第28話 抜け殻



««ゴメン!ゴメン羽奈、

みてたのか?嫌ならなんで、やめて

って言わないんだ。

羽奈が泣くのを知ってたら

あんな事しない。



“ポタ、ポタ»»


涙が便箋を持つ手をびっしょりと

ぬらした。



あの、お店の人の言っていた

指輪を受け取るはずの子って・・

龍の指輪を取りに行く予定の

女の子は私だったの、メスの龍は

私が持っているの

だから男龍を私に帰して下さい。

龍祐には和花さんがいるでしょう。


貰って行くね。それからもう2つ

龍祐にもらった

ありがとう。幸せな家庭を築いて

下さい。

to the love of darling

(私の愛する旦那様へ。)


俺は便箋を抱きしめ泣いた。

羽奈がここまで追い詰められていた

のにきずかない駄目な男

震える声で泣きながら言った。


I also swear my wife's just you

(俺も誓うよ。私の妻は、お前だけだ。)


仕事もやる気が起きない。

何もしない。

父親と母親が来たが、追い返した。

蓄えはある。充分暮らせる。


和花も妻気取りでやって来て、

あれこれ

世話をやいてくれる


俺は無表情、やりたきゃやればいい


父親も母親も嬉しそうだ。


(こいつらは、なにしに来てるんだ。

家族ゴッコなら自分ちでやれよ。)

和気あいあいと楽しそうだ‼

段々イライラがムカムカ💨

ムカムカ💨が遂に


ドッカ━━━ン‼💣💥🔥


俺は遂に爆発した。


「帰れよ。帰れーッ💢💢」

かって陽太が暴れまわったように。


最後に和花にこっそりと地を

はう声で言った


「これ以上ここに来ると××すぞ、

俺は心底お 前が憎いんだ。」


和花は怯えた顔で俺をみた。


父親も半ば呆れ顔で俺に言った。


「勝手にしろ、たかが女ぐらいで

 ヤケになるんじゃない。

 あんな女のどこがいいんだ。」


俺は親父に掴みかかって言った。


「父さんにも、

そんな女がいて父さんは

母さんと結婚したんだな!!」


「何人も、軽く捨てたんだろ?」



親父は顔を赤らめて殴りかかった。

 俺も親父を殴り倒した。

本気で恨みを込めて叩いた

親父も俺を叩き回した。

本気の男同士の喧嘩だ!!


母親と和花は泣いていた。

ふん、ザマア

「おまえ等のせいで羽奈は毎日泣い

ていた んだ!返せよ…返せよ


 羽奈を返せ、今連れてこい。

 俺の大事な羽奈を連れてこい!

 親父、羽奈を何年かけて落と

したと思う? 」


「五年!五年だぞ、一回は諦め

たんだよ

だけど、だけど

ヤッパリ無理に、強引に捕まえた

んだよ逃げられないように

慎重に捕まえたんだ。」


蹴飛ばす勢いで3人を追い出した。

ハアハアハア、

和花の奴、色気で俺を潰しにき

たんだろうが、お前じゃ無理だ。

男と遊び慣れた汚い傷んだ肌は

羽奈の愛らしい身体とは全然違う。

取っかえ引っ変えしていたのを

俺は知っているが何とも思わない

お前に気持がないからな!。


唯の幼馴染だから何も言わなかった

し、気にもしなかった。

好きに遊べばいいぐらいにしか

思って無かった。


フフハハハ、アッハハハ

羽奈め、本物の御曹司キラーだな。

何人狂わせば気が済むんだよ。

ドンッ!

イライラが収まらず壁を蹴破る

スネは血だらけ


まさか、俺まで羽奈に狂うとは

思わないだろう。

     ハアハアハアハア

俺は大声を出し暴れ回り

家の中は猛獣を飼っているのか

ぐらいボロボロ


毎日酒を飲みフラフラ状態

辞められないのはアル中だからか?



あまり人と会わず。

誰ともしゃべらず、カーテンも締

めきり、部屋に1人。


毎日、毎日、生きているだけ。

あまり腹も減らず、喉も乾かず

何を目標に、何をする事もなく。

ただただ、タヒを待つ。


何年すればあの世とやらにいける

のか?その日すら待ち遠しい。


その日の為に生きるだけだ。

そう!死ぬ為に生きている。


あの日、羽奈からキスしてと言わ

れたとき気づくべきだった。


羽奈からのメッセージだっ

た気がする

俺を引き止めたかったんだろ‥。


パーティーなんか俺に何の得が

あったんだ。

毎日、毎日、後悔している。

羽奈を置いて、仕事に出たことを。

あの日腕を掴んで行かないでって

羽奈は言ったのに・・!


不抜けた生活が三年を過ぎもう直ぐ

四年になる頃だった…


未だ生きてる事がなさけなくなる。

引きこもりになってそんな生活が

当たり前になって来た頃



携帯がなった。

見ると、羽奈からだ、飛びついて

パッと電話に出る。

 


「もしもしもし羽奈?羽奈か?

