第22話 分け合う痛みこそ(ღ˘⌣˘ღ)iloveyouの後の本カノ疑惑


それからその夜は、龍祐の悲鳴とも

絶叫にも似た叫び声が続いた。

「がぶっ、《ギャャャャ》》》》》

噛むなー

ぎやぶつ、《ウ”ギャャャャ》》》》》

噛むな~

あーぐぶりっ《ウオーギヤヤヤヤヤ》》》》

バコーン、羽奈一っウグッ叩くなー

バンパイヤじゃねーか!!

ガッン、殴るんだったら噛むな~

そりゃあもう、ドッタンバッタン

大騒動‼

自分の性欲を後悔するのは初めて

な龍祐がいた。



朝になったら龍祐の背中には

ひっかき傷が肩や、腕、あばらには、紫や赤や色とりどりの季節はずれの紫陽花が咲いてまるで、

野獣と闘った後の様な

ライオンに食い下がられたシマウマの様な

散々な姿をしていた龍祐は、

アチコチがイテイテ状態。


龍祐は自分の傷を眺めながら、

羽奈を余計愛しく思った。

羽奈は俺が一生守ると、

腕のクッキリ着いた前歯の歯形に

誓った。

糸切り歯の痛みは忘れられない。



隣には柔らかい羽奈が眠っていた。


避妊してると言いながら龍祐は

避妊などしなかった。

羽奈を妻にする。そう決心していた。

だから、避妊はしなかった。


子供が出来るように頑張った。


羽奈を確実に手に入れるため

二人をつなぐものが欲しかった。

確実に繋ぐものそれは

子供。

カップル、夫婦それぞれ形は、あるが情の深い羽奈を繋ぎ止めるには

これしかない。

       


「羽奈~お利口にしとけよ。」


私の彼、龍祐は、湿布を貼りまくり、背中に軟膏を塗りまくり

御機嫌で海外へと旅立った。


なんか頭に来た。


まあガブガブ噛みついて憂さ晴らし

したから

おあいこか!!

血出てたもんな。

休みで良かった。

次の日、龍祐が言った通り、高級

和牛と蟹が産地直送で送られてきた。


一人すき焼きを堪能しつつ

夜は、蟹鍋で舌鼓を打った。

だらだらとすごしながらも

何故か、強烈に龍祐に会いたい。

そればかりを考えていた。

体の関係は、羽奈にとって彼が自分のモノになった証の様な気がして

何だか距離がグ━━━━ンと、

近付いた気もする。



此処から羽奈の仕事場までは

自転車で15分ちょうどいい距離だ。


途中にスーパーもあるし。買い物も

出来る。

ホテルのフロントも龍祐のことは

本当に古い友人と思ってくれた

ようだ。



ま、一応彼氏はいるので合コンは

お断り出来るようになった。



月曜、火曜 水曜過ぎて、今日で

4日、日曜日には龍祐が帰ってくる。



連絡は無いけど忙しくしているん

だろうか?

もしかして、釣った魚に餌をやらな

タイプ。

偶然ではあるけど、リプトンホテル

に派遣で入ってた時の先輩と

街でバッタリ合った。


先輩は役所勤めで、土日小遣い

稼ぎにウエディングにたまに入って

るみたい。


結婚式専門の派遣業で羽奈も

プリンセスホテルに勤める前は

よくリプトンホテルにも入っていた

その事は、龍祐は知らない。



奏と別れて、寂しさを埋める為、

朝、昼、夜


無我夢中で働いた。


おかげさまで忙しい分グッスリ

眠れた。陽太の時も然り。


先輩は、役所勤めらしくキッチリと

髪を束ね征服も似合っていた。



2つ上の先輩美優さんは、

いたずらっぽく笑う人でその

笑顔には随分救われた。



美優さんはフワフワパンケーキに

クリームを乗せパクりと口に入れ

「うめ~。」

メエーメエーを連発

🐐ヤギカヨと言いながら口の回りのクリームをぺろんとなめた

いたずらっ子ポイ仕草はとても

カワイイ


羽奈もフルーツにベッタリと

生クリームをペタペタ付けて

たべる、ほ~んとにウメェ~。


話の途中から

「先週リプトンのシフトに入っていったらサ

ねぇ~大龍親子知ってる?

大龍コンツェルンの?」


羽奈は、パッと顔を上げて

「はい💦、名前だけは良くききます。」


「ねえ、ビックリしちゃった

親子で掴み合いしちゃってサ

大変だったわよ。」




「親子喧嘩?なぜですか?」


  「勝手に、お見合い、断った 

みたいよ。

息子

親父さん湯気出して怒って

たよ。」 

   


「へ、へぇ、そうなんですか?;^_^A」



「 あんなに仲良かったの

に、驚いたよ。」


「え?仲良しなんですか?

