第16話 DRAGON 男龍の指輪陽太編3話

クリスマスソングが流れ

イルミネーションが点滅し始める頃、


街は恋人重視の趣(おもむき)に

様変わりする。


沢山のバイト、サンタクロースも

街に色を添えて段々と忙しくなる。

御宮司グループも奏の時と同じょうにクリスマスと忘年会をかねて某

ホテルでパーティーを開く。


海外に支社をもつ、本社としては

家族を呼んで、クリスマス

パーティーを楽しむそうだ。


陽太はパーティーに誘ってくれたが

彼は主催者側なので一緒にいられない。

婚約者と言っても結納をしたわけ

でもない、口約束で何となく

そんな感じ、正式なプロポーズは

未だしてもらえない。。


だから今年は陽太と話し合い

来年は参加で今年は、

実家で過ごす事にした。

12月15日


朝から電話がなり陽太は京都へ向かった。

病院関係の事もあるのか大変そうだ。


久し振りに格安アパートに掃除に

帰った。

アパートにつくと、三歳の

真穂ちゃんが外で遊んでいた。


「真穂ちゃんどうしたの?」


いつも母親にベッタリなのに気に

なって聞いてみた。


「羽奈ちゃんお兄ちゃんは?」


「ん?陽太に用事があるの?

お兄ちゃんは(陽太)今京都だよ。」


幸江さんが(真穂ちゃんの母)、気分が悪いから真穂ちゃんは駆け出しの医者の陽太を待つていたらしい。



真穂ちゃんの手を取り、慌てて

部屋に入ると

幸江さんがソファーでグッタリ

していた。


「陽太は京都だし、・・・どおしよう。」


タクシーはお金かかるし、


幸江さんは苦しそうだ!

急いで救急車を呼び運んでもらった。

過労だった。点滴を打ち

二時間くらい様子を見て

タクシーで帰り部屋に付くと

一安心。


ゆっくり寝かして、

ジャガイモ、カボチャ

鶏肉を入れてチーズもタップリの

グラタンを作った。


夕方様子を見に部屋に行くと

幸江さんは出勤の支度をしていた。

びっーくりして止めると、

稼ぎ時なのに人が足らなくて、

休んだりしたらクビになると言う。


出勤さえすれば何とかなると言うし。

ほっとけなくて、悩んだけど

真穂ちゃんもいるし、

無理させられない。ホテルの仕事で

固い接客しか経験無いけど、店に頼

んで代わっていいかと了解を取った。


渋々だが救急車で運ばれたと

言ったら了解してもらった。


美味しいお酒の作り方を習いメモを

して少し厚化粧をして、

ドレスを借りる、いざ出勤。


そう幸江さんは、大人気のキャバ

嬢でした。

幸江さんほど店に貢献出来ないけど

やるっきゃない。


今日と明日羽奈はキャバ嬢体験。

情けは人の為ならず。

いっもおばあちゃんが言っていた。


「羽奈、人にしてあげた事は

 必ず自分に帰ってくるんや

 してあげたと思わずさせて貰う

って思う んやぞ。ええな!!」


情けは人の為ならず。

人の為じゃなく自分の為になる。

バーちゃんからの教え‼


よしっ気合いを入れて自転車をこぐ。

何度か酔っ払った幸江さんを迎えに

行ったから店は知っていた。


    LUXURIOUs ROSES

  (豪華な  バラ)


硝子張りのホールには名前通り

豪華な薔薇が沢山生けてあつた。


いかにも高そうな店には幸江さんの

写真がデーンと飾ってあった。


(幸江さんって凄い人だったんだ!)

更衣室で着替えて皆さんに2日だけ

とご挨拶をした。

皆さん気さくで、頭よさそうだった。

高級感満載みんな、

お姫様のようだし綺麗(〃 ̄)-~ポ-。


「百合こっち」


呼ばれたのにポカーンとしてい

いると百合、と又ボーイさんに呼ばれハッとする。

(やべー源氏名だった‥奏が百合と

言ってたのを、思い出し百合と名乗った。)


呼ばれたテーブルに付くと

えらそうな若僧がふんぞり返っていた。

50~60の、オッサン達がご機嫌を

伺っている

(虫の好かない野郎だ!)


