━━━━痛ーい‼」


「俺は、罵られても打たれてもいい、だから知らせるぞ! 」



羽奈は、生汗を垂らしながら

「う生まれてか、«あああっ、いたーい。»

うまれてからでいい!! 

«ぎゃーっいた一い»

«いた一い、いた一い»


お茶のませたり。

アイス食べさせたり


しかし、痛みは繰り返し繰り返し

やって来る


本当にクタクタになる。

しかし羽奈は、もっと辛いんだ。

双子の時は・・・

羽奈、偉いな頑張ったな。

自然と申し訳無さで涙が出る。


「羽奈がんばれ。」

ウウウッ

「は、はなぁ﹏ウウウッウウウッ」

涙が溢れてくる。


「うう、頑張ってるんだよー💢

コレ以上何を、頑張るのよー」




「だ、だな! じゃあ ̄^ ̄グスッ

退院したら蟹だ、

な な。」


「ウウウツか、蟹、蟹、カ~~ニ。」



陣痛の割には、ぽーんと生まれた。

生暖かい生まれたての子ども、

双子は私が一番に抱いたから

龍祐が抱いて、

そう言われたけど


怖い。落としそうで、奮える手で

抱いたら、子どもはあくびをした。




可愛い!俺の娘、可愛い。



一度家に帰る。羽奈もぐっすり眠っ

ていた。

マンションに帰ると母が羽奈に

弁当を作っていた。お赤飯よ。



「あ、ありがとう。羽奈も喜ぶよ、

  チビたちは?」


「ベッドよ。静かに開けてね。」


中に入るとコンモリとした布団の

中から可愛い足が四本とヒゲの

生えた足がみえた。



ん?山芋の様な足は?



風呂からあがると父親が珈琲を

飲んでいた。


「昨日は‥ありがとう。助かったよ。」


「龍祐これを羽奈さんに

 渡しておいてくれ。」


そこには大龍龍馬、相場一太郎、

証人の欄が埋まっていた。


母親と父と子供達(双子)を連れ

相場の家に行き、

父が頭を下げて書いてもらったそうだ。


「あ、💦ありがとう。親父!

これで羽奈と結婚出来るよ!

有り難う。」


俺はやっとやっと羽奈を手に入れた。

それから母親と父親とチビ達と

病院へ行った。


父親を見て羽奈は、

愕然として、観念したように

していた。


「龍祐!! 羽奈さんと

2人にしてくれ。」


不安を残しながら新生児室へ向かう。

親父が何を言っても俺が守る。


気まずい雰囲気の中羽奈が

   先に 口火をきった。



「すみません。


子ども達を連れて

出ます。

御迷惑は絶対にかけません。

あんなに言われたのに三人も産んで

しまいました。


龍祐さんを子供で縛ったりしません。

認知もしてもらわなくて、

結構です。

援助は、お断りします。


龍祐をまた出張に出して下さい。

その時子ども達と家を出ます。


龍祐さんには


どうぞ、お父様の目に叶った方を

探してあげて下さい。」


龍馬は椅子に座り足を組み、

腕を組み目を瞑り考えていた。


羽奈はそんな龍馬を見て龍祐によく、似ていると思った。

また、龍太郎と龍乃祐にもそっくりだ。



「ああ、そうするよ。

 安心して休みなさい。」


「今度探した娘は、龍祐が偉く気に

入って ね、今日にでも婚姻届を

出すみたいだよ。

いいのかい?」


「え、‼ そだったんですか。

知りませんでした。

退院したら直ぐ出て行きます。


龍祐には幸せになって欲しい。

龍祐さんの、お父様 !! 