その親子。」


「まあね(笑)

どっちも、似てるからブチ当た

ったら激しいってもんじゃないわ。」


羽奈は、パンケーキを食べるのを

やめて苺の突き刺さった

フォークを置いた。


「何でまた、で、でも、お見合いは、

 お互い気に入らないと

 無理ですよね。」

 美優に同意を求めるように聞いて

みたが美優は


「そうね、お金カナ~

 無いよりあったが良いものね。

俺がしっかり稼ぐから

好きな女と、結婚する💢💢

とか叫んで大変だったわよ。」



「知らなかった。」


「それにね龍祐には、ホントに

好きな彼女がいる

みたいなのよ。」


「え?彼女ですか?」


「ほら女優の、

山瀬和花(あいか) よ。」

美優は、テーブルに身を乗り出して

羽奈の生クリームをポイッ

ひとすくい口にしてペロッ


「え?本当に?あ💦私の食ワレタ」


「知らないの?今TVでも、

週刊誌でも、見てみなさいよ。



オーストラリアで日中から手繋いで

デートしてるわょ。」

そう言ってパンケーキのチョコバナナを羽奈の口にポイッ


「しっかり食べな!」


そう言いながらスマホを見せて来る。

「見る!ほらライ〇ニュースでも

やってるし」


「へ、へぇŧ‹”ŧ‹”、見せて先輩!」



まぎれもなくそこには

しろいニットの下から金の分厚い

ネックレスが見えて、

黒いジーンズに、サングラスをした、ワルッポかっこいい龍祐が和花と腕を組んで仲良く歩いていた。


めくりあげた

腕には羽奈の歯形が紫色になり

見えている。

そして‥仲良く見つめ合い

夜の街を歩く2人が鮮明に

写つていた。


「見て見てこの歯型

大型犬にじゃれて噛まれた

らしいよ!凶暴だね。

飼い主に似るのかな?凶暴アハハハハ」



「ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、

大型犬で・・すか‼

可愛がってんのかなぁ?」

白々しく羽奈はこたえた。


「さあね!

噛み付く犬なんか

もう誰かにあげちゃうかもよ!

こんなに凶暴ならねアハハハハ」


「ですかねぇ~(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

犬じゃないと思いますけど・・」


龍祐は何故、私をマンションに

入れたのだろう。こんなに可愛い

彼女がいるのに・・・



電話をしても出ないし!

かかってもこない。


どっちが彼女でどっちがあそび?

私、此処にいる意味あるんだろうか?


朝のテンションが急激に下がる。

先輩と又会うのを約束して別れた。


そして日曜日の朝

龍祐は帰って来た。

凄く疲れていたから問い詰める事は

止めた。


お風呂に入れて、朝御飯を準備した。


「オーツ旨そう。」

切り干し大根

玉ねぎと、トーフと、揚げ、野菜の

具だくさん味噌汁。


焼き鯖に

漬け物。


「いやぁ疲れ吹っ飛んだ。

急にオーストラリアになって、

パニックだよ。


ヤッパリ日本人は日本食だな‼」


10月の風は台風も接近していて

少し荒れてきていた。

龍祐は外を覗き込みながら天候の

心配をしていた。


窓からは

まるで私の気持ちのような、不安を

掻き立てる風景が広がった。


「オマケに電話なくすし、羽奈に

連絡取れな いし、参ったよ。」

(ああ、それでつながらなかったのか?

羽奈は納得した。)


「どした?心配してくれた。?」


龍祐は少しニヤついて聞いてきた。


羽奈は

「ううん…心配してないよ。TVや

雑誌で頻繁に報道されてたしね。

日本食が好きなら女の子も日本人?」


「何だぁ、そりゃ~

日本人ってか羽奈だな‼


そうなのかぁ。

じゃあ急に行き先 が、

オーストラリアに変更になったの

知ってる?」


       「うん。」


「はあ~マジかぁ!!

俺一般人なのになぁ」


 「見られたらマズい事でも?」


「別にないよ。なに言ってんの?」


「随分楽しそうだったんじゃない。」


「そうか?外国に行けばあんな風だよ。」


「マジッ。」

羽奈は驚きながら叫んだ。


「うん。おかわり大盛»»」


龍祐は体格がいいから人の三倍は

軽く平らげる。引き締まった身体を

保持するため

ジムに通ったり、走ったりもする。

多分海外でもやっていると思う。


女の子達がほっておくハズがない。


自分の中で、えらい男と

付き合ってると思う。



大龍 龍祐、お前の本カノは、

だれ?

オカワリを差し出しながら

(✧"✧)きいてみたい。


龍祐、アンタの本カノ誰?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る