そう思ったが、お客様だし仕方ない。


話を聞きたく無いけど、聞こえて


くる。

羽奈は、酔っ払ったドッカの

“ぼんぼん“が

おじさんたちに説教始めたので


アララララwww

「人生の先輩方に説教とは随分

 お偉いんですね~


 それともカルシウム不足?」


羽奈は手を上げて


「ミルク、濃厚な奴う~。」



と、ビールでも頼むように

ボーイさんに、手をふった。


ボーイさんが飛んできて平謝り

店長、マネージャーが出て来て

又平謝りしていたが “ボンボン“ は

ドッカーンと足を広げ前屈みになり

百合を鋭い目で押さえ付け


と怒鳴りつけ羽奈に財布を投げた。

財布は羽奈の胸にバシ━━━━ン

と、当たる?はずが・・・


羽奈の回しゲリでバサバサバサ

幾つかの万札と、カードが

散乱した。


「フンッ ザマア 」ニヒヒ


「オイ((`△´))ゴルァ!」




「謝るなら今の内だぞ!」


羽奈は何の事やら分からず、

キョトンとしていた。

「あやまる?何を?

回避しただけですぅケド?

キャバ馬鹿にすんな!」

と百合は片足を椅子にあげ綺麗な

太モモまでドレスを捲りあげ

一喝!


「おうし、生意気な女だな‼

早く牛乳買っちコイ」(✧"✧)


バタバタと、彼のお付らしい

人物が財布を拾い上げ店を出た。


彼もシャツのボタンを外し鍛えあげ

られた体を披露した。


「おい‼生意気な奴、

俺と飲み比べだ、謝っても

もう遅い‼

俺に楯突いた罰はハハハハハ

分かってるな‼💢」


ヒーュ。ウオーッホー

彼が脱いだら歓声があがる。


腹筋が割れてスポーツマンとゆう

のは良く分かった。


よく見ると白い歯並びのいい

日本男子的な、目が鋭い鼻の高い

イケメンだった。


(どっかで合った気がする。

この傲慢なふ んずりかえった

態度何処だっけ?)


牛乳がテーブルにドンドン積まれ

てゆく。


「は?

あんたと勝負?

私が?本気?」


彼はニンマリと笑い、そうだと、

言わんばかりに頷いた。


「いいわよ。勝つたら分かってん

でしょうね💥💢💥」

羽奈は、ジャンプジャンプ

肩を上げ下げ指をパキパキマラソン

前の様な準備体操


それを見ていたボンボンは、

「益々生意気な女だ‼ムカつく‼

鼻っ柱へし折ってくれる‼」


二人は顔を近づけメンチ切る‼



ビールジョッキーに並々注がれていく牛乳がドンドンドンドンドン

テーブルに並ぶ。



彼は、牛乳ジョッキを見ながら

ニャニャ


羽奈もドレスの上を脱ぎ

ブラだけになり豊満な胸を披露した

中途半端な喧嘩は笑い物‼

やるなら相手と同等


「かかってコイヤオラオラオラ」


回りからは、歓声が上りまくった。

ヒューヒュー



オオオー!

ヒューヒュ!

脱ぎかけのドレスはウエストで止まり羽奈の豊満な肉体が男の目を

引き付けた。


オーオオオー

美しいー綺麗だーヒュヒュー


準備OK !! 後はGoサインを待つのみだ。


バチバチバチと火花があがる。


「赤いドレスに、白いレースのブラか。 俺好みではあるなニヤニヤ。」


「でも!! 俺は女体には騙されないぞ

 甘く見られたもんだ!」


彼は鋭い眼差しで羽奈を見据えた。



「ふん! どこぞの、ボンボンかは

知らないけ ど文句は、勝ってから

言えや。

アンタと、同じ条件にしたまでだ‼

女と思って甘く見るなよ

何処ぞのボンボン‼」


  彼はニヤニヤしながら

 「俺が勝ったら一夜の妻になれ。」


「ふん、まず勝てや!! 