羽奈一つ。」



「ん?

リュくんでしゅ、

羽奈はままでしゅよ。

おじちゃんパパでしゅか?」


「え?パパって・・

違うよ、羽奈は・・・マ‥マは

 結婚したの?」


「リュうくんは、パパが死んで

しまって居ないの、だからね、

りゆのしゅけ


もパパがいない」

   


子供に聞くのも気が引けるが俺が

死にそうなくらい苦しんでるときに

子供を作るとは、

やはりゆるせん。💥💢💥

   


「ん~コホン。龍くんってたっけ?

パパの名前は?

 言えますか?」


「‥パパ・・・のなまえれしゅか?」

もたついた言葉使いに多少イライラ     


「おじちゃんに教えて、羽奈を

ぶっ飛ばし‥

いや、お知り合いになりたいな。」


「パパはね、ママの宝物れしゅよ。」


「💢💢ああ、そうなのか💢

ママが言ったのパパは宝物って・・?」


「うん、毎日いってましゅよ。

 愛してるゅって。

お写真のまえでね。」



「お写真、ああ遺影の事か?」



「パパはね、タヒんじゃったけど

 ビデオで見た。


 ママの事好きだって、

毎日キスしてるクフフ」


「ああ~あそう。😠」

(そうだろ、そうだろ!!俺だって

 しぬ程好きなんだよ!)



「で!!! パパの な・ま・え は?」


「パパ? リュウくんと、ん~とね

りゆのしゅけのパパはね、かっこいいよ。背が高ーいの。」


ア~ハイハイ

「りゅう君のパパは

死んじゃったけど

かっこいいんだね。わかったよ。

よ~く、分かった。


「え!ちょっと待てよ・・・

亡くなったのか?」

そうだよな、イラついて話ゴッチャ

になってたワ‼

そう言ってるよな‼」


「おじちゃんバカでしゅか?

人の話はよーく聞かないと

ママにおこられましゅよ。」


「あ💦ごめんごめん。

おじちゃんはバカじゃない‼

で‼パパの な・ま・え は?!!! 

なにかなぁ〜」


  「りゅうくんのパパはね!!」


「うんうん。そこ!!ハッキリ!

ききたいなぁ〜」


「‥‥    ?」


       「パパーダョ」


「いやいやいや、そうだけど、

    ちがうんだ!!‥

  ママに名前あるだろう。

パパにも名前あるんだよ。

   

     で!!

パパの名前は?」


「ああっ、そうかぁパパはねぇ」


「パパの名前は?・・ね‼」


『う〜焦らすのか‼子供の癖に

なんというテク

きっと父親似だな、クッソォォォォォ!!

俺の羽奈に手出しゃがって‼』


「ママに怒られないかなぁ

ヤッパ教えないでしゅ」


「クオオオ‼このぉークソガキ

溜めて溜めて落とすタメテクか‼

イライライライラ


ん、んんっコホン

大丈夫、大丈夫‼

パパの名前聞いてもおじちゃん

すぐ忘れるんだ、忘れっぽいし」


「そうなの?パパの名前

早口言葉みたいだょお。」


「いいから、早口言葉いえ!イライラ

いゃ言ってくれ 」


「ママにおこられないかなぁ」


「パパの名前くらい皆そこいらの

ガキは言って回ってるぞ

おまえ、おくれてんじゃね‼」


「・・・・絶対誰にも

言わないでよ!

ママ怒ったらこわいんでしゅからね」


「おう。

約束する。

誰にも言わない、男の約束だ‼」



「だりりゅうりうすけだょ。

だりりゅすけ」


「は!! 聞き取れなかった。」


   「ん~くたびれちゃうよ。」


「ゆっくり言え!じゃなくて

言ってくれ。

 オジサンにも、よーく

(?_?; わ•か•る•よ•う•

に!」

    «« せ~のぉ~»»


「だからぁ、だりりゅすけ

だりりゅうりゅうしゅけ

口たいへんなんでしゅよ

口かみそうになるんでしゅ。」


「だりり?祐介?」


「違うよう。だりりゅすけだよ。」


「ん?だりりりりいすけ?

外人か?」


「違うよ‼だりりゅうりゅうすけ

ダヨッ💢💢」


「ん?分からないぞ、

チビ案外気がみじかいな?

父親似か?

一個一個言え、ひらがな。分かるか?ひらがな‼名前、ん?分かるな。

スーハスーハしろ‼」


「スーハスハ」


「お前はバキャキヤ‼

口でスハスハ言うんじゃねーよ‼

スーで息を吸ってハーで吐くんだ

ヤレ」


「スゥー(そうそう)ハー(よしよし)

スゥ━━━ウハァ━━━(OK)」


「よしよしユックリ

一個一個いえよ、良いな!」


ウン

 「おじちゃん、よく聞いてよ!

