第21話 龍祐の愛の確認。

「あ、ああ そうだね?ハハハ

ウッカリしちゃった!」

羽奈は、慌てて水を止める。


羽奈は確かに惑っていた。

龍祐からも離れないといけないのかとつい思ってしまう。


「今日は、食べに行こう。

明日休みだろう。」


       「うん。」


指でも切られたら大変だ。

俺は車を出し、たまには遠くの

レストランへ、この間TVで、

やっていた隠れ家的な

雰囲気のある所で、カナダに出す

新店に生かしたいと思った。


PM15:00に出て16:00着

街から一時間、ちょうどいい

ドライブコースだ。



チラッと羽奈を見たけど元気がない。


「羽奈知らなかったよ。」


「う・・・なにが?」


 「羽奈って俺と離れるの

  そんなに嫌なんだな。」


「え?まっさかぁ仕事・・

 でしょう。大丈夫だよ。

 従業員いっぱい、抱えてる

もんね!

 頑張って。ご苦労様だ‥ね。」


羽奈の手をさすりながら聞いた。


「羽奈、俺は羽奈と

 合った時からずっと好きなのは

知ってるか?」


羽奈はコクコクと頷いた。

  「じゃあ羽奈は?俺の事

   好きなのか、嫌いなのか?」



羽奈は俺の目をみてポロリ、ポロリ、と涙を落とした。


「言えない。」


    「言ってくれ。」


「龍祐は大龍家の跡取りだよ。


ご両親が許す訳ないじゃん。

然るべき良家の令嬢と結婚するよ

また私から離れるし、泣くのは嫌よ

友達がいい、別れなくてすむ。」


   「じゃあ、好きなんだな?」


「好きって言えないよ。」


   フウ~ッ「言ってくれ。」


「私、マンション出るよ。

ずっと考えてた、

龍祐が向こうに行くなら、

丁度いいよ。

このままで良いわけが無いって‼」



      「別れるか?」


「付き合ってないから

その質問は無しでお願い。」



   「別れるんだな?」


龍祐は車を止め外に出て煙草に火を

付けた。後ろ姿もかっこいい。

彼はモテるはずだ。

なんで私に執着するのか

分からない。

彼と、付き合いたい女性は、

沢山いるはずだ。



龍祐は煙草を吸い終えて

ほのかなタバコの香りを纏いながら

決心したように車のドアを開けた。


「羽奈タクシー呼ぶから、お前は帰れ食事はどこかで取ってくれ。」


「龍祐はどうするの?

お腹空いてないの‼」


「腹なんか減らないよ

羽奈は、ちゃんと食べろよ。

今日は、帰ら無いかもしれない。」


そう言うと、お札を羽奈に握らせた。


「飲みにいくの?誰と?」

真っ黒い瞳で覗き込みながら

羽奈は、聞いてきた。


「羽奈、それ君に言わなくても

良くない?

俺の勝手だろ!

