第14話 御宮司陽太編↱1話


奏にバイトは駄目と止められて

一カ所しか行かなかったが、

別れた今は奏の意志なんて関係無い。


あんな野郎養う為の節約の苦労は

無くなった。


バイトの面接を終えて駅に向かう。

すると御曹司先輩がいた。


羽奈を見つけると手を振った。

「羽奈!羽一奈。」



どうやら待ち合わせの相手は

羽奈らしい。


「どうしたんですか?」


「待ってた。

俺腹ペコちゃんなんだよ。

飯付き合えよ。」


腹ペコちゃんの、割には海沿い

まで一時間もとばして、高そうな

レストランに入った。


(ヤバい。2千円しかない。)

羽奈は👛財布の中身を確認する。



入ったレストランは超高そうで

クラクラした。


「センパーイ先輩。」

        「なに?」


「私、お腹いっぱいですから

先輩だけ食べてください。

デザートだけ頂きます。」

羽奈は財布の二千円と相談して

決めた。

⇳「«マジでっ!!腹いっぱいなの‼»」

      

先輩は、残念そうに呟く。

羽奈はコクコクと頷く。

奏の時も羽奈と割り勘だったから

男の人が出してくれるなんて

知らなかった。


家でも羽奈が家計を預かって

いたから奢って貰うシステム

を知らない。


しかも御曹司の奏を自分のお金で、

食べさせていたぐらいだ。


御曹司先輩は料理をイタリア語

で注文した。


見ればヨダレ

でたー   カニ!

旨そう。


でたーっカルパッチョ

    ヤバ旨そうД



でたーっペスカトーレ

コレは、はずせないよね。わかる~



先輩はパクパクとズルズルと

ゴックンと旨そうに食べた。


羽奈は生唾ゴックンバレ無いように

気を使う。

(💡(⊙◇⊙)⚡ピコーンあっ‼そうだ!

羽奈は何やら名案が浮かんだ。


腹、減ったら炭酸で

お腹膨らませば多少ガマン

出来るってきいた。

30分くらいはもっかな?

よし‼)


「先輩自販機で炭酸買ってきます。」


「なに飲むの?」

        

  「ファン〇オレンジ。」



先輩はボーイさんを呼ぶと頼んでくれた。

¥600もする奴


まあ2千円あるから支払いは大丈夫。

でも、デザートが食べれなくなった。



先輩は

「食べなくて大丈夫か?」

と聞いてくれたが「大丈夫。」

と答えた。


普通の女の子なら

「せんぱ~い❤

カニ食べた~い、大好きなの❤」

って言うハズ‼

然し羽奈はそんな甘えた言い方

知らない。


炭酸のお陰でお腹の虫は何とか

騙されてくれたみたい。



シーザーサラダが¥2500

先輩が食べると本当に美味しく

見える。


口いっぱいに唾液がたまる。

溜まったヨダレを

炭酸で流し込む。のくりかえし。

ア~腹一杯。先輩はデザートまで

食べて狸ちゃんだった。


会計の時600円を渡したが

受け取り拒否された。



やっと帰れる喜びを味わって

いたが先輩の車は海沿いで、

止まった。



「先輩ワタシ早く帰りたい。」



もう、お腹が限界で車の中で目を

回した。

昨日の夜から食べて無かったから

気分が悪くなった。



医学部の先輩には顔色悪くすぐ

バレて、家に送って貰った。


ボロいアパートを抱きかかえて

上がってくれた。



「お前を慰める為に連れて

行ったのに・・・」


と囁いた。



先輩は急いで車を走らせどっからか

テイクアウトの豪華な弁当を

持って来た。


デートで女に払わせたことはない!!

としこたま叱られた。


「初めてしったー」と言ったら



「奏は払わなかったのか?」


「^^私がはらってた。;」


先輩は溜め息をついた。

=3


あれから学食が増えた。

自分一人だからそれでいい。

ちゃんと食べよう。



一人で食べていると必ず、彼

がやってくる御曹司せんぱい。




羽奈今日俺とデートだ。

5時な!




「ヤラ!」


わざとうどんを

チユルチユルすするとピッと

汁が、先輩の顔に命中。

ニヒヒ



御曹司先輩彼は怒る事無く

優しい。



「う…ん、羽奈、前々から言おう

と思って たケド、御宮司、

御、宮 だからな。」

うどんの汁をハンカチで、

拭きながら


「まあ御曹司でもあるけどな。」




「へっマジ?」


(ながったるい、如何にも歴史有り

ます的な苗字、いやあ、

早く言ってよ~今更インプット

された、名前は、取り消し

大変なんだワ。)



12月があっという間に過ぎ

1月 2月 3月が駆け足で過ぎ

私達は大学生活2年目を迎えていた。



奏や幸寿朗君や端暮君達は、相変わらずモテていた。

奏はマンションを引き払い

実家住まいらしい。



あれから記憶を無くし

自分をやり直してると聞いた。



奏もう貴方との未来は無いんだよ。

あなたが、私を好きだと

言ってくれたとしても、

心には響かない。



「先輩。私達付き合ってませんよね。

 デートは変ですよね?