  だ、」

「だ?か?」「うん。」

「い」「り」「ゆ」「う」「り」

「ゅ」「う」「す」「け」

「だりりゆすけ だよ分かった?💢💢

もう言わない!💢💢

いいかげん分からないのー」


「大龍??龍祐??ってたか?」



「だからぁ、龍祐だょお。

だからね

 僕は龍太郎 弟は龍乃祐

 だょお」


「おじちゃん分かった?

頭わるいのぉ?

頭、カンポス?」


「あ‥‥ああ、うんうん。‥うん?

カンポス?。」

       

「え━━━━カンポスしらないの?

頭の中、ナーンにもないって

ことダョゥ。」


「は、失礼だぞ‼

親父の顔が見てみたい!

なんちゅう躾してんだ‼


え?・・・っと、だから、え‼

ちょっと考えさせてくれ…。


龍太郎は、俺の子なのか?

可能性はある!!

弟は?龍乃祐のパパも龍祐?

俺?時間差か?

いやいや、なんでだ!!?

じゃあ父親は別にいるのか?

亡くなった父親か?」


龍祐は久しぶりに頭を使った、

フル回転


「(怒)もう💢💢、おじちゃん聞いてた?

だからね‼ パパはね・・・💦」


「ああパパ、しんだけど、

カッコイイ


     で、

りゆうくんと龍乃祐の

パパなんだよな。」



       で!!!

「龍乃介は、何歳?」


「三歳、双子だから僕も三歳!! 」


俺は血が逆流するような感触を

初めて体験した。


あ、何度も何度も読み返した 

手紙。


*私は、もう2つ龍祐からもらった。*

2つ,あれは子供!双子。


「11月はねお詣りにいくんだよお。

神様に龍乃祐とね

天国のパパを帰れるようにして

下さいってお願いす!


あっ、お願い事言ったらたダメだった・・・」

ウッウッウワーン


ウワーンどおしょうパパが!!パパが

天国から、かえれないよお~うう。」


うぇーん(இдஇ`。)


「き、聞こえなかったぞ!! 大丈夫だ

 聞こえなかった。聞いてないぞ!! 

絶対 聞いてないぞ!」


  「ほ、本当、嘘じゃない?

聞こえなかったの?」

グズングスン


「本当!本当聞いてないぞ!!」


「アッ、ママ帰って来た。

おじちゃんバイ バーイ。」


「 待て、龍太郎、住んでる

ところは?」


 「××県、フラワアモーツァルト

だよお」


「いいか、

ママに話したら

パパは帰れ無いからね、

ママに言わなかったら

パパを天国からロケットに乗せて

返してやるって

神様が言っていたぞ!!

 内緒にな‥な!!」


「うん。」


「それからパパの名前簡単に

教えたらダメだぞ!

騙されて連れていかれたら

どうする‼

パパが泣くぞ、もう教えちゃ

駄目だゾ‼」



「うん、分かった。

でもパパの名前おしえろって、

おじちゃんしつこかったでしゅ。


本当に内緒ならパパは、

帰ってこれるの本当?」



「ああ、絶対帰れる

うん。おじちゃんは神様の

使いだから知ってる。」


「うん、わかっ一た。

ママには言わないよ!

言わない‼」


 何度も言い聞かせた。


「ママに内緒。」


隣の県じゃないか、俺が不抜けて

いる間子供は育っていた。


「龍君のパパはね、かっこいいんだょお。」

って、浴室に行って自分を見る



四年引きこもりだった。


風呂は、いつ、入ったっけ?

きたな‥。


ヒゲは、伸び放題 髪の毛は千人

のようだ。


食事は母親が泣きながら作るのを

食うか、食わないか

体力も落ちて死人のようだ。

ガリガリだ、良く生きれたな!

遺影の写真を撮られる所

まで来てたんじゃないか?


龍太郎と龍乃祐が助けてくれた。


「パパはかっこいいんだょお。

ママが言ってるんだよぉ。」


疲れて泣きはらした目をした

母親がやって来た。

見れば母親も随分やせたなぁ

腫れ物を触る

ような声で聞いてくる。



「龍祐おはよう。今日はね

 晴れてるのよ。たまには‥

外に‥出てみない?」 


キッチンに立ち小さく見える母は

白髪が一杯だった。

ぽっちゃりして可愛らしい母だった

はずなのに歳以上に老けて

髪の手入れもする気も無くなって

いたのか?。


最初の1年で真っ白になっていた。

まだ50代、半ばとゆうのに。

染めもしない。

母も母自身を責めている。

自分は年ばかり取って子供だった。「母さんゴメンな!! ありがとう

飯、いっぱい食うから、

美味いの作ってよ。」



母は驚いてそして又泣いた。

羽奈がしていたように布団を干す。


洗濯物を回して畳む


家族がいる。子供がいる。

俺はシッカリしないと子供が2人

もいた。

父親だったんだ俺、

羽奈は言ったよ、

私の夫は貴方だけって、羽奈は

ずっとそう思って、俺の子を

産んでいたのか。


急に嬉しくて誰かに話したいが

また、どんな邪魔がはいるか

分からない。


俺の家族だ!俺の子だ‼

俺が守る。


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