話はそれからよ、

でも、オジサン達をこきつかうなや。

 さっさと家族の元に返せ・・・



 毎日電車通勤で、疲れとんじゃあ~お前もやってみい。


 さあ、やるの?やらないの?」


彼は一瞬目を大きく開いた百合は

睨みつけながら

「大人しいと思たんか?

 残念やったな。ボンボン。牛、

引っ張って来ても、エ•エ•デ•!! 」    


睨みあいながらビールジョッキーに

白い牛乳が又注がれていく。


ゴクゴクゴクゴクプファ

一杯、二杯、三杯、と進んでいく。


8杯目にとうとう奴がダウンした。

白い液体が ♡ーライオンみたいに

ぴゆーっと飛び始めた。


羽奈は牛乳農家に申し訳無いだろ

「消化しろ!

口から出すな‼」

と羽奈は怒鳴った。



「酒はなんぼ飲めてもー

乳は飲めんのか━━━━ッ

ウップこのォ根性ナシめ‼ウップ」



彼が負けたのは、飲み比べの前に

ビールを腹一杯飲んでいたからだ

ろうケドニヒヒ百合は計算済みでの勝負、反則かと言えば反則。



しかし羽奈も限界を越えていた。

あいつがトドなら


羽奈もトドだろう。

ドレスを元にもどし、タプリンとし

たお腹を抱え席をたった。


奴は、お付きの男達に抱えられて

ぴゆーぴゆーしながら帰って行った。

その滑稽な様子はSN☆で配信され


LUXURIOUS. ROSES の、お店は

全国の知る所と成った。

ママチャリに後ろに12本前に、

四本残った牛乳を詰めて帰った。


アパートの住人たちに、

2本づつ配ると残りは4本もあった。

牛乳アイスや

色々使えて嬉しい。


幸江さんはすでに動画も見て

喜んでいた。「首かなぁ」と言うと


幸江サンはゲラゲラ笑いながら

「まさか、ただで宣伝出来て

ラッキーよ」


と言っていた。

次の日店に行くと満員御礼だった。


あの大龍、龍祐を負かした赤い宝石を目当てに、龍祐の友達の若社長たちが百合を目当てに見に来ていた。


百合は別名、豊満な白バラとも

呼ばれていた。


「ヤバい!こんなに来るとは。」


厚化粧に余念がなく、ぬりまくる。

塗って、塗って又塗って

羽奈と分からないように

父や母、妹バレは避けたい。

厚塗りの上塗りしかない、笑アヒャヒャ


それからなるべく

控えめにすごそうと思った。


しかし顔は割れており・・・

皆が騒ぎだす。


「おっ、きたぞ赤バラだ。白バラだ。」

と歓声があがった。

の中で一際デカイ声で

「百合、百合、」と呼ぶのは、

 大龍龍祐!!


「い、いらっしゃい。叉勝負かけに

 きたの?牛乳じゃたりねーの?

今度はなに?」


冷えた笑顔で話かけると、彼は

ポンポンと膝を叩いた。

クビを傾けると

彼のお付きがドンと押して

  抱っこに、なった。

(イヤイヤ🐨じゃねーんだけ

どオイ、コラッ。)


龍祐は私に、

「俺の嫁にこい。いいな。」

羽奈は絶句した。


「命令かよ。お代官様じゃん。

 私は貧乏人の町娘じゃね一一し

 そりゃ~金ないけど。」


彼は腰をホールドしたまま離して

くれない。

彼の友人は多いらしく、

沢山の人がやってきた。


写真もバチバチバチと取られ

厚化粧で分からないとはいえ妹達に

バレ無いことを祈る。


大龍さん、あのぉ私ヘルプなんで

回らないといくないんですよ。


「大丈夫!大丈夫!」

「大丈ぶないです。チョー

新人だし。」


「俺が大丈夫ってんだよ‼、

大丈夫!」

      

  「ハイハイ、そーなんすか。」


「おい御宮司はまだか! 