彼の事宜しく御願いします。」


「ああ、分かってるよ。

 親だから、子供の幸せを願うのは

  万国共通だよ。」


龍馬は羽奈の真の強さを知り完敗

したと思った。

こんなに可愛い孫を3人も産んで

くれて有り難うとも感謝した。


「そうか、」


「はい。」


「じゃあ、可愛い孫の顔でも見て

来るよ。

 家に一度きなさい。退院祝いは、

 妻が蟹ずくしでご馳走するそうだよ。

 ご両親も一緒に。」


「はい?・・・は?」

羽奈は、鳩が豆鉄砲食らった顔を

していた。


「おじーちゃん、おなかすいた。

 僕もー。」


「待て待て、赤ちゃんに合わせて

おくれ。」


義父は孫にせわしなく手を引かれて

嬉しそうに出て行った。


 

それから相場の家ではてんてこ舞い

していた。


急に、ジーさん、バーさんになった。


しかも、それは、突然に‼

「失礼ですが、お仕事は?」


と聞いたとき、龍太郎は彼の、

背中にぶら下がり、龍乃祐は

だっこされて腰をブンブン

打ち付けていた。


(こんな、がさつな孫の入るところに

嫁に出していいものか?)

羽奈の父親一太郎はそう考えていた。


「いゃあ、元気のいいお孫さんですね。」

一太郎は羽奈の産んだ子とも知らず

怪訝な顔をして、嫌みっぽく言った。


「ハハハ、どちらに似たんで

しょうかね。

 今、ママがお産で入院して

いましてね。

 申し訳ないが、早く連れて来た

くて参上しました。」


「それは、おめでとうございます。」


羽奈の母親、柚木が出てきて


「子供はやんちゃじやなくちや、

お利口さ んの方が気持ちわりー

ですよ~ねぇ。」



「私達もこんな大きな孫がいるのを

 つい最近知りまして

 申し訳なく思っております。」


龍馬と妻の菜々子は、座布団を

脇において正座を整え、

両手をついて深く、頭を下げた


「な?な!何でしょう。辞めて

下さい。」


「私は筋金入りの頑固者ですが

 羽奈さんほどではありません。

 どうか、どうか、

娘さんを息子の嫁に

 頂きたく。」



「おじいちゃん、お婆ちゃんを

お嫁さんにくだしゃい。」


「えっ、おばあちゃんを、

貰うのか?」


「違う!ママを!! むしゅめしゃんを、

ぼく の違ったパパにくだしゃい。」


可笑しいのを我慢しながら、

何も答えず


一太郎は少し考えて

「家の娘はしっかり者です。


家計も任せていました。しかし‥

娘がこの子達の母親は

どうでしょう。


みた感じ、悪ガキ嫌々、元気過ぎる

といいますか?

その・・・しっけが・・・その。

なってないって言うか!」


      「‥??」「???」


龍馬と菜乃子は意味不明な顔を

していた。



「何いってんの?可愛いじゃない。

ハーイお菓子どうぞ、。」


気まずい雰囲気を柚木が、

取り払うように明るく

振る舞った。



「わーい、ママの好きな、

今木屋のロール ケーキだぁ、

おじいちゃん誕生日?」


一太郎はびっくりして


「だあってえ、ママが、

おじいちゃんの誕 生日は決まって、

これなんだって。」



「早々八月15日だよね。」

龍太郎は、ジュースのはいった

コップを両手で抱えて


「ママと買いにくるのー」


すると龍乃祐も


「 僕もー、八月15日だよねー

そうだよ、ママがおじいちゃん

の誕生日は、おじいちゃんが

大好きなケーキを食べるん

だよォ━━━‼」



二人は口いっぱい元気にパクリ、

手についたクリームをペロペロ、

汚く食べていたが

本当に美味しそうに食べていた。


「この子は龍太郎

 こっちが龍乃祐と言います。」



「は、はぁ龍太郎、龍乃祐ですか」


「おばあちゃん、食べないの?」


「ふふっ、龍君と龍ちゃんでおあがりなさい。」

やったー

やったー

二人はお腹いっぱいになった。

すると退屈になったのか、

また遊びだした。

洗濯ばさみでタワーをつくったり

かくれんぼしたり、お構いなしだ。


羽奈の母は

「羽奈もよく洗濯ばさみや

かくれんぼしたりして妹達を

遊ばせてました。」


「親子ですもの。羽奈ちゃんは

賢くて思いやりが、ありますもの、

私は羽奈ちやんしかいないと、

思ってます。」


「あのぉ、」

一太郎が言いにくそうに言った。

「息子さんは何のお仕事を‥」


ハア‥「会社経営しております」


「失礼ですが・・・何の会社ですか?