飲み友達なんか沢山いるし💢💢

笑笑」


「女の子?」


「多分女の子も誘うな‼

羽奈に許しを貰う言われも無いし

勝手に遊んで来るワ」


「え、あ・・うん、そうだね💦

分かった。

楽しんでおいでよ。」


羽奈は、お札を握りしめ車を下り

ると、お金を車のワイパーに挟み

歩き出した。


今にも泣きそうな顔を龍祐には

見られたくなくて走った。



ハンドルに頭を預けてうなだれて

いる龍祐は気づかなかった。


どれだけ時間が過ぎたのか

辺りは暗くなっていた。

エンジンをかけライトを付けると

お札が見えた。


「え?は?」


羽奈は金を受け取らなかった。

多少のお金は持っていた

だろうが‥‥




心配になった龍祐は慌てふためいて

車をとばした。

電話にも出ない。着拒になっている。



考えれば分かる事だ

羽奈は泣いてたじゃないか。

あれが答えだ…。


全く羽奈の意地っぱりさと

俺の鈍感さに呆れ帰る。


30分走ったが羽奈はいない。

一応マンションまで返ってみたが

羽奈は居ない。


「羽奈め!!大龍 龍祐を

舐めてんのか!」


龍祐は護衛を付ける事はないが

普通社員と同上に会社専用で

護衛20人は雇っている。

海外に行く時は、

何時も一緒だ。集合をかけ、

捜索した。


一時間程で羽奈は見つかった。


公園の木の下で靴を脱いで眠って

いた。


ハア~っ

「危ないだろ‼

何月だと思ってんだよ‼」


羽奈の靴擦れした足からは血豆が

できて傷もあった。

薄着でいたせいか体がヒンヤリ

している。


「全く本物の強情者め‼」


抱き挙げて車に乗ると、龍祐の

特別班は解散していった。



羽奈は俺に抱かれて眠るのが好き

なんだな。

俺と、離れてみろ二度と

抱いて寝てあげないからな‼

コツン

羽奈の富士額を撫でながら

デコちんを小突く。


羽奈が目を覚ますまで

抱いててやるよ。

なんか小学生みたいだな。

ふふっと可笑しくなる。


めんどくさいな、この女。

フフッ


陽太と別れた羽奈もこんなだったな。

小さくなって、儚げで今にも倒れ

そうなのに

頑張って立って歩いていたな。



バカだな羽奈を、俺が手放す訳

無いだろ。

こんなに惚れてるんだから‥




ドクン、ドクン、ドクン規則正しい

血流の音がする。羽奈はこの音が

大好きだ。


龍祐?そうか、別れたんだっけ!!

心臓の音、録音しとくんだったな。


「龍祐。」

       「ん。何だ。」


「ホントは、。

蘢祐愛してるの。しらなかったの?

龍祐がいないとどうしょう。

また一人ぼっちだよ。

どうしたらい い。?」


「羽奈は強いから、

 一週間ぐらい大丈夫だろ。?」


「うん。大丈夫‥、強くな‥るよ。

なる。

   グスッ‥

寂しい、行かないでなんて‥

龍祐愛してる・・・

なんて言えないじゃない。」

グスッ、グスッ


   ん・・・(待てよ?一週間?)


羽奈は涙がペタリと止つた。

「羽奈、それがききたかった。

意地っ張り‼」


(一週間って7日間!?)

思わず龍祐は、嬉しさのあまり

羽奈を抱きしめ過ぎた。


「ゲホッ、ゲホッ、ん!???」

羽奈は、夢うつつの寝てるのか

起きているのか分からない。


バッと顔を上げた羽奈は心臓の音も

ぬくもりも、あの声も、夢物語では

無い( ☉_☉) パチクリと、目を覚まし

顔を赤くした。


      「龍祐?」


「帰るぞ羽奈、羽奈の告白も聞いた

し腹減ったな。レストランはまた

今度な!!」


上機嫌な龍祐に抱き抱えられて

後部座席にいた。


運転席に移動した龍祐は振り返り、

ポンポンと、助手席を叩いた。


気まずそうな羽奈も助手席に

スゴスゴと移動した。


運転しながら、チラチラ、チラチラ、

羽奈をみっめては、白い歯を見せ

浮かれ、上機嫌、鼻歌まで

歌っている。



「あれ?飲み友達は?

どうするの?

いっぱいいるんだよね女の子!」


「Σ(ㅎωㅎ;)えっ💦」


「いるんだ・・・」


「いない、いない誰から聞いた?

そんな嘘‼

寝惚けてたんだろ?

馬鹿だなぁ!アハハハハ💦」



「自分で言ってたじゃん。

いっぱいいるって

それに今日は、帰んないんでしょ。

私一人で何しょうかなぁ~」


「言ってないって笑(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…案外執念深いのな‼」


「飯💦、炊いてたよな。

今日は鍋にしょう。」     


「o( ̄ ^  ̄ o) プィッ!。」


「羽奈~

悪かった‼ヤケになってました。

ごめんなさい‼

俺にごめんなさい言わせたの

お前だけだかんな!


覚えてろ!今日の夜は

キャンキャン言わせて

やるからな‼」


「キャンキャン?」


「(〃ω〃)マジにとるな!」

龍祐は、イケメンな顔を赤らめ

運転していた。

(やっぱり龍祐は凄い。やられた。)


もう白旗だ!龍祐のため頑張る!

素直になる。


羽奈は、この人は本当に私を愛して

くれている。そして羽奈の愛も走り

出していることに気ずいた。


もう遠慮しなくて彼を愛したい。


羽奈が風呂に入る間に龍祐が食事の

用意をした。羽奈はそれから龍祐に

ベッタリになった。

母が父親にベッタリなのを呆れてい

たけど母の気持ちがよくわかる。

一時も離れない!


羽奈も母親以だと痛感した。


龍祐は羽奈の変わりように

驚いていたが今までは距離を取る為

我慢してたんだなと愛しく思った。


眠る時が、唯一甘えん坊タイム

だったんだな。


「羽奈、今日は俺の27歳の

誕生日なんだ。」


「‥マジでっか?」

   


「うん。プレゼントは?」


「・・・は?