 男はコリゴリなんです」



「おう。

飯食うだけの仲!な。

何食う?」



「じゃあ、行こうかな。奢り?

お、ご、り?」

羽奈は、確認する。

先輩の連れて行くお店は高い。


 

「あぁ‼、俺の

お、ご、り、17:00時な。」


羽奈の親子丼の残りを

ジュルジュルと

かきこみ先輩は、学食を出て行った。


「クッソ~最後の鳥肉

食われちまった〰w」

( ー̀дー́ )チッ


どこにいたのか咲良と莉子が

 「やった!先輩嬉しそう。」


「莉子、咲良あんたたち、

結託してるでしょっ。」


現れた二人を睨んで見る。



 「羽奈が前に、進むためだよ。」


二人はペロッと舌を出した。


「先輩って、学生だけど

陶器の販売とか、事業しててね

  なかなか評判いいよ。」


「ヘエ~チャラ男だったのにね」


出会った雨上がりの

ライダージャケットを着て銀杏の

木に寄りかかりナメた口を聞いて

いた御宮司陽太と、今の彼は

別人にも見える。



 「チャラオ?聞いた事ないよ。

黒い宝石探しに、没頭してた

話が有名だけどね。」          



「見つかったって?黒い宝石?」


羽奈は残りのスープを、

ごくごくと飲み干しながら

きいた。



莉子と咲良は、「さあ~」


お前だよ。わかんねーの、

鈍すぎだろと言いたかったが、

先輩が告白するだろうから

莉子と咲良は、あえて何も

言わないでおいた。



17:00時

御曹司だから、

なに食わしてくれるのかな

🦀とか、イクラとか✺ウニ。

淡い期待を抱きながら彼を待つ‼


なんだろな?

まだかなーゴクッ (〃﹃〃)。


17:00時の約束なのに先輩は

まだ来ない。

    


ま、そうゆう日もあるさ。

諦めてドラッグストアに寄ろうと

自転車を取りに駐輪場へ向かった時

御宮司先輩がいた。


綺麗な長い髪がカールした

可愛い人といた。


「なる程、あれが黒い

ダイヤモンド?か👀」


「しゃないわ。

今日はデートか?

じゃあ飯は、キャンセルか‼

残念。」



もう18:00時になった。

自転車で格安アパートに帰る。

家には作り置きの総菜が

沢山冷蔵庫にある、

別にたべに行かなくても大丈夫。



ピコ~ン

「羽奈、どこにいるの?」

突然莉子からのライ〇


「家だよ。バレーみてる。」


「ハアツ、先輩あんた待ってるよ。」


「は?うっそお、黒い宝石さんと、

  デートだょ。見たもん。」



「それ、絶対ありえんわ‼。

連絡先教えるから

 連絡しなさいよ。」



 咲良はちょっと興奮気味に

 怒っておった。



直ぐ先輩に電話してみた。

「先輩デートじゃなかったの?」

             

  「お前と約束したのに

   なんで居ない。?俺

   腹へって死にそうだ。 

          

「・・・・・・また?」



「じゃあウチきます?(´▽`)ノ」


そう言って格安アパートまで来て

もらった。



      



「先輩なに食べたいです?」


    「何でもいいよ。」

羽奈の安アパートは家賃三万

ベランダ付き


話声は端から端まで筒抜け


あんまり喋れない。



五月半ば。外から野バラのピンクや

白い花がチラチラ見える。

防犯的には危ないが、危なくもない。

ベニア板で仕切られたような壁は

なんかあれば打ち破り助けられる

と言う利点もある。


どうやらみんな顔見知りのよぅだ。


羽奈は

「今日待ってたけど、デートかと

思って帰ったんだ。」


 とアッケラカンと言った。


「ハア~だれがだよ。-_-#」

       

羽奈は出して来た糠漬けをボリボリ

食べながら、熱いお茶をだした。



焼き塩サバと味噌汁とヒジキの煮物

料亭にでも務めれるぐらい

うまかった



「ご馳走様。」

お茶のお代わりを入れてくれながら

羽奈は「あの人が黒い宝石さん。」




   「だから誰の話だよ。」

        



「ほら駐輪場で話てた女性?