私は役所 勤めでして、娘は、その、

あの~経営の手 伝いと言うか、

出来ないと思います。

大学も薬学部でして、」


「いえいえ、羽奈さんには家庭に

いてもら って、孑供が手を

離れたら、

働こうがなにしょうが好きな事を

してもらうつもりです。」


「羽奈は、この子達の母親になる

ことを承知して、おるのですか?」

 柚木がハッキリ聞いた。


龍馬も菜々子も

   「??‥‥‥???」


「あのぉ、羽奈さんが双子を

産んだのは

 ご存知ないのですか?」


 話がずっとかみ合わないのを気に

した菜乃子が遂に口にした。


羽奈の両親は


😱え、はぁ😨

「双子を産んだ?何処でいつ?」


ママは入院って事は・・・




一瞬でシーンとなったが我に帰った、

一太郎も柚木も ‥


「ええ~え、双子、こども?」


とお互いに腕を叩き合い

興奮していた。


「はい、息子が昨日もこちら様に、

連絡す ると言ったら生まれてから

でいいと、

 言い張ったそうで。」


    一太郎は声をあげて、


「じゃあ!お産で入院している

ママと言う のは羽奈ですか?」


「はい今朝生まれたそうです。

 まるまるとした女の子だそうです。息子もずっと付き添ってて

生まれたら挨拶に来るといいまして」


ガバッと二人は土下座して、


「お父様、お母様娘さんを、

大龍龍祐の嫁に

 いや、うちの娘として頂きたい。」


「いたらきたいれす。」

「くらしやいママを、パパにくらしゃい。」

ペコペコ、ペコペコ

柚木は二人に

「頭を上げて下さい。

 この子達が自分たちの孫とは

知らず失礼しました。」


一太郎も汗を拭きながら

「よく見ると可愛いですな‼

(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…」


「はい。本当に羽奈ちゃんには

感謝しかありません。」



「わかりました。3人も孫がいるのに反対はしません。

 娘を宜しく御願いします。」


こちらもあちらも正座をして頭を

下げた。





「では、私達は先に病院へ参ります。

 退院したら色々話し合いしましょう。」

 と頭を深々と下げて帰って行った。


二人が帰った後TVを付けたら

報道がながれていた


スーツを着たレポーターが

「こちら大龍家の前です。

あのイケメン男 子と騒がれた

龍祐氏が結婚していた事が半 明

しました。婚姻は4年前で双子の

お子さ んと本日女の子が誕生した

そうです。」


あ、龍祐氏が見えました。


「おめでとうございます。

3,御曹司トップで子どもを授かり

ましたね、一言御願いします。」


「あなた、あなた、大龍龍祐も

結婚してた んだってよ。

ア~イケメン男子何だけど

 子どもいたんじゃ、ねえ。

 人気サガルワ~。」


「へえ~相手はだれだれ?」

一郎太もTVの前に来た。


「羽奈愛してる。

世界で一番愛してる。

羽奈 に永久の愛をちかいます。

相葉の義父さん、義母さん、

早く会いに来 て下さい。

可愛いですよ。」


「やだー親バカじゃん。

でも好青年よね。」

って・・・


「ん!! 相葉羽奈? 大龍龍祐、

羽奈?

バリッせんべいがポロポロと落ちた。




さっき貰った名刺を見る。


   大龍グループ

取締役、大龍龍馬



ゲツ、ゲツ思わず黄色い服を着たく

なるが


「た、立てない。」

    

「ん!! どーした。」


柚木は人差し指をTVにむけて

「羽奈の旦那ぁー、羽奈の旦那ぁー」


二人は残り娘2が帰るまで立て

なかった。


俗に言う腰が抜けたと言う事だ。

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