ごめんなさい。用意してない。」



「マジでっ、ハァ~彼氏の誕生日

知らんの? 」



「さっき彼氏になった

ばかりじゃん…」


「金はあるから品物は要らない。

欲しいものは一つだ。」


「何が欲しいの?なに?」


   「羽奈が欲しい。駄目か?」


「いいよ、彼女だし

もう龍祐の物だよ。

龍祐も私の物だよね~。」


明るく笑う羽奈のリアクションは

中学生並・・・じゃなイカ?

ハッキリ言わないと彼女には

伝わらない気がする。


「ん・・・ちょっと違うカナ?

男として羽奈が欲しいんだ。」


Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッ…へ?男


うんうん(◍•ᴗ•◍)うん



「男って?・・つまりは、その、

あれよね。」



 「他のプレゼントなんて

要らない。」        


「・・・ 本気?∑OωO; 💦   ‥」


       「 大本気!! 」  


「ネクタイは?」



  龍祐は

「ブティック してもいいほど有る。 もらったままでブランド物ばかり。」

                    

と、胸をはって冷えた笑顔を見せた。

      

   「羽奈愛してるよ。」


「う、うん。

分かってる!」




羽奈が、頷くと龍祐は羽奈を

押さえ込んだ。


「ま、待って、ちょ、ちょ、

📣 ちょ━━━━━っと 待ってよ。」

   


「嫌だ待たない。

羽奈の気が変わる前に、

 ヤる。」


「私、ヤッパ無理。」


    「俺が嫌なのか?。」

          



「ち、違うの、私旦那さんになる

人を裏切れない。夫になる人と

しかしない。

 たとえ龍祐を愛していても。」


「なら!大丈夫だ、羽奈を誰にも

やらない! お前の夫は

大龍龍祐、俺だ!! 」



「ちょ、ちょ、ちょっと待って、

龍祐、龍祐、ほんっとに、は、

初めてだか ら怖い。」


 「は?怖いって!お前おいくつ?」

       


「24、・・・💦」


「マジでっ、ハァ~マジかよ。」

    (;-_-)=3

と龍祐は面倒臭いって顔をした気が

した。


「もういいよ。

龍祐嫌いだから、( ˘ ˘) ツーン」

と羽奈は拗ねてみた。


「羽奈、馬鹿だな。俺は喜んで

いるんだよ。

   ありがとう!羽奈。」

       

羽奈♡♡♡♡



「じゃあ、まかしとけ。

話合えばわかる。

 理屈が大事だ。」


羽奈はじっと俺を見た。


「だっ、だいたいプレゼントって、

彼氏の場合、一番欲しいのを貰い

たい訳 で、なっ!! 

分かるか?だから羽奈が欲しいんだ。

なっ‼(//∇//)

分かってくれたか?」



と言っても羽奈は不安な顔をした。

「女なら一度は通る道だ!

インフルエンザ

だ、だいたいかかる。」

  インフルナラ男モカカルンジャ?ナイ。


余計嫌そうな顔をした。

「じゃあ、明日蟹三昧だ。なっ!!」


じゃあじゃあ明日の朝から


◯戸牛だ

◯毛和牛

ステーキなっ


いよいよ、不振な顔をした。


よしよし、俺が甘かった。


羽奈だけに痛い思いはさせない。



龍祐は羽奈の唇を震える親指で

開けると

羽奈の綺麗な歯並びを確認した。

そして、噛め…と言おうとしたが

殴れに変更した。



「は、は、は羽奈、痛かったら、

痛かった時


は、そ、その、あ、あのな


‥殴っていいぞ‥。」


「どこ‥を??龍祐の?」

首‥を‥


「クビ?顎?」


羽奈は首から顎を舐めるように眺めた。

「いや肩を、お、俺の‥」


「龍祐の‥???」


「肩!肩!肩を殴れ!! 

!首は止めてくれ!」


羽奈は綺麗に整った歯を

•̀.̫•́✧キラリと光らせ


「殴ればいいの?ガッンと👊‥」


「わ、わ、わ、わからな        いけど‥気は             まぎれるんじゃないか‥        な?た、たぶ‥ん

俺も痛みに耐える、だから

羽奈も頑張ってくれないか?」



「そんなに痛みこらえてまで

 やらないと、いけないの?

 どうしても、なの?」


「羽奈が僕のモノになって

くれるって証拠みたいなものだ      よ、約束事だ。」




羽奈も決心したように頷くと、

龍祐はそれ以上に決心したように

生唾をごくりとのみこみ頷いた。


羽奈の綺麗な歯並びが恐怖でもある。

:(´◉ᾥ◉`):ブルブル







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