∑(OωO; )ゲッマジ?


いっまで待たせる気だ!」


「げほっ、げほっ」

(まさかの御曹司つながり?アーッ

思い出した。あの日すねやんといた

目つきわるな男、アイツお前か!

確か、大龍 龍祐?‼)


すると向こうから見慣れたスーツの

イケメンが女の子とやってきた。


(あの子、ゲホツ、花香さん。)


「や一っと来たか、いつまで

イチャイチャしてるんだよ。

百合が待ちくたびれてるんだぞ!!

 謝れよ。」


(へ!! いや待ちくたびれてねーしっ)

陽太の隣には、可愛い笑顔の花香さんがいた


「おまいら、ソロソロ結納だろう。

 いよいよ先越されるな。

だけど俺も

 百合と言う宝物をみつけた。

 自分の妻は、自分でゲットだ。」


「昨日からSN☆で、花香と穴が開く

程見たよ。ナア花香。」


「ウンウン、凄く綺麗ですよ。」


「おい、百合何とか言え。」


  「チラッ‼ ハア、どうも。」

百合(羽奈)は顔を下向けて右手で

顔を隠しモジモジしているが

頭はフル回転

(2人昨日から一緒?どうゆうこと。)


百合は又ハンカチで顔を隠しながら

陽太に、聞いた。


「ご結婚されるの?」


花香が「今日結納でした。」


「(( ̄▽ ̄;;)ア、ハハハハ…

そうなんですか、

おめッ・・でとうござい ます。

良かったですね。」ハハ‥八ァ?


 「陽太には好きな人がいたみたい

  ですけど遊びらしく、

  なら、許してあげようかなぁ

って。」


「ヘ、ヘエ、アンタ悪い男ですね。」

早く席を変わりたくて

龍祐の、すねをグリグリ、パンプス

のかかとで押して見るが、イテ

で終わった。


陽太はウイスキーをゆっくり

呑んでいた。

笑いもせず、静かに。


羽奈といる時は発泡酒しか

口にしないのに・・・

高いお酒も飲むんだ‼

羽奈に合わせてくれていたのか?


・・・ラブラブなムードな二人を

見るのはSHOCK


ふと指を見るとごつい龍祐の指に

ドラゴンリングがはまっている。

羽奈は、たまらず


「龍祐これどーしたの?」


龍祐は良いだろう。北海道に行った時買ったんだ!」

      「いつ?」

「去年の12月イブの後かな?」


    「イブのあと?」


「サイズも合わないだろ‼

彼女欲しがってるし

あげれば?」


陽太が譲るように援護射撃してくれた。

 

「フフンそれがぁ~見事に俺に

ピッタリだ ったんだなあ、

コレが。

オーダーしたみたいにサ。」


 ドヤ顔の龍佑はふんぞり返って

羽奈の目 の前で指輪をチラッチラッ

と見せて来た。


なんか女の子が注文してたけど

取りに来なかったから買えた。

売れ残りってやつだアハハハハ


その子はレプリカを持って行った

って言っ てたなあ。」


(そうだった‥お嬢さん来年本物を

あげるよそれはレプリカだからね。

彼氏とおいでね。

女の龍は本物だから五万でいいよ。

来年必ず来るんだよ。

お金はいらないからね)

そう言われたっけ‥


奏と、別れたからかレプリカの指輪

は羽奈の大事にしていた

宝石の入っていない宝石箱から

姿を消していた。


だから本物が出たら

消えると、言っていた店主の

言葉通り持ち主が現れたと思った。


と、言う事は女龍は彼に

渡さなきゃいけないの?


「大事にしてきた指輪だから

あげたく無いなぁ」



いやいやこれも又別の番の

指輪かもしれない。

大龍 龍祐の指にドンと、いかつく

嵌められた龍は確かに

レプリカより凄みがあって勇ましい

本物の貫禄充分の品だ‼

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