(ひと)。」

        

    「ああ、花香か?。」


「たぶん名前しらないけど、

 髪が長いひと。

 そんな感じ。」


       「幼なじみだよ。」



「フウ~ン、つまんないの。」

       

  「俺、好きな奴いるから

   勝手な噂バラまくなよ。」


「いるの?好きな子

なのに、

 ウチにくるとは‥

 しんじられなーい。」



 「羽奈が来いってゆうから

  来てやったんだ?」


「あっ、ソッカゴメーン!

 彼女に謝っててね。」



陽太は呆れざまに

「だから、片思いの子は

いるけど、お前の言う彼女は


居ないんですよっ💢

片想いってんだろーが‼」




あれから何日たったっけ?

奏はぼーっとした頭で考える(´-`).。o()

ベッドの上で、頭を抱え込んでいる。

羽奈を騙して、羽奈を平気で裏切った



     俺が??_?;


そんな度胸があったのか?


ふっと指を見る。そこには分厚い

金の指輪があった。


羽奈がくれた竜の指輪が無くなって

いる。

どんなに探してもみつからない。


今の俺は 浦島太郎 !!


キャリーバックには

羽奈が、着ないような、ど派手な

クラクラするような服が入っている


バックやコートも毛皮や金や

ダイヤモンド、ピンクピンクした

下着類 Tバック

ナンダコリャみたいな奴。



羽奈には、謝らないと

いけないが

合わす顔が無い。


あの 一花 とゆう女 化粧を

したら確かに綺麗だったが

ケバく、べっとりとして

気持ち悪い。


あんな女と、一緒にいたのか?


マジやめてほしい。


羽奈を苦労して手に入れた事を

忘れてしまったのか?


あんな女と羽奈を引き換えに


      手放したのか



俺をぶん殴りたい。

もう二重人格としか思えない。

エロな俺が支配していたとしか思えない。



羽奈、羽奈 羽奈

     馬鹿だ。



自分でも許せないのに、羽奈に

許して、なんて言えない。


羽奈と別れた事をあの日知った

一花はフランス行きがキャンセル

になったからと

別のプランを用意してきた。

宝生の跡取りとパーティーで知った

一花はますます、金金金となって

いた。



ブランド品のパンフレット

世界旅行


宝石店の、お薦め

体を使って、おねだり する。


俺は全く一花に興味が湧かない。

ってかキモイ


ウェ~、オエ~

我慢の限界だった。

一花が濡れた唇で吸い付いて

来たからだ、まるで🐙だ‼

ブンブンと顔を背けてるのに

吸盤のようにピタッピタッと

吸い付いてくる!。


ウェ~、オエ~

ジンマシンまでできた。


犬の鼻の方がどれだけ

可愛らしいか!!


こんなクソ女気持ち悪い。


本当に付き合ってたのか?

セフレとしてでもw有り得ない。


「ねえ奏、お寿司食べた~い♡

 あのお寿司屋さん、

美味しかったよね。

 いこうよ~。」



「悪い。お前とセフレだった事は認める、写真あるから本当だろう。

でも今の俺には、

お前が、…化け物にしか見えない。

 出来たらスッピンでいてくれ。」




      「酷い。」


「なあ、どうやって俺と付き

あったんだ?

 媚薬か?そんなのあるのか?」



「しっれいねっ、

あんたが出来ない

女と付き合ってたから、

こうなった

のよっ馬鹿じゃないの!!」




「俺,父親からカード止められて

 キャシュもほぼ無い。

 今からデートの時は一花が出して

くれ、それなりのブランドや服

 宝石は売れば有るだろう。

一千万使ってるし領収書が

わんさか出てきた。

頼むよオレ

金ないからさぁ!!」



「寿司だっけ。

 早速よろしくな。」



それから一花は来なくなった。


キャリーバックの毛皮や宝石の事は

知らないみたいだった。



あのド派手な下着も。

一週間分、俺が選んだんだろうな

どんな顔で、どんな気持ちで撰ん

だんだよ。


あんな女にあんなの着せて、

何がしたかったんだよ。


気持ち悪すぎて吐き気がする。


クローゼットの中のクリスマス

メッセージも一花あての、

ブランド品だった。



しかも羽奈には何も無い。


あの女に一千万? 



羽奈の誕生日だろうがぁ

なにやってたんだよ。


羽奈には…2千円のケーキのみ

しかも、受け取り拒否。

羽奈は知ってたって言ってたな。



記憶が戻るのは怖い。

羽奈を裏切った事全てがわかる

だから知らない方がいい。


    それがいい。


自己防衛、これ以上羽奈への

裏切りは知りたく無い。

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